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05月21日-02号

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  1. 京都市議会 1993-05-21
    05月21日-02号


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    平成 5年  5月 定例会(第2回)   平成5年第2回(定例会)京都市会会議録第2号           平成5年5月21日(金曜日)出席議員(70名)  1番  天方晶英君  2番  大道義知君  3番  日置文章君  4番  川中増次郎君  5番  内海貴夫君  6番  橋村芳和君  7番  桑原茂樹君  8番  いさか博文君  9番  中村勝己君  10番  河上洋子君  11番  富きくお君  12番  谷口弘昌君  13番  高嶋弘恵君  14番  小川利治君  15番  大西 均君  17番  小林正明君  18番  富田征義君  19番  加藤盛司君  20番  鈴木マサホ君  21番  藤井佐富君  22番  山中 渡君  23番  北山ただお君  24番  加藤広太郎君  25番  宮本 徹君  26番  今枝徳蔵君  27番  小林澄江君  28番  中西賢治君  29番  秋山幸雄君  30番  田中セツ子君  31番  伊藤義浩君  32番  磯辺寿子君  33番  二之湯 智君  34番  中野竜三君  35番  安井 勉君  36番  小林あきろう君  37番  三宅誠孝君  38番  藤本貞子君  39番  高橋きみ君  40番  山本 豊君  41番  山本正志君  42番  岩本 弘君  43番  可児達志君  44番  永嶋久仁朗君  45番  中西正三君  46番  田中 保君  47番  北川光男君  48番  田中のぼる君  49番  井上与一郎君  50番  高橋泰一朗君  51番  椋田知雄君  52番  中村安良君  53番  北川 明君  54番  奥山茂彦君  55番  梅林 等君  56番  山口幸秀君  57番  南野昭雄君  58番  阿美弘永君  59番  若宮 修君  60番  坂口芳治君  61番  藤原冬樹君  62番  有吉節子君  63番  国枝克一郎君  64番  西脇尚一君  65番  青木善男君  66番  津田幹雄君  67番  江羅寿夫君  69番  福島滋弥君  70番  西田輝雄君  71番  小坂 正君  72番  末本徹夫君  欠席議員(2名)  16番  巻野 渡君  68番  加藤つる君議事日程開議日時 5月21日午前10時第1 請願審査結果について(建設委員長報告)第2 議第52号 平成5年度京都市中央卸売市場第一市場特別会計補正予算第3 議第53号 平成5年6月9日における公の施設の供用の休止等に関する条例の制定について第4 議第54号 京都市職員の退隠料等に関する条例の一部を改正する条例の制定について第5 議第55号 平成5年度における退隠料等の年額の改定に関する条例の制定について第6 議第56号 京都市市税条例の一部を改正する条例の制定について第7 議第57号 議会の議決に付すべき契約及び財産の取得又は処分に関する条例の一部を改正する条例の制定について第8 議第58号 京都市乳幼児医療費支給条例の制定について第9 議第59号 京都市中央保護所条例の一部を改正する条例の制定について第10 議第60号 京都市児童館条例の一部を改正する条例の制定について第11 議第61号 京都市老人デイサービスセンター条例の一部を改正する条例の制定について第12 議第62号 京都市老人福祉センター条例の一部を改正する条例の制定について第13 議第63号 都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律の施行に伴う関係条例の整理に関する条例の制定について第14 議第64号 京都市勧業館(仮称)新築工事請負契約の締結について第15 議第65号 京都市中央卸売市場第一市場施設整備工事情報事務処理施設工事)請負契約の締結について第16 議第66号 山科駅前地区第一種市街地再開発事業施設建築物(D棟)新築工事請負契約の締結について第17 議第67号 梅小路公園緑の館(仮称)新築工事請負契約の締結について第18 議第68号 梅小路公園庭園整備工事請負契約の締結について第19 議第69号 元町消防職員待機宿舎(仮称)新築工事請負契約の締結について第20 議第70号 市道路線の認定について第21 議第71号 市道路線の廃止について第22 議第72号 損害賠償の額の決定について第23 議第73号 損害賠償の額の決定について第24 議第74号 損害賠償の額の決定について第25 議第75号 町の設置及び町の区域の変更について第26 議第76号 訴えの提起について第27 議第77号 訴えの提起について第28 議第78号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第29 議第29号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第30 議第80号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第31 議第81号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第32 議第82号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第33 議第83号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第34 議第84号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第35 議第85号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第36 議第86号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第37 議第87号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第38 議第88号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第39 議第89号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第40 議第90号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第41 議第91号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第42 議第92号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第43 報第1号 平成4年度京都市一般会計補正予算について第44 報第2号 平成4年度京都市土地取得特別会計補正予算について第45 報第3号 京都市市税条例の一部を改正する条例の制定について第46 報第4号 京都市臨時貸切旅客自動車運送事業条例の制定について   一般質問 1) 市政一般について  中村安良君 2) 市政一般について  大西 均君 3) 市政一般について  橋本芳和君 4) 市政一般について  若宮 修君 5) 市政一般について  阿美弘永君 6) 市政一般について  中西正三君 7) 市政一般について  小川利治君 8) 市政一般について  西田輝雄君 9) 市政一般について  富 きくお君~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 〔午前10時2分開議〕 ○議長(川中増次郎君) これより本日の会議を開きます。 本日の議事日程は,席上に配付いたしておきました。 本日の会議録署名者を指名いたします。山中渡君と梅林等君とにお願いいたします。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~議長(川中増次郎君) この場合,議長から御報告申し上げます。 本日までに受理いたしました請願2件は,お手元に配付してあります文書表のとおり,所管の常任委員会に付託いたします。--------------------------------------請願文書表「受理番号348」「PKO要員撤収の養成」・請願文書表「受理番号349」「マンション建設の指導」 ○議長(川中増次郎君) 次に人事委員会から,議第53号平成5年6月9日における公の施設の供用の休止等に関する条例の制定についての意見書が提出されました。 この写しは,お手元に送付いたしておきました。--------------------------------------地方公務員法第5条第2項の規定に基づく意見について ○議長(川中増次郎君) 以上,御報告申し上げます。御了承願います。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~議長(川中増次郎君) 日程に入ります。 日程第1,請願審査結果についてを議題といたします。 委員会報告書は,配付いたしておきました。--------------------------------------建設委員会報告書議長(川中増次郎君) お諮りいたします。本件は,建設委員会報告書のとおり,1件を採択することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(川中増次郎君) 御異議なしと認めます。よって本件は,建設委員会報告書のとおり決しました。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~議長(川中増次郎君) 次に日程第2ないし日程第46については,前回の議事を継続し,これより順次上程することといたします。 日程第2,議第52号平成5年度京都市中央卸売市場第一市場特別会計補正予算を議題といたします。 お諮りいたします。本案は,委員会付託を省略のうえ,原案のとおり可決することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(川中増次郎君) 御異議なしと認めます。よって本案は,原案のとおり可決されました。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~議長(川中増次郎君) 日程第3,議第53号平成5年6月9日における公の施設の供用の休止等に関する条例の制定についてを議題といたします。 お諮りいたします。本案は,委員会付託を省略することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(川中増次郎君) 御異議なしと認め,省略いたします。 これより討論を行います。発言の通告がありますので,これを許します。藤井佐富君。 〔藤井佐富議員登壇(拍手)〕 ◆(藤井佐富君) 私は,日本共産党京都市会議員団を代表して,今回提案されております議第53号平成5年6月9日における公の施設の供用の休止等に関する条例案に反対の討論を行い,我が党の立場を明らかにするものであります。 この条例案は,国会において,皇太子の結婚式の行われる本年6月9日水曜日を国民こぞって祝意を表すため臨時休日とする法律が可決されたことに基づくものであります。 我が党がこの条例案に反対する第1の理由は,天皇家の中の私的な行事をあたかも国の重大な行事として扱い,国民に祝意を強制するものであるということにあります。憲法は,皇太子について何も定めておらず,その結婚は国の行事とは全く関係ない私ごとであります。 第2の理由は,国の在り方を決めた憲法と天皇のかかわりの問題から見れば,皇太子の結婚を特別扱いすることは憲法の主権在民という大原則をあいまいにし,国民の民主的権利を擁護,徹底する憲法の趣旨に反することになるということであります。 御存じのように戦後政治は,何よりも侵略戦争と暗黒政治の痛切な反省を原点として出発しました。そしてその最大の要因であった絶対主義的天皇制は解体され,新憲法によって国民主権が厳粛に宣言されたのであります。京都市政においても,当然のことながら憲法を遵守し,国民主権,思想信条の自由,法の下の平等,貴族制度の禁止など,今日では常識になっている民主的原則を守る立場に立つべきであり,本条例案は撤回すべきであります。 なお本市が結婚の儀に関連して奉祝式典,奉祝行事,記念事業などを執り行い,国民主権の原則を踏みにじるこうした動きに同調することがないように併せて指摘し,我が党の見解表明といたします。(拍手) ○議長(川中増次郎君) これをもって討論を終結いたします。 これより表決を採ります。本案は,原案のとおり可決することに賛成の方の起立を求めます。 〔賛成者起立〕 ○議長(川中増次郎君) 多数であります。よって本案は,原案のとおり可決されました。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~議長(川中増次郎君) 日程第4及び日程第5,議第54号京都市職員の退隠料等に関する条例の一部を改正する条例の制定について,ほか1件,以上2件を一括議題といたします。 お諮りいたします。本案は,委員会付託を省略のうえ,原案のとおり可決することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(川中増次郎君) 御異議なしと認めます。よって本案は,原案のとおり可決されました。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    議長(川中増次郎君) 日程第6,議第56号京都市市税条例の一部を改正する条例の制定についてを議題といたします。 お諮りいたします。本案は,委員会付託を省略することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(川中増次郎君) 御異議なしと認め,省略いたします。 これより討論を行います。発言の通告がありますので,これを許します。中村勝己君。 〔中村勝己議員登壇(拍手)〕 ◆(中村勝己君) 私は,日本共産党京都市会議員団を代表して,議第56号の市税条例の一部を改正する平成6年度の固定資産税の評価替えにおける土地の評価に伴う固定資産税及び都市計画税負担調整措置について反対の討論を行います。ただし市街化区域農地に係る特例措置の新設は当然であります。 固定資産税の評価額の70パーセントへの引上げの狙いは,政府が日米構造協議での土地の有効利用の促進を進めることを約束したアメリカと大企業の要求に基づくものであります。今回の条例改正は,そうした狙いを持つ固定資産税の評価額の引上げを前提にした負担調整措置であって,本市の場合は平均で6倍,高い所では10倍近い評価額の引上げが行われることになるのであります。いかに負担調整措置を講じようとも,平成6年度の評価替への土俵づくりとして1年も前から導入しようとするものでありますから,このようなやり方を認めるわけにはいかないというのが反対の第1の理由であります。 反対の第2の理由は,どのような負担調整措置が採られようとも,市民にとっては大変な増税になるという問題であります。本市の場合をとって試算してみますと,毎年7パーセント以上の増税,3年間で22パーセントと大幅な固定資産税都市計画税の負担になることも明らかであります。 自治省は,様々な負担調整措置を導入することによって住民の批判をかわそうとしていますが,これはとんでもないことであります。今や地価が下落傾向にある中で,地代,家賃の大幅な値上がり問題が各地で多発しているのであります。現在でさえ固定資産税都市計画税,地代や家賃の値上げで苦しんでいる高齢者,年金生活者,低所得者や中小零細業者などにとっては耐え難い負担になることは明らかであるということであります。 そもそも固定資産税は,現行でも高過ぎる,せめて都市計画税だけでも値下げして欲しいというのが住民の願いであって,なぜ急激に上げるのか,理由がはっきりしない,納得できないとの批判が出るのは当然であります。 我が党は,居住用の土地の保有を前提とする固定資産税と,売却を前提とする地価公示の評価額が異なるのは当然のことであって,こうした評価の違いを検討せず,公示価格の何割に引き上げるかという引上げ幅だけを検討の対象にしてきたことに大きな問題があることを指摘してきたのであります。 今やバブルは崩壊し,国土庁の調査でも地価は下がっています。また住民の相談窓口である区役所の担当者からも,地価が下がっているのになぜ引き上げるのかと言われれば逃げ出したくなる,などの声も出ているのであります。 今こそ不況で苦しむ中小零細業者や住民の負担の軽減と,また自治体での不要な混乱を避けるためにも,市長も議会も,市民挙げて評価額の引上げの作業を中止せよとの意見を政府に上げるべきであることを申し上げて,私の討論を終わります。(拍手) ○議長(川中増次郎君) これをもって討論を終結いたします。 これより表決を採ります。本案は,原案のとおり可決することに賛成の方の起立を求めます。 〔賛成者起立〕 ○議長(川中増次郎君) 多数であります。よって本案は,原案のとおり可決されました。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~議長(川中増次郎君) 日程第7,議第57号議会の議決に付すべき契約及び財産の取得又は処分に関する条例の一部を改正する条例の制定についてを議題といたします。 お諮りいたします。本案は,委員会付託を省略することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(川中増次郎君) 御異議なしと認め,省略いたします。 これより討論を行います。発言の通告がありますので,これを許します。坂口芳治君。 〔坂口芳治議員登壇(拍手)〕 ◆(坂口芳治君) 議会の議決に付すべき契約について,限度額を現在の3億円から5億円に引き上げようとする議案に,日本共産党京都市会議員団を代表して反対する討論を行います。 地方自治体が発注する工事又は製造の請負契約のうち議会の同意を必要とするものの限度額は,それぞれの自治体の条例で決められていますが,その基準は地方自治法施行令に定められております。その基準金額は,今年の3月に改定され,指定都市においては1億8000万円以上となっていたものを3億円以上にと引き上げられました。御存じのとおり京都市の条例では,現在既に3億円以上と定められておりまして,自治法施行令による限度額と同額になったわけです。都道府県の基準については,3億円を5億円にと改められていますが,それに倣う必要はありません。 公共事業をめぐる今日の状況から見て,議会はチェック機能をしっかりと果たさなければならない立場にあります。政令の定めと同額となった3億円以上という限度額を維持すべきであって,引き上げることを認められないのは当然です。 先週の木曜日5月13日に山梨県建設業協会は,公共工事をめぐる談合容疑で公正取引委員会の立入調査を受けました。協会の事務所と工事業者の本社など30数か所の調査です。これらの事務所や会社は,今年の3月には東京地検特捜部の強制捜査も受けております。金丸元自民党副総裁の脱税事件にかかわっていたゆえにであります。報道によりますと,大手ゼネコンが中心になって協議して,入札前に予定落札価格と業者を決めていた。そして受注額に応じて上納金を納めていた。まんじゅう代,コーヒー代と呼ばれるやみ献金で,これが金丸事務所で派閥を養う資金となり,あるいは金塊やワリシンに化けていた疑いであります。 悪事千里を走ると申しますが,公共事業を食いものにして,私腹を肥やし甘い汁を吸った政治家やゼネコンが山梨県だけにとどまっているはずはありません。全国至る所に金丸流の談合ややみ献金が広まっているでありましょうし,京都だけ無縁というわけではありますまい。このようなときに議会のチェックを緩めることを何で認めることができますか。 京都市会では,昭和63年12月,左京消防署新築工事契約を問題ありとして否決した実績があります。このときの契約金額は4億5500万円でした。議会の議決に付すべき契約金額の限度額が5億円以上に引き上げられていたならばチェックできなかったわけです。この事実に照らしても限度額の引上げが適切でないことは明らかです。 なお議会の議決が契約の条件となれば機敏な対応ができないので,議決を必要としないものの範囲を広げるという言い分は,議会の権限に枠をはめる,ためにする論議であることを申し述べまして討論といたします。(拍手) ○議長(川中増次郎君) これをもって討論を終結いたします。 これより表決を採ります。本案は,原案のとおり可決することに賛成の方の起立を求めます。 〔賛成者起立〕 ○議長(川中増次郎君) 多数であります。よって本案は,原案のとおり可決されました。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~議長(川中増次郎君) 日程第8,議第58号京都市乳幼児医療費支給条例の制定についてを議題といたします。 お諮りいたします。本案は,委員会付託を省略のうえ,原案のとおり可決することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(川中増次郎君) 御異議なしと認めます。よって本案は,原案のとおり可決されました。 次にただ今議決いたしました議案に対する付帯決議についてお諮りいたします。お手元に配付してあります文書のとおり,1個の付帯決議を付すことに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(川中増次郎君) 御異議なしと認め,さよう決します。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~議長(川中増次郎君) 日程第9ないし日程第13,議第59号京都市中央保護所条例の一部を改正する条例の制定について,ほか4件,以上5件を一括議題といたします。 お諮りいたします。本案は,委員会付託を省略のうえ,原案のとおり可決することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(川中増次郎君) 御異議なしと認めます。よって本案は,原案のとおり可決されました。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~議長(川中増次郎君) 日程第14ないし日程第19,議第64号京都市勧業館(仮称)新築工事請負契約の締結について,ほか5件,以上6件を一括議題といたします。 お諮りいたします。本案は,委員会付託を省略のうえ,原案のとおり可決することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(川中増次郎君) 御異議なしと認めます。よって本案は,原案のとおり可決されました。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~議長(川中増次郎君) 日程第20及び日程第21,議第70号市道路線の認定について,ほか1件,以上2件を一括議題といたします。 お諮りいたします。本案は,委員会付託を省略のうえ,原案のとおり可決することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(川中増次郎君) 御異議なしと認めます。よって本案は,原案のとおり可決されました。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~議長(川中増次郎君) 日程第22ないし日程第24,議第72号損害賠償の額の決定について,ほか2件,以上3件を一括議題といたします。 お諮りいたします。本案は,委員会付託を省略のうえ,原案のとおり可決することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(川中増次郎君) 御異議なしと認めます。よって本案は,原案のとおり可決されました。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~議長(川中増次郎君) 日程第25,議第75号町の設置及び町の区域の変更についてを議題といたします。 お諮りいたします。本案は,委員会付託を省略のうえ,原案のとおり可決することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(川中増次郎君) 御異議なしと認めます。よって本案は,原案のとおり可決されました。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~議長(川中増次郎君) 日程第26ないし日程第42,議第76号訴えの提起について,ほか16件,以上17件を一括議題といたします。 お諮りいたします。本案は,委員会付託を省略のうえ,原案のとおり可決することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(川中増次郎君) 御異議なしと認めます。よって本案は,原案のとおり可決されました。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~議長(川中増次郎君) 日程第43及び日程第44,報第1号平成4年度京都市一般会計補正予算について,ほか1件,以上2件を一括議題といたします。 お諮りいたします。本件は,委員会付託を省略のうえ,承認することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(川中増次郎君) 御異議なしと認めます。よって本件は承認することに決しました。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~議長(川中増次郎君) 日程第45及び日程第46,報第3号京都市市税条例の一部を改正する条例の制定について,ほか1件,以上2件を一括議題といたします。 お諮りいたします。本件は,委員会付託を省略のうえ,承認することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(川中増次郎君) 御異議なしと認めます。よって本件は承認することに決しました。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~議長(川中増次郎君) これより一般質問を行います。発言の通告がありますので,これを許します。市政一般について,中村安良君。 〔中村安良議員登壇(拍手)〕 ◆(中村安良君) 後ほど我が党の大西議員,橋村議員が市政各般にわたって質問されますが,その前に自由民主党を代表して,8月に行われる京都市長選挙に際し田邊市長の再出馬問題の一点に絞って質問させていただきます。 私があえてこの問題で質問させていただくのは,この議会で市民の代表である我々に直接明かにされることが田邊市長の責務であると考えたからであります。したがって市長は,忌憚のない率直な答弁をされるようお願いしておきます。 我が党は,既に去る4月17日,田邊市長,あなたに対し再出馬を要請し,幸いにして再び立候補されるのであれば,我が党は田邊市長を全面的に支持して,その再選のためにともに戦う用意のあることをお伝えしてきたところであります。仄聞いたしますと,その後,公明党,民社党,社会党からも同様の再出馬要請が行われたとのことでありますし,また京都医療・衛生団体協議会をはじめとして200を超える多くの団体からも,田邊市長にもう1期市長職を続けていただいて京都の抱える諸問題の解決,また現在計画策定中のものや,あるいは実施されつつある諸課題の完遂に努力して欲しいとの要請が数多く届けられていると承っております。 そこで第1点としてお伺いすることは,良識ある政党や市民団体のこれら広範囲からの要請に対し,田邊市長はどのように応じようとされるのでしょうか,御決意の程をまずお聞かせください。 第2点として,これらの要請には,単に要請だけをしているものもあるでしょうが,やはり政策要望とか,推薦,支持の条件なりあるいは当選後の市政の在り方や,それを遂行する市長に期待するもろもろのことが述べられていると思います。 我が党も来るべき京都市長選挙に臨み,田邊市政4年間の総括を行い,また今後の京都市政の在り方の検討を重ねた結果,あなたに対する期待なり要望は既に伝えてきたところであります。それは田邊市長御自身には,詳細にわたり御説明を申し上げておりますが,田邊市長が再出馬されるならば,あなたの選挙公約や選挙スローガンに具体的に織り込まれるものと確信しておりますので,今ここで詳細に述べることは時間の関係もありいたしませんが,項目だけを申しますと,おおむね次の5点であります。すなわち1番目に,産業,経済の活性化の施策を推進する。2番目に,同和行政を改善する。3番目に,福祉,健康づくり施策を積極的に進める。4番目に,新京都市基本計画にうたわれている文化首都京都の実現を期す。5番目に,実行力のある行政執行体制を確立する,であります。 そこで田邊市長に,この我が党の京都市政に対する要望,期待に対する所感をお聞きしたいわけであります。 さて今日ほど地方の自主性,主体性の確立,あるいは地方自治体への行政権限の移譲や地方分権の一層の進捗が叫ばれている時はありません。政治状況においても,地方の課題に取り組むそれぞれの政党の認識や問題意識,取組の姿勢の中で,中央の与野党の色分けとはまた別の協力,協調関係が地方で進んでいるところであります。私は,こうした状況の進捗が政治改革を中央に迫っている一つの土壌ともなっていると思うのであります。また中央での与野党を超えた政界再編成の機運を作り出しているものと考えるものでありますが,いずれにしても地方は中央政界のコピーではないのであります。京都の市長選挙は,そうしたコピーのような組合せでなく,まさに京都の抱える課題,解決すべき問題への認識,取組の姿勢によっての組合せで戦われるべきものであると考えます。 その意味において,田邊市長は,この京都の抱える課題,解決すべき問題はどの辺にあるとお思いでしょうか,御所見の程をお聞かせください。また再出馬の意思を明かにされるならば,再選に臨む市長の決意も併せてお聞かせください。 いずれにしても146万京都市民は,熱いまなざしで市長の再登場を熱望しておりますので,市長は是非ともこれにこたえ市民の期待する答弁をお願いして,私の質問を終わります。(拍手) ○議長(川中増次郎君) 田邊市長。 ◎市長(田邊朋之君) 中村議員の御質問に対してお答えいたします。 本年8月に行われます京都市長選挙に際しまして,過日,自由民主党京都府連から私に対しまして再出馬するようにという大変心強い御支援をいただきました。その後公明党,民社党,社会党,社民連からも同様の趣旨の御推挙をいただきまして,労働団体,また経済界,また多くの市民団体からも同様の出馬要請をいただきました。このことは私にとりましては身に余る光栄でございまして,深く感銘を受けておるところでございます。 私は,この4年間,京都市の発展のために,また京都市民の生活の向上のために健康都市構想を策定し,また土地利用,景観問題につきましても新しい認識を持ちまして,またそれらを基本にいたしまして新京都市基本計画を策定いたしまして,残されました20世紀の京都の行政の大綱を示しますとともに,21世紀に向けましての確実な着陸を目指す方策を市民の皆さん方にお示しいたしたところでございます。 今私に与えられました責任は,これらの方策を具体的な事業として今後京都市のために,市民生活の発展につなげることであると考えております。そのような観点から,私は,再び京都市政の重責を担う責任を持ちたいと考えておるところでございます。 また先般,自由民主党をはじめ推挙いただきました政党からは,今後の京都市の在り方につきまして多くの重要な問題の御指摘をいただきました。このことは,今後京都市の発展のために解決していくべき重要な事柄ばかりでございまして,この点につきましては今後与党の皆さん方と十分協議いたしまして,このことが実行されるような方策の道を明らかにしていきたいと考えておるところでございます。 今私たちを取り巻きます環境が非常に大きく動いております。特に私どもは,明年平安建都1200年を迎えるわけでございますが,京都が今後個性と魅力あるまちとして発展するかどうか大きな岐点に立っておると私は考えております。そういう時代に地方自治の精神を拡大してまいりまして,市民と一体になって力を合わせていくことは極めて重要なことでございまして,今後これらの事業を進めて本市の発展を図っていくことが私に与えられた責任であると考えておるところでございます。 今後,事業の在り方,政策につきましては,与党の皆さん方と十分協議いたしまして,改めて京都市長に出馬する私の意思をその際明確にしていきたいと考えております。どうよろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~議長(川中増次郎君) 次に市政一般について,大西均君に発言を許します。大西君。 〔大西均議員登壇(拍手)〕 ◆(大西均君) 田邊市長は,平成元年8月の厳しい選挙を戦われ,19年ぶりに庁外から京都市民の大きな期待と我が党をはじめとする公明党,民社党の支持に支えられて当選されました。またただ今は,我が党議員団の中村議員の質問に答えて,市長は実質的に2期目への出馬の決意を表明され,私も市長再選に向けともに戦う決意を新たにした次第でございます。 ところで私は,田邊市長が当選されてから遅れること1年8か月,先の統一地方選挙で実質的に政治に関与していない市民の一人として当選させていただき,その意味では,市長と私はいわゆる市民感覚では同じだろうと思っているわけであります。市長は,この8月に1期目の任期を終えられるわけでありますが,本会議での一般質問における答弁は,今任期中最後になるわけであります。何とぞ議場におられる先輩,同僚議員並びに幹部職員に対して約4年間を振り返りながら忌憚のない市長の御意思を披瀝していただきたいと思います。 さて田邊市長は,市長就任時はもとより,毎年年頭に当たって訓示されておりますが,私はこの訓示を興味深く聞くと申しますか,読ませていただいております。初登庁に際し,市長は,市政を刷新し京都の基本的なまちづくりを目指し,健康,医療,福祉を増進し,豊かな京都をつくっていくことを三つの柱として,これを推し進めるため,過去の事例を意識して幹部職員に対し,公私のけじめを付け,市民に奉仕し,評論家になるのではなく市民に分かりやすく実行する人になってもらいたい,そして組織としての規律を守り活性化を目指したいと訓示されました。 平成2年以後の年頭訓示では,我々は市民に奉仕するために政治を預かっている。いやしくも傍観者であったり評論家でとどまることなく,これまで以上に行政の主体性を発揮してもらいたい。幹部職員でありながら確たる考えもなく,ただ漫然と前例,慣行に従う者,困難に直面したときにそこから逃避する者,日和見的で自己保身に汲々としている者は断固排除していくと断じられたのであります。そして市民感情,創意工夫,努力,実行,結束,自信という言葉を再三再四使って訓示されているのを見ますと,訓示というよりも私には悲痛な叫びのように聞こえてまいりました。 市長の年頭訓示を逆にして考えてみますと,今の市役所は市民感情を採り入れず,傍観者であり評論家,意思の疎通と連携,結束力が弱く,創意工夫や奉仕の精神はなく,実行力に欠けると市長が感じられたため,それを払拭するために幹部職員に対して叱咤激励されたことになります。 この市長の感覚は,我が自由民主党議員団が常々指摘していることと合致するものでありますが,後ろの席でお聞きの理事者の皆さんはどのようなお気持ちでお聞きになっていたのか,どのように感じられたのか,またどのように対処されてきたのか興味深いものがあります。市職員2万人のトップとして,京都市行政を執行していくに当たり,訓示に表れております市長のお気持ちと,現在までの約4年を振り返って,その御感想なり御所見をまずお聞かせください。 次に我が自由民主党市会議員団が田邊市長に対し要請いたしております人事及び執行体制についてお伺いいたします。同和問題については,後ほど同僚の橋村議員が質問いたしますので,ここでは去る3月に示されました今後の本市同和対策事業のあり方についてを実効あらしめるため,人事及び執行体制を確立し英断をもって本市同和行政を見直していくべきと考えますが,市長の御答弁をお願いいたします。 またこの4月の人事異動においては,我々の言ってきたことが実現しておりません。それは組織外の企画主幹についてであります。このことは制度的に指摘しているところであり,組織上のチェックも受けない人事制度が果たして開かれた市政を標榜する田邊市政の中に存在してよいのでしょうか。ここで改めて市長のお考えをお伺いします。 長と議会の関係は車の両輪によく例えられますが,車の両輪は主軸によってがっちりと連動されていてこそであります。市長並びに幹部職員の皆様に申し上げておきますが,市民の声を聴くとは,まず第一義的に議会すなわち議員の声を聴くことであります。我々議員は,市民に対して耳ざわりの良いことだけを訴えるのではなく,しっかりと市民の声を聴き現実の市民要求を見据えた,夢物語ではない実現できる施策を考え,常に市民の立場に立って行動を行っているのであります。間違ってはならないことは,大きな声の少数の市民に惑わされないこと,大きな声を出さない多数の市民の要求は那辺にあるかということを知ることであります。我が自由民主党市会議員団がかねてより指摘しているとおり,長と議会の意思疎通を欠く場面に多く遭遇することは誠に遺憾と言わざるを得ません。このことは執行体制の政務施策面におけるひ弱さを露呈しているものであり,これに精通したパイプ役的人事を確立すべきであると考えますが,執行体制の強化という観点に立って,助役人事を含め市長の御所見をお聞かせください。 次に教育問題について質問します。まず第1点目は,国旗,国歌についてであります。日の丸の性格付けをめぐる論議が交わされた判決が去る3月23日,那覇地裁でありました。日の丸が国旗かどうかについて,現行法制上,一般的な規定はないとしながらも,国民から日の丸以外に国旗として扱われているものはなく,また多数の国民が日の丸を国旗として認識しているから,公訴事実の国旗とは日の丸を指すとの判決であります。 どこの国にもその民族性を示したり,国のシンボルとしての国旗があります。日の丸もまた我が祖国日本が歴史を積み重ねる中で,事実上も慣習的にも国民の大多数による国家を象徴する国旗として用いられ,その位置を占めてきたことは紛れもない事実であります。しかし残念ながら一部の大きな声の反対者によって,日の丸はさも侵略戦争のシンボル,天皇賛美の象徴のごとく叫ばれております。 思えば20数年前,大学を中心にエンゲルスの空想より科学への教本を基にして国家が資本主義から社会共産主義へ移行するとの論調の下に,これらを主張していないとまるで知識人ではないと言わんばかりの現状がありましたが,反日の丸の主張者と似ているような気がしてなりません。時の教授連は,東欧の国家に見られるように,社会共産主義が自ら崩壊していく現在の世界情勢を目の当たりにして何を思っているのであろうかと思う今日このごろであります。 話を元に戻して,オリンピックをはじめとする国際大会などでは,大多数の国民が日の丸を持って応援と感動を繰り返しております。戦前にも,前畑頑張れ,前畑頑張れのコールがあり,バルセロナオリンピックでは,中学生の恭子ちゃんが日の丸の掲揚とともに喜びの涙があふれ,その涙と恭子ちゃんの優勝に国民は感動の渦中にありました。その事実を日の丸反対の諸君も同じように涙ながらに見ていたのではないでしょうか。 今や日の丸は平和の象徴として,かつ国際平和のシンボルとしても国民の間に定着していると言っても過言ではありません。ただ声の大きい一部の者は,それぞれの国民が持つ悲劇的な感傷を巧みに利用し,日の丸を揚げようとする者は痛みの分からない者と非難しているにすぎません。もちろん国家,自治体といえども信条の自由を妨げたり,押し付けたりすることはできないことは論をまちませんが,民主主義社会にあって国や自治体の一つの方針や決定に従わなければならないこともまた論をまたないのであります。 この判決の中にも述べられているとおり,法律の前に,条理と慣習による自然法の精神を忘れることなく,今後自然に国民の間に平和の旗,日の丸として意識付けられながら,国際化が叫ばれる今日,祖国日本を愛し,誇りと自信を持てる人間を育てていかなければなりませんし,その日本の伝統を次の世代に継承しようとしていくことも今を生きる我々に課せられた責務であります。このことは教育委員会の果たすべき役割もまた大きいものがあります。小,中学校の中で,国旗,国歌をどのように教育的指導をされ,充実されようとしているのか教育長にお尋ねいたします。 教育に携わる教師の資質についてお尋ねいたします。教師が聖職であるか労働者か,論議されて久しい問題であります。古くから言われている言葉ではありますが,私は,教育は人なりであると考えております。教師が生活の糧を得るために,単に知識の切売りをしているといった感覚は断じて認めることはできません。幾ら時代が変わったといえども,教師たるもの聖職者でなくてはならないと考えております。人が人を教えるということは大変恐れ多いことであり,ある人の一生をある人が左右するという重要な人生の一部分を教師がかかわっているのであります。 教師に必要な資質として,私は二つあると考えております。その一つは,子供たちに確かな学力を身に付けさせるための教科指導力であります。もう一つは,教科の指導力に勝るとも劣らない教育に掛ける情熱,熱意,そして子供たちへの教育愛であります。これなくしては教師とは言えません。学校の先生は,給料は高くないが,倒産はないし転勤も京都市内に限られる,まあ子供も好きだしといった姿勢では困るのであります。教師に滅私奉公を強いているわけではありませんので,休むときは大いに休み,子供の教育に全身全霊を傾けて欲しいのであります。 私が知る限りでは,京都市は優れた教育指導力とあふれんばかりの情熱,熱意を持ち合わせた先生がたくさんおられ,先生というのは本当に大変な職業だなと感心したことが何回もあります。しかし残念なことに全員がそうしたすばらしい先生ばかりでないことも事実であり,権利のみ主張し,きれいな教育論を隠れみのにして楽をすることを考えている一握りの先生によって大多数の頑張っている先生方が足を引っ張られたり,学校教育に対する信頼を損ねたりすることがないよう願っております。教育委員会の理想とする教師像はいかなるものであり,あるべき教師の育成のため,研修を含めどういう取組をされているのか,京都市の子供を預かる最高責任者としての決意も含めて教育長にお尋ねいたします。 一方,保護者は学校に何を期待しているのでしょうか。多くの場合,子供たちに学力を身に付けさせることだと思います。そもそも学力とは何か。広辞苑によると,一つ,学問の力量,二つ,学問によって得られた能力という二つの意味が載っております。一般に学力という場合は,後者の学問によって得られた能力,すなわち英語の単語を幾つ知っているという意味に使われることがほとんどであります。しかし,私が学校に期待する学力とは,学問の力量,すなわち学習することのできる力,言い換えれば自己学習力であります。この力こそ社会で真に役立つものであると私は信じて疑わないのであります。 以上のような教育の基盤として,道徳性の育成,すなわち生命を尊重する心,他人を思いやる心,感謝の心や公共のために尽くす心,美しいものや崇高なものに感動する心を育てることが今何よりも求められており,これらがしっかりと結び合ったときに真の教育の効果が発揮されると考えます。 いじめや不登校の問題も,こうした道徳教育と,後で述べますが活力ある学校づくりと密接に関連していると私は見ております。教育委員会では,いじめや不登校をなくすため鋭意努力されていると聞いておりますが,いじめや不登校の背景,原因は様々であり,かつそれらが複雑に入り混ざっているために解決を困難なものにしておりますが,私は,子供たちに相手の立場に立って物事を考え,人の痛みの分かる力を付けさせることこそ有効な解決手段であると常々感じているところであります。 私は,実践を通じての道徳教育をますます充実させる必要性を痛感しておりますが,教育委員会では,道徳教育の重要性を踏まえどのような取組をされているのか教育長にお尋ねいたします。 次に活力ある学校づくりに関してであります。教育委員会では,これまでにも全国的に例を見ない全小学校でのスポーツ教室の実施や,各校できょうとタイムと称して子供同士が感動体験を発表できる場の取組をされております。今後はこうした全市一斉の取組に加えて,一校一校が独自の目標を立て特色ある取組をすることにより,子供たちが,私は何々に特徴のある京都市の何々学校を卒業しましたと誇りと自信を持って胸を張ることのできる創造的な取組,活動が必要なのではないでしょうか。 大文字駅伝に見られるように,各校同士の一つの競争心,一つの一体感,一つの満足感,一つの充実感は何事にも代え難い人生のお土産です。これらのことによって学校全体が活力にあふれ,立てた目標に向かって一体となって活動することが必要であると考えます。 今年度新たに教科学習に焦点を当てた独自の取組をフロンティアスクール推進事業として実施されると聞いておりますが,取組内容,その進捗状況等について具体的にお聞かせください。 またこの4月6日に本格的オープンしました花背山の家は,聞くところによりますと既に8月まで満杯の盛況の由,総工費66億円を費やしたかいがあるというものでありますが,野外活動施設としては余りにも充実した感があります。子供たちに花背の山村に触れ合うといった体験的学習を活力ある学校づくりの視点からどのように採り入れようとするのか。またそういった学習の場としての山の家を各学校にどのような形で位置付けようとするのか併せて教育長からお聞かせください。 また活力ある学校とは,内部的な面はもちろんのこと地域とのかかわりの中にも根差さなければならないものと考えます。子供の教育について,保護者や市民の方々に是非考えていただきたいのは,誰が子供を教育するのかということであります。 私が子供のころは,地域社会で子供を育てるという風潮にありました。ところが最近では,少子化や核家族化,都市化に伴う人口の流動,塾通いなどにより,隣は何をする人ぞ,さわらぬ神にたたりなしといった風潮にあり,地域で子供を育てるということができておらず,子供の教育はすべて学校任せになっているようで残念で仕方がありません。 本来子供の教育は,学校と家庭と地域社会がそれぞれの役割を果たす中で行うものであるにもかかわらず,その役割分担が過度に学校に依存する傾向について見直す必要性を痛感しております。そうした下で,何かが起これば保護者やマスコミなどの批判の矢面に立たされながら,学校は着実に取組を進めていただいておりますことには敬意を表したいと思います。しかしながら,学校の取組にはまだまだ物足りなさを感じているのも事実であります。地域と連携を持ち,一体となって子供たちを学習,体験の場へ担ってこそ初めて両面そろって活力ある学校と言えるのではないでしょうか。その一つの方法として,昨年9月から実施されている地域におけるいきいきサタデー推進委員会の充実はなくてはならない存在だろうと思います。いきいきサタデー推進委員会の設置状況や取組状況,また過去数回の取組の反省に立って今後の教育委員会の方針について,地域の果たす役割も含めて教育長のお考えをお聞かせください。 次に景観対策であります。京都は,東山,北山,西山の三山と鴨川を中心とする自然環境に恵まれた世界にも類のない大都市です。かつ国宝,重要文化財をはじめとする歴史的遺産の集積地であり,これらはその自然と見事なまでに調和を保ちながら,今日,日本の京都として息づいております。そしてこれら京都の自然,景観を保ち続けることは,京都の市長の必要最小限の責任でもあります。しかし反面,京都人の血は,町衆が次々と新しいものを採り入れ,発想し,息吹を吹き込みながら,いわゆる京都文化を発展させてきた結果,今日があり,かつ今も発展させているのであります。現状維持,すなわち守りに入ったものからは何も生まれることなく,ただ死,廃墟を待つのみとなることは自明の理であります。 そこで田邊市長が就任されてからの自然景観問題について数点質問いたします。一つは,比叡平の不法造成について,行政代執行という京都の歴史の1ページを飾るにもふさわしい見事なまでの英断をなされました。しかしあの執行は,市民の税金をつぎ込んでの後始末的執行を行ったものであり,税金は未然に防ぐために使って欲しいものであります。不法開発,不法造成,不法投棄の防止対策についてどのように考えておられるのか。現行の法制度の下では濫開発等防止の決め手がないというのではなく,創意工夫に立った御答弁をお願いいたします。 次にいわゆるポンポン山であります。田邊市長の苦悩とも思えるポンポン山買取り事案は,田邊市長を支える我が自由民主党でさえ,当時の声明に見られるごとく田邊市長と見解を異にして賛同したものであります。これらの根は田邊市長の責任によるものではないと思いますが,執行体制という点では大きな責任とも思えます。 目的を持たない土地の先行取得という点においても極めて異例の取得であったことは間違いないのであります。しかし,災い転じて福となすは,まさに行政手腕に負うところが大きいと言えます。ポンポン山は利用目的を持たない自然いっぱいの土地で,真っ白なキャンパスに絵を描いていくようなものであります。ポンポン山の利用については,京都の三山を含め市内周辺地域振興方策等検討委員会が設置され検討されているとのことでありますが,ここはひとつ利用について広く市民のアイデアを募集し,採用ないしは優秀アイデアには懸賞金を出すということなどはいかがかと思いますが,市長のお考えをお聞かせください。 小倉山問題は,先の比叡平と対比しますと,出発点においては大きな差はありますが,原状回復という点に関しては同じであります。違法に対して毅然とした態度を示していくといった比叡平の違法行為に対する田邊市政の態度と,今般の小倉山問題の解決策との整合性について答弁願うとともに,今後京都市政において二度と同じ轍を踏まないよう,その対策について御決意をお聞かせください。 最後に地元でもありますので一条山に触れておきます。この問題は現在審理が継続中でありますので,私見をこの場で述べることは控えさせていただき,田邊市長にお願いと市民の意とすることを述べさせていただきます。 行政といえども人がやることでございます。決定や執行が間違ってしまうことは,あってはならないのですが起こり得ることでございます。間違ったと思っても,それを押し通そうとする市政を英断を持って改めてもらいたいと思いますので,田邊市長にあっては,その最高責任者として常識的に市民が賛同できる執行体制の確立を望みたいと思います。 そこで今後の対策として,あのような大規模開発にあっては,市自ら市民に公開,そうでなくても行政のチェック機関である議会にその詳細を事前に知らせるべきであると考えますが,これまでは不十分ではなかったでしょうか。両輪となるべき執行機関と議会が同じ回転数で回っているとお思いですか。市長のお考えをお聞かせください。 私は,一条山が崩れていく折は議員ではありませんでしたが,市があのような形になることを許可しているのであろうとの思いで毎日見ておりました。あれをいち早くチェックできたのは,住民と同じ目で地域を見つめる議員であり,その地域の行政を担当する公務員ではなかったでしょうか。あえて申し上げておきますと,刑事訴訟法239条第2項で,地方公務員は職務に関する違法な行為に対しては告発の義務を負うという規定があります。それを思うと私は残念でなりません。併せて市長の御所見をお伺いいたします。 次に清掃行政について質問いたします。従来,京都市は内陸地ということもあって清掃行政は大変厳しいものであったと推察いたします。その意味では,焼却処分については進んだ政策を採ってこられたと思います。しかし日本では,いずれごみ戦争に突入すると言われてから久しいにもかかわらず,今日まで排出されたごみを適正に処理することが中心の行政であったことは誠に遺憾と言わざるを得ません。これは,市民の多くの意見がごみ処理を有料化にしてでも減量に努めるべきであるとしているのを見ても明かであります。すなわち行政は先見性を持ち,排出されるごみ量を減らすための政策をいち早く打ち出すべきでありました。私は,遅きに失した感はありますが,廃棄物条例が21年ぶりに全面改正されたことを大きな契機とし,行政が積極的なリーダーシップをとり,市民,事業者と一体となってごみの減量化に努めてもらいたいと思います。 現在,家庭ごみの中には,使い捨て時代を反映し重量比で約23パーセント,容積比で約60パーセントもの割合で牛乳パック,ペットボトル,ワンウエイ瓶等の使い捨て容器や紙箱などの包装材が排出されています。これらのごみを抑制するとともに,更にリサイクルしていくことが重要であり,本市の廃棄物の減量及び適正処理等に関する条例においても,こうしたごみの減量化の実効ある取組を進めることが大きな柱の一つであると思われますが,市長はいかがお考えですか。 更に一般廃棄物処理基本計画の骨子が発表されたわけですが,特に市民,事業者の理解,協力を求めるための普及啓発をどのようにしていくのか,また既にこの4月から新しい条例が施行され,減量等推進審議会の設置,運営や特に事業系ごみ減量の取組について具体的にどのように進めていかれるのかお伺いいたします。 現在清掃局では,新規清掃工場の建設についていろいろと地元住民を対象に理解を求めるため説明されておりますが,こうした京都市のごみ減量に対する積極的な取組,更には一歩進めて資源の循環が図れるような社会構築を目指すことにより新規清掃工場の必要性についての理解も得られ,建設促進に結び付くのではないかと考えるところでございます。また新規清掃工場の建設に伴い,その余熱を利用した便益施設を設置することにより,エネルギーの有効利用や地域住民の暮らしに役立てるべきと思いますが,どのようにお考えでしょうか併せてお答えください。 最後に私は田辺市長と意を同じく市民の声を採り入れ,開かれた市政となるよう努力しているところであり,今般の代表質問におきましても広く市民の声を募集しましたところ,いろいろな御意見,お手紙をちょうだいいたしました。その中から時間の都合もありますので,一,二点だけ質問いたします。 まず田邊市長の提唱しておられる市民の健康づくりの一環,京都一周トレイルの整備計画であります。去る5月9日に東山コースがオープンされました。誠に市民にとっても憩いの散策コースとして喜ばしいものであると思います。ただこれらトレイルコースは,猪の狩猟許可区域が多く含まれていると聞いており,安全面の対策はどのように考えておられるのか。また野獣保護の視点からハイカー対策をどのように講じられるのかお伺いいたします。更にハイカーのごみ問題も重要な課題であります。啓発を含めその方策についても併せて薦田助役からお答えください。 次に地元の問題であります。平成2年5月30日のこの本会議で,幹線道路の整備促進として採択されました岩倉上賀茂線,いわゆる深泥池道路の件であります。行政当局が都市計画道路として整備予定のものを,その進捗の悪さに業を煮やした岩倉自治連合会が促進の請願を出し,民主主義のルールに従って採択されたという経緯は御承知のとおりであります。その後,足掛け3年を経過しているにもかかわらず,抜本的な方向性を示さずに推移していることは誠に遺憾と言わざるを得ません。今後の具体的方策を佐藤助役からお示しください。 次に地下鉄烏丸線延伸に伴う周辺整備についてであります。来る6月3日に地下鉄烏丸線延伸の起工式が予定されており,国際会議場との接合により京都を舞台にした国際貢献もますます本格化してまいると思いますが,仮称国際会議場駅周辺整備について宝が池北公園,会議場との整合性を含めた地域整備計画をどのように考えておられるのか,佐藤助役にお伺いいたします。 次に洛北第三区画整理は,計画が打ち出されてから30有余年にもなりますが,都市計画決定は見たものの,住民の期待に反し一部地権者の反対に押されて入口でふん詰まっている状態であります。このため下水道が一部住宅前の道路に布設されることなく著しい不公平感を招いているばかりか排水溝の工事にまで影響を来している状態にあります。この際,行政が強いリーダーシップを発揮されんことを望むものでありますが,本事業の取組見通しを明らかにしていただきたい。 また洛北第二区画整理事業の区画中にも,完成後約3年間通行できない地下道があります。岩倉地区にとって最も重要な道路であります。店舗は完成したが,開店を3年見合わせている民間企業はあるでしょうか。計画の見直しは法的に無理とのことですが,法は人が作ったものです。イギリスに,必要は法を変えるという諺もあることでございます。創意工夫と努力をして,早期に通行可能となるよう要望して私の質問を終わります。冒頭にも述べましたように,市長選をともに戦う意思も新たにしておりますので,市長の積極的な御答弁をお願いして,私の質問を終わります。(拍手) ○議長(川中増次郎君) 田邊市長。 ◎市長(田邊朋之君) 大西議員の御質問にお答えいたします。 まずこの4年間を振り返ってどうかということでございますけれども,時間の面から言えば,4年というのはすぐ経ってしまうという思いを持っております。職員の諸君と一緒にしっかり仕事してきたなという思いも持っております。今,行政は非常に変わってまいりまして,後追いではなくて先取りしていく,しかも総合的な政策を進めていくことが大きな課題になっております。また市民の協力を得ないとですね,健康都市構想にいたしましても景観問題にいたしましても,今私たちが抱えております事柄は全部市民の協力を必要としておるわけでございますから,いろんな審議会に市民の方の積極的な参加をお願いしたり,あるいは女性の参加,若い人の参加,こういうことも考えておるところでございます。 それから事業を進めていく場合に,市民に参加してもらうことがまた非常に重要な事柄になってくるわけでございますし,職員も自信を持って仕事をやる,この自信を持つということが非常に大事なんで,毎年正月に訓示しておりますけれども,あえて一つ言えば,今職員の諸君が自信をなくしておることではなかろうかと私は思っております。したがいまして,市民の立場に立ってものを考える,創意工夫,一丸になって仕事をする,このことは当然大事なことでございますので,毎年正月にはこのことを言っていきたいと思っております。 次に同和対策でございますが,これは今お話にございましたように3月の19日に今後における本市の同和対策事業のあり方について発表いたしまして,その具体的内容,実施時期につきましては本年7月に明確にしていくということを皆さん方にお示しいたしたところでございます。 同和問題の一つの問題点というのはですね,今日社会状況が変化してまいりまして,同和地域におきます生活の状態でございますとか,あるいは就学の状況,あるいは就職の状況につきましても,かつての時代とは非常に変わってきたという問題がございます。また同和問題を解決していくためには市民の理解と協力が不可欠でございまして,そういう点につきまして,市民が同和施策についてどういう認識を持っておられるか,その辺のところを的確に把握しながら自立性を高めていくことを基本に同和行政を進めていきたいと考えておるところでございます。その推進体制につきましても同和対策室に見直し担当の参事をこの4月から設置いたしまして執行体制の確立を図ったところでございます。いずれにいたしましても同和問題の早期解決というのは,議会の要望が非常に強くあることは認識いたしておるわけでございますので,この同和問題の解決のために今後一生懸命力を尽くしていきたいと考えております。 また企画主幹の制度についても御意見を伺ったのでございますが,企画主幹というのは,本市行政の専門的な企画でございますとか,あるいは特命事項を担当しておりまして,本市の事業を円滑かつ効果的に進めていくことを目的としたものでございます。現在局長級職員をその任務に充てておるわけでございますが,今後は御指摘の趣旨も十分踏まえまして適切な対策を講じていきたいと考えております。 市政の運営について,議会と私どもとの関係を,もうちょっと意思の疎通を図って円滑にやっていけという御指摘がございました。もっともなことでございますので,今後はひとつ議会の皆さん方と私たちの意思の疎通を図って,このことによりまして市政が更に進んでいきますような努力をしていきたいと考えております。そのためには行政の各部門の連携を図っていくことが非常に大事でございますので,幹部が連絡し合う,あるいは相談する,報告するという基本的な姿勢を,これからも一層厳しく指示していきたいと思っております。そういうことを通じまして議会との関係を密接にいたします中で,市民の行政に対するニーズを把握して,先ほど申し上げましたような総合的な,先見的な市政を進めるように基本的な問題を解決していきたいと思っております。 ポンポン山と申しますか,西京区大原野におきますゴルフ場計画跡地の利用計画について御意見がございました。ここは折々申し上げておりますように,自然環境の保全と地域の振興を基本に据えて今いろいろ検討をさせております。現状の保全を基本的にやっていくことと,少し手を入れていくこと,また相当規模の開発を行っていくことの三つの方向で今いろいろ基本的な方向の取りまとめを行っておるところでございますが,本年度は当該地の植生の状況でございますとか,あるいは地形などにつきまして基本的な調査をいたしまして,平成6年度に具体的な利用計画を皆さん方にお示ししたいと考えております。 ここは豊かな自然,市民が触れ合える貴重な財産,私も数日前にヘリコプターで上からも見てまいりましたけれども,原生林が非常にすばらしい状況に保全されておりますので,ただ今御意見として出てまいりました市民のアイデアを聴くことは非常に良い考え方だと思いますので,ひとつ市民のそういうアイデアも参考にしながら,市民の御期待にこたえられるようなこの地域の今後の方策を明らかにしていきたいと考えております。 それから一条山などの大規模開発の許可の問題でございますが,これはやはり基本的には法の定める基準にのっとって対処しなくてはならないと考えておりまして,私といたしましては,行政がそのことにつきましては主体的に判断していくものであると考えております。また違法開発につきましては,告発も含めて毅然とした態度で臨んでまいりたいと考えております。 ごみの問題でございますが,確かに御指摘のように従来のごみにつきましては,排出されたごみをどういうふうに処理して小さくしていくかというところが基本であったように思います。しかしながら今日は,環境の保全でございますとか,あるいは資源の問題なども配慮してまいりまして,ごみの量を少なくしていくことと同時に省資源としてのリサイクルを併せてやっていくという状況になってまいりまして,社会経済システムの構築が是非必要になってまいりました。そういう観点から,行政,事業者,市民がごみの発生の抑制と再生利用の促進に努めていくことを基本にした新しい条例の中に,そのようなことを規定いたしてきたところでございます。今後,行政,事業者及び市民の3者がそれぞれの立場で実効あるごみの減量とリサイクルに取り組んでいけるような施策を展開してまいりたいと考えております。以上でございます。 ○議長(川中増次郎君) 薦田助役。 ◎助役(薦田守弘君) 京都一周トレイルのうち今回オープンいたしました東山コースについてでございます。本コースは,従来から多数のハイカーの皆様が利用している山裾の道を,点在する観光ポイントをつなぐものとして設定したものでございまして,一般的には極めて安全なコースであると考えております。また本コースのほとんどは鳥獣保護区になっておりまして,必要な場合にのみ短期間の鳥獣の捕獲が許可されることがあるという場所でございます。その場合にはハイカーの安全などにつきましては十分配慮されますように関係機関に要請してまいります。 更に野生動植物の保護,ごみの持ち帰り,あるいはハイカーに対する啓発等につきましては案内図板を設置いたしておりますし,またリーフレットの配布,あるいはクリーンハイキング,こういうものの実施など多様な取組を行ってまいりたいと考えております。以上でございます。 ○議長(川中増次郎君) 佐藤助役。 ◎助役(佐藤達三君) まず濫開発を未然に防止するためには,いずれにしましても関係局が連携をとりまして監視体制の強化に努めることが第一でございます。併せまして違法な行為に対しましては,早期にその芽を摘み取るべく監督処分を行うなど毅然たる態度で臨んでまいります。 次に小倉山の復元についてでございますが,市民の生活,あるいは地域の観光等に与える影響など客観的な諸事情を十分に検討いたしまして,昨年11月の市会でも示しましたように,早期に緑豊かな山並みを回復し,かつ最も現実に即した方法として許可したものでございます。 一方比叡平西側の違法開発は,今日までも本市の指導や行政命令に従うことなく違法行為を繰り返してきた極めて悪質な行為でございます。今後におきましても市街地を取り巻く三山の緑は,本市の風致景観上,極めて重要でございますので,その保全のために全庁一体となりまして的確に対処してまいります。 次にいわゆる深泥池道路についてでございますが,現在都市計画道路は,深泥池の中に計画されておりまして,国の天然記念物に指定されている生物群に影響を与えると言われております。このために直接池とかかわる部分につきましては,路線の変更を含めまして道路整備に伴う影響等について学識経験者を中心に委員会形式で協議を進めております。なお現在池への影響がなく交通の障害となっている峠の部分あるいは上賀茂池端町交差点の道路整備を行っているところでございます。 次に地下鉄烏丸線の国際会館への延伸に伴いまして周辺の整備についてでございますが,種々の意味合いを踏まえまして,宝が池公園の再整備あるいは国立京都国際会館との連絡などを含めまして,周辺地域と整合性のある施設整備を積極的に行うべく検討してまいりたいと考えております。 ○議長(川中増次郎君) 藤野清掃局長。 ◎清掃局長(藤野雅彦君) ごみの減量に関する市民や事業者への普及啓発につきましては,これから一般廃棄物処理基本計画を策定していく中で,ごみの減量に関しまして,行政,事業者,市民それぞれが果たすべき役割などを明確にしながら,その実現のための様々な手法での啓発を積極的に進めてまいりたいと思います。 また廃棄物減量等推進審議会につきましては,早期に設置いたしまして減量の具体的な対策などにつきまして御審議いただくことといたしております。また事業系ごみの減量の取組につきましては,今後事業用大規模建築物の減量に関しまして,年度内をめどに規則,要綱などを定めまして取組を進めてまいる所存でございます。 また新規清掃工場の建設につきましては,御指摘のとおりごみの減量化や資源のリサイクルの取組を進めまして,清掃工場の必要性について理解の得られるよう今後とも誠意を持って説明してまいります。また工場建設に伴います余熱利用につきましては,焼却熱を利用いたしました発電等エネルギーの有効利用を積極的に図り,地元の方々の御意見も聴きながら地域のまちづくりに貢献できるような余熱利用施設の建設を計画してまいりたいと思いますのでよろしくお願いいたします。 ○議長(川中増次郎君) 西村都市整備局長。 ◎都市整備局長(西村正信君) 洛北第三地区土地区画整理事業についてお答えいたします。当事業は,本市の北部地域における良好な市街地を形成すべく組合施行により実施する予定でございまして,施行面積は約34ヘクタール,権利者数は約250人でございます。昨年7月に組合設立発起人会開催の運びとなりまして,多くの地元地権者の御協力を得られることとなりましたので,本年秋を目途に組合設立に向けて,本市といたしましても鋭意取り組んでまいる考えでございます。以上でございます。 ○議長(川中増次郎君) 桝本教育長。 ◎教育長(桝本頼兼君) まず国旗,国歌についてでありますが,国際化が進展する中,子供たちが自国を愛するとともに他国を尊重し,その相互関係についての正しい認識を育てることは極めて重要であります。国旗,国歌の指導はその基礎となるものでございます。こうした認識の下,今後とも学習指導要領に基づき強く指導してまいります。 次に理想の教師像についてでありますが,御指摘のとおり教師には,優れた教科指導力はもとより,子供たちを愛し懸命に取り組む情熱が何よりも必要であります。これからも従前以上に教育者としての使命感を引き出し,あるべき姿を追求する研修の充実に引き続き努力してまいりたいと考えております。 道徳教育は,人格の完成を目指す教育の営みの根幹を成すものでございます。御指摘のいじめや不登校問題の解決にも不可欠な課題と認識しております。これからも徳目主義に陥ることなく,実践を通して子供たちにみずみずしい感性,豊かな道徳性を身に付けさせるよう全力を傾注してまいります。 フロンティアスクールの推進事業は,次代につなぐ伝統ある校風づくりを推進するため,教科学習に焦点を当てた独自の創造的な取組を行う学校を奨励推進するものであります。当初予定30校に対し2倍を超える学校が積極的に取り組みたいとしており,早期に実施校を決定し,全国に誇り得る先駆的な学校づくりを推進し,京都の教育の活性化に努めてまいります。 次に花背山の家は,単なるキャンプ場ではなく豊かな自然に恵まれた花背地域一帯を生きた教育活動の場として,子供たちが自然の尊さや規律,友情,協力,奉仕の精神を体験的に学習する拠点として活用することが重要でございます。既に延べ7万7000人の利用が予定されており,更に多くの学校で多彩な計画が立てられております。今後一層充実した指導に努めてまいりたいと思っております。 学校週5日制でございますけれども,明治5年の学制発布以来の教育制度上の大改革であり,子供たちの将来に大きな影響を与えるものでございます。いきいきサタデーにつきましては小学校全校で設置されておりまして,御協力賜っておりますPTAをはじめ地元各種団体の関係各位に対し厚く感謝申し上げたいと思っております。これからも密接な連携の下,御協力を得て取組の一層の充実に努めてまいります。以上でございます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~議長(川中増次郎君) 進行いたします。 次に市政一般について,橋村芳和君に発言を許します。橋村君。 〔橋村芳和議員登壇(拍手)〕 ◆(橋村芳和君) 質問に先立ちまして,6月9日に迫りました皇太子浩宮殿下と小和田雅子様の御成婚を祝し心からお祝いを申し上げます。市民の祝福の声は日々高まりを見せております。御成婚は,バブル経済崩壊後の沈滞した世相に希望と活力を与えるものと確信いたしております。とりわけ京都市は,皇室とのゆかりが深く,平安建都1200年も指呼の間に迫った今,記念事業推進の先頭に立っておられる田邊市長にとりましても,ひとしお感慨深いものがあると推察いたします。私もこの本会議場においてお祝いを申し上げる機会を得ましたことは,このうえない喜びとするところであります。 そこで自由民主党市会議員団を代表いたしまして,市長並びに関係理事者に質問いたします。さて去る4月25日,天皇,皇后両陛下の沖縄訪問に際し,過激派の同時多発ゲリラ事件で,皇室にゆかりの深い仁和寺,青蓮院など市内4社寺で火災が発生,国民の財産ともいうべき国宝や重要文化財が大きな被害を受けました。過去にも平安奠都1100年事業の象徴である平安神宮を焼失するなど被害を受けております。今後,皇太子殿下の御結婚の儀が執り行われる6月にも発生することが懸念されております。自主防災と同時に,本市としてもその防止対策が急務であります。 京都市は,日本人の心のふるさととして年間4000万人もの観光客が訪れ,あの第2次世界大戦にあっても,その歴史と文化遺産により爆撃を免れてきた都市であります。今回の過激派による犯行は,皇室だけではなく,平和と幸せな暮らしへの営みを希求する市民への挑戦でもあります。 京都市消防局は,この11日に防火管理対策を強化するため,55に及ぶ社寺の所有者や管理者を集めて文化財放火火災対策研究会を開かれました。146万市民の暮らしと命を守り,先人の英知と努力によって築き上げられた遺産を破壊行為から守っていくために,現在どのような防火体制をとられておりますか,また本市と社寺との防火に対する協力体制についてもどのようになっておりますか,田邊市長にお伺いいたします。 また今後コンベンションシティとして国際会議の開催も全国屈指である本市にとっては,和風迎賓館の実現と相まって多くの国賓や政府首脳が入洛される機会が増えてまいります。テロ行為への対策は今後とも大きな課題であり,京都府とも十分連携をとって取り組まなければなりません。併せてお答えください。 次に現行地方自治制度における地方の改革の問題についてであります。新憲法の下,昭和22年地方自治法が施行されて以来,既に40有余年が経過しました。この間,我が国の地方行政は着実な発展を遂げてまいりました。各地で自治意識が定着し,積極的な地域活動への参加や独自性の発揮など地域づくりの新しい動きも随所に展開されるようになっております。 しかし一方,大都市においては地域性が薄れ,自治意識も希薄になる傾向は改まっておりません。しかも東京一極集中を典型として,大都市過密と山村過疎は大都市行政における大きな課題でもあります。これらに立ち向かう地方自治行政には,更に国際化,高度情報化,また市民の生活範囲の広域化により,新たな時代の要請がのし掛かってきております。地方自治を取り巻く環境は厳しく,行政権限にもいろいろと制約があります。 我々は,去る2月市会において政令指定都市が真に自主性を発揮できるよう国と地方の役割分担並びに都道府県と政令指定都市との関係を抜本的に見直し,大都市の実態に即した税財政を確立させるとともに,各種権限の移譲を求める意見書を政府に提出したところであります。また国においても,第3次行革審から昨年6月に地方分権特例制度の答申を受け検討されているところであります。 また去る4月の自由民主党地方行政部会における勉強会で,岩國哲人出雲市長が講演され,この中で,県や国との関係のうち,少なくともまちづくりの根幹を成す都市計画決定権を全部全権移譲してもらい市単独で思う存分やってみたいと述べられました。私は,法で規定されている大都市としての独自性を出す意味から,まずまちづくりの根幹を成す都市計画の権限の移譲を議会とともに国に求めていくべきであると考えますがいかがでしょうか。 また先月22日から,新時代・地方主権・変革のシナリオと題して地方分権,権限の移譲について連載記事がありました。今話題の橋本大二郎高知県知事や平松大分県知事などが地方主権について語っておられました。共感を得るところも多々あり,私も興味深く読ませていただきました。 同じ地方を預かる田邊市長がなぜここに登場されないのか。新聞社からの要請がなかったのか,また市長に出てみてはと意見具申するスタッフもいなかったのか,私は期待していただけに大変残念に思っておりましたので,この際,田邊市長の地方主権に対する御所見をお伺いいたします。 次に近隣の市や町との協調についてお尋ねいたします。京都都市圏は,京都市を中心に34の市と町により構成されております。圏域の人口は325万人を超え,そのうち京都市の人口を除いても179万人を擁する大都市圏であります。またその10パーセントに当たる18万人が京都市へ通勤,通学しており,京都市から流出した人口の受皿となってきた地域でもあります。 21世紀の京都のビジョンを語るとき,この圏域を視野に入れた広域的視点から京都を発想していかなければ正しい京都像を見誤ると言っても過言ではありません。市や町の数の多さ,人口の格差,規模の相違など困難な点もありますが,緊密な連携を築いていく必要があるのではないでしょうか。 現在,各地方自治体の近隣の市や町との協調の状況はどのようになっておりますか。また将来に向けて広域行政機構への取組についてはどのようにお考えでしょうか。 昨年11月,札幌市では市長が近隣の市町村を訪問し,広域的な連携について話し合ったそうです。全国的にも様々な取組がなされておりますが,政令指定都市の行政のトップ自らが近隣を訪問し,膝を交えて懇談した例はまれであります。一口に近隣の10市町村と言いましても,広大な北海道のことでもあり,その走行距離は延べ470キロにも及んだといいます。この札幌市長の精力的な姿勢には学ぶべきものが多いと考えます。 本市においては,新基本計画が策定され,その政策が波及する近隣の市や町は関心を持って注目しているに違いありません。京都市がリーダーシップを発揮し,圏域全体の活性化を目指したネットワークづくりが期待されております。この機をとらえ,市長は,近隣の市や町を訪問されてはいかがでしょうか。御所見をお伺いいたします。 次に新庁舎建設についてお尋ねいたします。かねてから指摘されておりますとおり,現市庁舎の老朽化,狭隘化,分散化の状況は,今日その極みに達しており,市政運営の面からも,また市民の利便の面から見ても,新庁舎の早期建設が期待されております。 新庁舎は,京都市政の中枢としての行政機能,市民に開かれた交流の場としての機能,高度情報化社会に対応した情報センター機能など多種多様な機能を備えた京都の再生を目指すものであります。また同時に,文化首都の中核として伝統とマッチした京都にふさわしいシンボリックな建物であるべきあると私は考えております。新庁舎の建設は,単に物理的な意味だけではなく,市民の行政への親近感を高め,職員の士気を高揚させることにより,21世紀を見据えた新たなる市政の刷新への効果を生み出すものであると考えております。 平成4年6月に市庁舎整備検討委員会が設置され,来年の平安建都1200年を目途に新庁舎建設構想を確定すべく取り組んでおられます。しかし早い時期に議会にも示し具体化を図っていくべきであります。いつまでも市民の代表である議会を蚊帳の外に置いておくことは,開かれた市政とは相反することになるのではないでしょうか。 そこで現在検討されております新庁舎の概要では,どれくらいの規模を考え,具体的には総床面積をどれくらいに試算されておられるのか,また来庁者用の駐車場スペースはどれくらいを見込んでおられるのかお尋ねいたします。 このことは新庁舎をどこに建設するのかと密接にかかわってまいります。候補地については,公共交通機関の整備状況を踏まえた地理的な利便性,周辺の開発あるいは再開発の状況や影響,必要な敷地面積の確保の見通し等,様々な角度から総合的に比較検討されていると思います。委員会が発足してはや1年,来年に構想を確定する運びとすれば,少なくとも候補地については,内定していなければならないと思います。建設場所は,今後の京都のまちづくりを考えていくうえで重要なウエイトを占めることになりますので,現在の場所か,他の地への移転か明らかにしていただきたいと思います。私は,現実の問題としてこの場所以外にはないと確信いたしておりますがいかがでございましょうか。 また財源については,平成2年度から市庁舎整備基金を設け,毎年20億円ずつ資金の積立てが行われております。建設費用がどれくらいになるのか,またその財源をどう確保していくかについても併せてお示しください。 例えば現庁舎跡地に建設する場合,総合設計制度を導入するのか,また他の地へ移転する場合を含めて,高さを明示することなく設計コンペを実施されるのか,いずれにいたしましても高さ論議に終始した京都ホテルやJR京都駅ビルの轍を踏むことなく,末永く日本中いや世界中に賞賛されるようなすばらしい庁舎建設を強く望むものであります。一日も早く議会,ひいては市民にその概要を示すべきだと考えますが,薦田助役に御答弁をお願いいたします。 次に地下鉄東西線の現況と関連事業についてお尋ねいたします。地下鉄東西線は,醍醐二条間が第1次事業区間として平成2年に着工されて以来,現在全区間で工事が進められております。しかし2月市会において,我が党議員の質問に答え,平成6年度中の完成は困難であり,平成8年にずれ込むとの発表がありました。来年に迫った平安建都1200年の記念事業として大きな目玉でありましただけに,市民にとってその落胆は大きく,京都市の事業の遅れは毎度のことである,平成8年ですら心もとないという声が聞かれております。このようなことでは市政への信頼は地に落ちたも同然であります。市民の信頼回復に向け,新たに設定された平成8年完成は努力目標ではなく,約束した期限は絶対にやり切るという強い意思の下,強力な推進体制の立直しを図るべきと考えますが,いかなる挽回策を講じておられるのか,工事の進捗状況と併せて佐藤助役にお伺いいたします。 地下鉄建設の遅れは,都市整備,すなわち関連プロジェクトの進行に悪影響を及ぼしております。市民生活や経済活動への甚大な影響,建設費用の増大等を考えるとき,遅れを認めたことによって生じた猶予期間に甘んじることなく,従前に倍した努力を傾注していかなければならないと考えますが,山科駅前再開発事業の現状と見通しについてもお答えください。 また市役所駅前と一体となった事業だけに,その進捗が心配されております御池地下駐車場,御池第2地下駐車場の建設についても,その進捗状況と完成に向けたスケジュールを佐藤助役にお伺いいたします。 また御池地下街についても同様であり,平成8年末のオープンに向けてどのような店舗を誘導しようとしているのか,その取組についてもお答えください。 次に京都市南部の開発についてお伺いいたします。今世紀の京都のまちづくりの総仕上げとして新京都市基本構想が策定されました。関西国際空港をはじめ大阪ベイエリア開発,学研都市といった広域プロジェクトは,いずれも本市の南にあり,更にはリニア中央新幹線,第二名神自動車道といった新たな国土軸の南下に対応した京都市の都市構造構築の必要性が示されております。 21世紀の京都の活力を担う南部地域への期待が高まる中にあって,その大部分を占めるのが伏見区であります。400年前に豊臣秀吉が築城した伏見城下の町として栄え,安土桃山時代という一時代を築き,戦前には伏見市が短命ではございましたが存在いたしました。現在は市内最大の28万人の人口を有し,まちづくりのうえからも魅力的な土地が豊富にあります。しかし反面,都市基盤整備の後れが著しく,都市計画道路の進捗率も40パーセントと市内平均の60パーセントにはるか及ばず,橋梁整備の後れ等から交通渋滞が慢性化,JR奈良線の新駅についても設置もままならない有り様であります。 こうしたことから,南部地域の開発については小手先で行うことなく,21世紀をしっかり見据えた大胆な発想で取り組むことが大切であります。そこで洛南新都市でありますが,当初の壮大なサイエンスタウン構想から土地区画整理事業へと事業が縮小してしまい,今日,10年前に前任の市長が見たかなわぬ初夢をいつまでも追い続けていくのか,それとも21世紀にしっかりと目を見開き,実現可能な計画への転換を図るなり,真に京都市に必要な施設の建設を行う見通しが必要ではないでしょうか。 また油小路沿道の高度集積地区は,何かと規制の多い京都市北部で実現できないものを,せめてここだけでも高さ規制を取り払ったまちづくりを実現させてもらいたいと考えております。例えば過去幾度か計画されながら日の目を見なかった副都心の計画を含めて市長の御所見をお伺いいたします。 次に水垂処分地についてであります。この水垂処分地は51ヘクタールの魅力的な土地であり,宝が池公園の開園面積にも匹敵します。この土地の活用に当たっては,現在どのように考えておられますかお伺いいたします。 ここで私は一つの提案をしたいと思います。ここに京都ドームを建設してはいかがでしょうか。本市はスポーツの振興に力を入れております。しかしそれを行う施設が十分とは言えません。現在,ラクビーにおいては高校,大学を含め京都市は全国でもトップクラスであります。またアメリカンフットボールでも,京都大学をはじめとし各大学でしのぎを削っております。この全国レベルの覇権を競う大会をこの京都ドームで行うことができましたら,市民スポーツ振興と京都市経済への波及効果も大なるものがあります。この京都ドーム建設に向けての市長の御所見をお伺いいたします。 いずれにいたしましても,この京都市南部地域の開発は強力な執行体制,そして長期的展望と視野が要求されるものであります。10年先,20年先の市政を担う若い職員をどんどん登用し,豊かな発想,能力を引き出して利用計画を構築すべきであると考えますが,市長の御決意をお聞かせください。 次に同和問題についてお伺いいたします。平成元年,田邊市長誕生以来,本市同和対策における取組については幾つかの節目を迎えてきたと考えております。 その一つは,本市の同和対策に対する取組の姿勢に余りにも行政の主体性がなく,運動団体に振り回されているとされる中で,交渉,助成,カンパについて一定のルールを確立するため,平成2年10月,今後の方策が実施されたことであります。この方策の実施は,同和行政推進の過程で生じている諸問題について,これまでの流れにくさびを打ち込んだ最初の第一歩であります。一定の前進を見たものと考えております。 我が党議員団は,議員団の中に同和問題研究会を設置し,自らも同和問題の実態を把握し,理解を深め,その本質をとらえるために研究や調査を行ってまいりました。昨年2月には,3月末日で地対財特法が失効するのを機に総理府を訪ね,今後の法的措置や事業の見直しについて,国の考え方など調査官と意見交換を行い,更には今年の2月,同和対策事業の見直しが進んでいる先進都市,北九州市を調査してきたところであります。これらを踏まえ,我が党議員団は本市同和対策事業について,残事業の洗い直し及び京都市総合計画案の見直しを求めてきたのであります。 二つ目として,京都市は,昨年3月25日の同和問題の解決に関する市会決議を受けて,去る3月19日に今後における本市の同和対策事業のあり方についてを市会並びに両運動団体に示したことであります。これらの見直しが行われ実施されれば,田邊市政1期目の総仕上げの一つとして,同和行政の流れを大きく変えるのではないかと期待しているところであります。この中で今年度7月を目途に見直しの具体的内容,実施時期をまとめるとされております。 この同和対策事業のあり方についてを実効あらしめるためにも,その内容と新年次計画について,以下見解を述べ,市長並びに薦田助役に質問いたします。 我々は,地対財特法の再延長はあり得ないものとし,同和対策事業は必ず期限内に終了し,あとは一般施策に移行すべきであると考えております。にもかかわらず,環境改善事業に係る新年次計画を見てみますと,崇仁地区における事業計画が法期限後も計画されており,法的措置がなくなった時点での多額の財政上の問題についてどう対処するおつもりなのですか,また何らかの法的措置を求めていくお考えなのでしょうか,大変危惧いたしております。このことは,法期限後の本市同和行政の根幹にかかわる問題であり,市長の御決意をお聞かせいただきたいと思います。 改良住宅家賃,保育料等の政策料金については,当面一般施策の2分の1を目標とすることは是といたしますが,速やかに一般料金に近付けるための方策が示されておりません。7月の見直し時に具体的に明示するお考えなのか,薦田助役にお伺いいたします。 また個人給付的諸事業については,同和地区住民の生活安定向上と自立を促す施策であるだけに,その基本に立ち返り厳しく見直すべきであると考えます。奨学金における給付から貸与への制度改正においても,先の予算特別委員会で明らかになりましたように,これを自立促進援助金で返還するということであれば,実質,給付制度と何ら変わりがないのであります。このことは同和地区住民の生活実態の変化を無視し,従来と同様に一律,画一的な事業運営を進めていることにほかなりません。自立に向け諸条件が整いつつある住民に行政依存を生じさせないよう抜本的な見直しを求めるものであります。 更に今回補助金の見直しについては何ら触れられておりません。平成3年度では46件,6200万円余にも上っております。支出について目的が不明な事業も見受けられ,不必要なものは廃止すべきであります。またなぜこのような多額の補助金を支出しなければならないのか,その目的,効果についても明らかにしていただきたいと思います。同時に補助金の見直しの考え方についても併せて御答弁ください。 次に本市の雇用対策としての選考採用についてであります。今後における同和対策事業のあり方では,部分的に平成7年度から一般公募を導入するとしております。開かれた市政を推進する意味から,部分的ではなく早急に全職種にわたって一般公募すべきであると考えますが,薦田助役から御答弁ください。 私がただ今指摘いたしましたことは,3月上旬,京都市と神戸市で相次いで開かれた両運動団体の全国大会や定期大会で,部落解放運動の現状や今後の運動のあり方をめぐって議論された内容にも表れております。特に重要なことは,運動団体自ら特別措置法という有利な条件は,一部に甘え,行政依存のぬるま湯的状況を生み,自主解放の精神を麻痺させており,また今までの法的措置によって環境改善には一定の前進をもたらしたが,本来手段であるべき事業が目的化し,解放運動の足かせになっていると指摘されております。 昭和44年に施行された同和対策事業特別措置法以来,4半世紀にわたって延長が繰り返されてきた特別措置法について,部落解放同盟が地対財特法の再延長は要求しないとの立場を打ち出したのもこうした議論の反映ではないでしょうか。今日のこのような同和行政を取り巻く状況を踏まえ,同和対策事業における本市の主体性を確立し,事業終結のための今後の同和行政のあり方を市民に率直に勇気を持って示していただくために明快な御答弁を求めます。 最後に地元問題に関してお伺いいたします。本年4月,第三セクターによる京都醍醐センター株式会社が設立され,21世紀の醍醐の中核となるダイゴセンターの実現に向けて動き出しました。醍醐地域は,地下鉄東西線開通と醍醐団地総合再生事業を通じて新時代を迎えようとしております。 そこで地下鉄東西線の六地蔵への延伸計画についてお尋ねいたします。平成元年5月に運輸政策審議会からの答申に基づいて,六地蔵への延伸は平成17年度までに整備する区域と位置付けられております。今回の新基本計画においては,六地蔵から長岡京市をつなぐ環状線化構想も打ち出されており,既に完成したJR奈良線の六地蔵駅とも連携して,早急に醍醐から六地蔵へ延伸する必要があります。六地蔵への延伸計画の見通しについて市長にお伺いいたします。 以上をもちまして私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~議長(川中増次郎君) 暫時休憩いたします。 〔午前11時53分休憩〕 〔午後1時3分再開〕 ○議長(川中増次郎君) 休憩前に引き続き会議を行います。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~議長(川中増次郎君) 休憩前の一般質問を継続し,橋村芳和君の質問に対する答弁を求めます。田邊市長。 ◎市長(田邊朋之君) 橋村議員の質問にお答えいたします。 まず先般のゲリラ事件でございますけれども,極めて非社会的な状況であって,誠に憂慮すべき問題と受け止めております。京都には社寺が多く,しかも多くの文化財がその社寺に保全されておるわけでございまして,本市におきましても事件発生と同時に消防職員及び消防団員を動員いたしまして,国宝や重要文化財を有する社寺を重点とする防火パトロールやら社寺関係者の防火研究会などを通じまして,巡回,点検,施錠の徹底,夜間照明の実施,災害発生時における初動措置の確認などを行ってまいりました。また5月20日からは,消防職員,消防団員によります市内全域の社寺の特別警戒パトロールを実施いたしております。今後も引き続き消防団員,消防職員,社寺の自衛消防組織及び警察,府市の文化財関係局とが一体となって協力体制をとり防火対策に万全を期してまいりたいと考えております。 次に現行地方自治制度における地方の改革の問題でございます。今日多くの自治体におきまして豊かさの実感できるような政治を行っていこう,あるいは国民の豊かさを求めるような生活に対する行政的な対応をしていこうという状況になっておるわけでございますが,一方,国と地方自治体の関係から申し上げますと,御存じのように3割自治という言葉もありますように,集権的,画一的な傾向が強くなっておりまして,今日,権限の問題につきましても地方へ戻して,自主的な財源の確保とともに地方における個性的な行政が行われていくことが必要であると考えております。 特に都市計画決定の権限移譲につきましては,従来から指定都市全体で国へ要望しておるところでございますし,国会の付帯決議もあるという状況でございます。今後とも他都市と連携いたしまして要望にこたえていきたいと思っております。 地方の改革の問題でございますが,今も申し上げますように,それぞれの地域におきます風土と申しますか,歴史と申しますか,特に私どもは1200年に及びます長い歴史の中で,他のまちには見られない多くのストックを持っておるわけでございまして,こういうものを生かす先端行政を進めていかなければならないと考えております。御存じのように,平成5年度の国に対する予算要望につきましても,全体的な冠といたしまして,古都再生のための国家的支援という形で京都の特性を生かしていくような行政を進めるための国家的な支援をお願いいたしたわけでございますけれども,今後ますますこのような運動を進めていきまして,本市独自の問題解決のために国にも積極的に働き掛けていきたいと考えております。 次に近隣の市や町との連携についてでございますけれども,京都市都市圏というのは,先ほども話がございましたように,京都市を中心にいたしまして京都市周辺の34の市あるいは町と一体になって広域的な行政を進めていこう,あるいは交通,経済の問題などにつきましてもそれぞれ協力し合って生活地域の経済の発展でございますとか,生活の向上を図っていこうというものでございまして,特に新基本計画の中の位置付けといたしまして,今後これらの市町村との関係をますます深め,本市がリーダーシップをとりながら圏域全体の活性化を目指したネットワークづくりを進めていきたいと考えております。従来の経過から申し上げますと,大津市あるいは奈良市とは3都市が一体になって事業を進めていくような仕組みもございますが,更に広域的な関係で他の自治体ともいろいろ話合いを進めていきたいと考えております。 次に京都市南部の開発でございますけれども,新基本計画におきまして新しい都市機能の集積を図る地域として位置付けております。とりわけ油小路沿道を中心とした地域につきましては,高度情報機能,流通商業業務機能,文化機能などの集積的な計画を図っていくとともに,相当程度の高さの建築物やオープンスペースなど現代的で優れた都市景観やアメニティの高い都市空間の創出を図ることによりまして,21世紀の京都の核となる地域として土地利用の基本方針の策定や都市基盤の整備を促進し,新市街地の形成を図っていきたいと考えております。 水垂の埋立処分地につきましては,拡張部を合わせまして約51ヘクタールという広大な面積を有しておりまして,本市の長期的な発展に資することを基本にしながら,新しい都市機能を計画的に整備していく必要があると考えております。跡地利用の計画につきましては,関連いたします都市計画道路事業や周辺の広域プロジェクトとの整合,また国が隣接して取り組んでおります桂川改修事業の進捗などを念頭に置きまして,本年度プロジェクトチームを作りまして当該地の立地条件につきまして基礎的な調査検討を進めてまいりたいと考えております。 御提案の運動施設の建設につきましては,将来的に見て本市に国際的なビッグゲームに対応できる競技場がございませんし,また全天候型大規模運動施設の建設は,21世紀に向けて進めていかなければならない重要な政策課題と認識しております。私自身の本心といたしましては,すぐにでも掛かりたいような気持ちでございますけれども,今後施設の内容,立地などにつきまして十分研究してまいりたいと考えております。 南部地域の開発の問題でございますが,まず執行体制についての件でございます。土地の利用計画は,21世紀の本市のまちづくりの根幹にかかわるものでございまして,特に南部地域は新しい都市機能の集積が期待される地域でもあります。そのために計画策定に当たりましては,長期的展望に立脚した高度な専門技術,知識とともに斬新な発想が必要であります。御指摘のように職員の英知を結集して取り組んでまいりたいと考えております。 地下鉄東西線の六地蔵への延伸でございます。平成元年の運輸政策審議会の答申におきまして,平成17年までに整備すべき区間と位置付けられており,また新京都市基本計画におきましても,事業化推進プランとして位置付けておるところでありますが,六地蔵地域におきます市街地整備の状況や将来の東西線の環状化構想を考え合わせますと,できる限り早期に取り組むべき重要な課題であると認識いたしております。現在第1次事業区間として進めております醍醐二条間の建設工事の進捗を見極めつつ,また地下鉄建設の前提となる道路整備の状況なども見ながら事業化に向けて基本的な調査検討を進めてまいります。 地対財特法期限後の同和行政のあり方についてでございます。御承知のとおり,昨年,地対財特法が一部改正のうえ5年間延長されたところでありますが,平成9年3月に迎える法期限後の再延長はないものと私も考えております。同和対策事業は,同和問題の重要性と緊急性から一般施策を補完する特別施策として実施いたしてきたものであり,事業の進捗と地区の実態の変化,向上に応じて事業内容と施策対象が限定され,段階的に解消されるべき性格を持っております。しかしながら本市におきましては,先般発表いたしました環境改善事業に係る新年次計画で明らかにしておりますように,法期限内に残事業を完遂すべく取り組んでいきますものの,崇仁地区においては法期限後も相当量の事業が残るものと見込まれております。また今後同和問題解決のためには,啓発などソフト面の事業についても充実を図る必要がございます。同和問題の早期かつ抜本的な解決を図るため,財政負担の軽減など必要な予算措置が講じられるよう国に求めていきたいと考えております。以上でございます。 ○議長(川中増次郎君) 薦田助役。 ◎助役(薦田守弘君) まず新庁舎の建設についてでありますが,平成6年に基本構想を発表すべく,昨年6月に市内部の検討組織であります市庁舎整備検討委員会におきまして御指摘の建設候補地の問題をはじめとしまして,総床面積,駐車場スペースなどの新庁舎の規模,機能,更に事業スケジュール等基本的な事項について検討を行ってまいりました。近く開催されます財政総務委員会の場でこの結果について御報告させていただくべく準備を進めているところでございます。建設候補地につきましては,構想を策定していくためにも早期に確定する必要があると考えておりまして,交通の利便性,敷地の規模,形状,敷地取得の可能性など種々の条件を設定して検討を行っております。また財源につきましても大きな経費を要しますために,規模等を考慮しつつ必要な財源の確保に努めていかなければならないと考えております。 次に同和施策について,まず改良住宅の家賃についてでありますが,住民の生活実態の的確な把握に努めまして,早急に適正な家賃の額の検討をしてまいります。現在入居者間の公平を図りますために法的措置を含む滞納整理に全力を傾注いたしております。 保育料につきましては,同和問題の解決のための施策の一環として昭和37年に設定し,平成元年には最高額を5000円として改定を行いました。その後完全徴収に向けて強力に取組をいたしております。これからの改良住宅家賃あるいは保育料の見直しにつきましては,本年7月中を目途に,その具体的内容,実施時期等を取りまとめてまいりたいと考えております。 次に補助金についてでありますが,同和地区におきます団体等が実施しております事業で,同和問題の解決に有効かつ適切な事業に対して予算の範囲内で助成を行っているものであります。この適正化につきましては,平成2年3月に出しました今後の方策の趣旨にのっとりまして助成要綱の改正を行いました。実施内容や人数等を確認するなど適正な執行に努めているところでございます。今後とも今後の方策の趣旨をより一層徹底し取組を進めていく考えでございます。 次に選考採用についてでございます。同和問題解決のための重要課題でございます就職の機会均等を保障していくという目的に照らしまして,より効果的な手法を求めながら長年にわたる経過の中で今日に至っているものでございます。現行の制度が万全であるとは考えておりません。現在,平成7年度以降,一部公開公募を導入する方向で検討を進めております。すべてを公募するということにつきましては,一般地域との格差が完全に解消したとは言えない今日の現状において困難と考えておりますけれども,今後とも教育,企業啓発,職業補導など他の諸施策の進捗状況も見極めながら,より適切な採用方法のあり方の確立について取り組んでまいりたいと考えております。以上でございます。 ○議長(川中増次郎君) 佐藤助役。 ◎助役(佐藤達三君) 地下鉄東西線の工事の進捗状況についてでございますが,現在全工区におきまして工事を進めておりまして,大半の工区につきまして工事の最盛期に入っております。しかしながら,極めて厳しい状況にある工区も幾つかございまして,これらの工区につきましては,交通局,鉄道建設公団などの事業所のほかに,個々の請負業者の責任者も加えました執行推進体制をとり的確な工程管理に努めているところでございます。併せまして従来から設置しております関連事業推進本部を十分活用いたしまして関連事業の促進を図りつつ全庁的な取組の中で最大限の努力を払ってまいります。 次に山科駅前市街地再開発事業の現状についてでございますが,本年6月に権利変換期日を迎えることとなっておりまして,今後地上物件の除却を進めてまいる予定でございます。また現在仮設店舗の工事に着手しているところでございまして,更に施設建設物の工事に取り掛かるため,本市会において建築工事契約議案をお願いいたしたところでございます。今後の見通しといたしましては,当初予定の計画スケジュールが非常に厳しい情勢にございまして,近く事業計画の見直しを行う予定でございます。今後とも早期完成に向けまして全力を挙げて取り組んでまいります。 次に御池地下駐車場の建設につきましては,現在本格的な掘削を行っておりまして,9月ごろから本体工事に取り掛かる予定でございます。引き続き内装,設備工事等を行い,地下鉄東西線と同時完成に向けて鋭意取り組んでまいります。御池地下街の店舗展開につきましては,周辺の既存商店街との共存共栄を図りつつ,京都らしい地下街を造ってまいりたいと考えております。更に御池第2地下駐車場につきましては,本年3月に事業認可を受けまして準備工事に着手いたしております。現在,本体工事の早期着手を目指して作業を進めているところでございまして,今後平成8年の完成に向けて最大限の努力をしてまいります。 ○議長(川中増次郎君) 内田企画調整局長。 ◎企画調整局長(内田俊一君) 京都都市圏づくりについての御質問でございます。昨年度34の自治体のうち1都市圏を中心に京都府下,滋賀県内の26の市町と3回にわたりまして打合せをさせていただきました。今年度は予算措置をいただいておりますので,京都府,滋賀県の御協力をいただいて,これらの自治体との共同調査を実施したいと考えております。これを基本に行く行くは都市圏のグランドデザインを共同で策定する,それと並行して具体的な共同事業の積重ねを行っていきたいと考えておるところでございます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~議長(川中増次郎君) 進行いたします。 次に市政一般について,若宮修君に発言を許します。若宮君。 〔若宮修議員登壇(拍手)〕 ◆(若宮修君) 私は,日本共産党京都市会議員団を代表いたしまして,田邊市長に質問いたします。京都市長選挙も目前に迫り,かつまた田邊市政の最後の定例市議会ですので,田邊市政4年間の総括の意味を含め質問いたしますので,誠意を持って答弁されるようまずもって要請しておきます。 今,財界言いなり,解同べったりの田邊市政を今こそ変革し,市民が主人公の市政を作ろうという声が大きく広がっています。 ところで午前中,自民党の議員が田邊市政に不満を表明しながら持ち上げましたが,こんなことは前代未聞であり,内部矛盾の反映です。また良識ある政党が集まって推薦しているように述べていますが,その中身は,財界,解同べったりの政党を巻き込んだ悪政,なれ合い連合であって,京都市民の願いと道理に反したものであります。 かつて日本共産党も参加して,みんなで作り上げた民主市政こそ,住民こそ主人公を貫き,老人医療費の無料化や中小零細企業に無担保無保証人融資制度を作るなど優れた施策を行い,時代に先駆けた行政を進めてきました。市長選挙は4対1の対決でなく,財界本位か住民本位か,ゆがんだ同和行政を続けるのか本格的に見直すのか,二つの対決であります。正義と真理は多数派であることを申し上げたいと思います。 また社会主義崩壊論につきましては,我が党が既に指摘しているように,ソ連の崩壊は社会主義の道を踏み外した覇権主義,官僚主義,命令主義の結末で崩壊は当然であります。日本共産党は,社会主義,共産主義の根本精神に反するこうした誤りと30年前から断固として闘ってきた政党であります。 20世紀は,国民こそ主人公,民族は皆平等の方向に動いています。このことこそ科学的社会主義の先駆性を実証しているもので,歴史の真実と流れをしっかりと見抜いてもらいたいということを指摘しておきます。 もう一つ,先ほど橋村議員が盛んに田邊市長も参加すべきだと言っていた新時代・地方主権・変革のシナリオの座談会,新藤立教大教授,橋本大二郎高知県知事,内田健三東海大教授の座談会の中で,新藤氏は,府県の議会に関しては,政党化は必然としても,共産党を除く総与党化がますます議員の質を悪くしていると述べています。今,真の革新の党,日本共産党に対する期待は大きく高まっているのであります。 さて第1の質問は,自民党の単純小選挙区制とカンボジア問題についての市長の姿勢であります。金権腐敗政治の一掃は国民の強い願いです。ところが自民党は,これを選挙制度にすり替えて,国会に単純小選挙区制を提案しています。例えば京都では,現在1区,2区合わせて10議席のうち自民党は4議席です。これが定数1の11選挙区に分けられ,得票率30パーセント台の自民党が11議席を独占し,全国では4割の得票の自民党が500議席中,483議席を独占するなど,小選挙区制は国民の多数の意思が踏みにじられる最悪の選挙制度であります。政治改革とは縁もゆかりもありません。社会,公明の小選挙区比例代表併用制案は,自民党と接点を求めれば求めるほど小選挙区制が進行し,自民党を助ける危険なものであります。 もともと政治改革を選挙制度に求めることは筋違いで,金権腐敗の大本,企業,団体の政治献金を禁止することが基本でなくてはなりません。アメリカでは86年前に企業,団体の政治献金を法律で禁止しており,ヨーロッパの金権腐敗事件を見ても,選挙制度に関係なく,例えばドイツは小選挙区比例代表併用制であります。フランスは小選挙区制,イタリアは比例代表制の例を見ても,企業,団体献金を禁止しているか,それを野放しにしているかが金権腐敗か清潔な政治かの分かれ道となっているのであります。 市長にお尋ねいたします。今,危険で民主主義を蹂躙する小選挙区制をやめさせ,企業,団体献金を禁止すること。そして既に1986年,国会で全会一致議決されている現行中選挙区制の下での定数是正を実行させることであります。併せて市長の見解を問うものであります。 カンボジアで2人の日本人が殺されました。今,パリ和平協定がポルポト派によって蹂躙され,ガリ国連事務総長自身がパリ協定が一部崩壊と公言しているように,停戦合意が崩れているカンボジアに派遣されている自衛隊員,文民警察官,選挙監視要員の生命と安全を守るために,直ちにカンボジアから撤収させるように市長として政府に要求すべきと思いますが,併せて見解を求めるものであります。 第2の質問は,今,田邊市長に対して,政治的身内の範囲の人々や,あなたが頼りにしている人々から批判が寄せられておりますが,これに対する市長の認識についてお尋ねいたします。田邊市長の出身団体であります医療衛生団体協議会が市長選出馬要請決定の記者会見の際に,同和行政,庁内体制に対する取組は物足りないと述べました。これは京都新聞やその他の新聞にも報道されましたから御存じでしょう。 2月市会で審議中の京都市廃棄物の減量,適正処理等に関する条例案について,京都市ごみ減量検討委員会の座長と副座長が,同条例案は委員会の提言が反映されていないとして,実効性のある条例として制定するように田邊市長と市会各会派に意見書が提出されたことで大きな問題になりました。市長が提言を求め依頼した委員会の責任者が市の条例を厳しく批判することは前代未聞のことであり,市長の責任が問われる重大問題であります。 また京都民報の3月28日号で,元京都市まちづくり審議会会長の堀内三郎さんはこのように述べておられます。一般の市民の方の関心事である京都ホテルやJR京都駅ビルの問題が答申で全然触れられていないのは前提があったからなのです。会長を引き受ける前に,市長さんの代理の人から,ホテルと駅については審議会で議論してもよいが結論を出さないで欲しいという要請があったわけです。審議会で一番困ったことは,市が事務局の作業を担当したことです。会議では,事務局が前の会議の委員の発言の要点をまとめた整理案を出して議論するのですが,要点をまとめるときに差し支えない所だけ出てくるのです,こう語っています。誠にひどいものです。まちづくり審議会に京都市がこんな非民主的な干渉をしていたのか,ただただ驚くばかりです。 京都市の福祉行政に携わって30年になる社会福祉審議会の副委員長は,田邊市長が目玉にしている健康都市構想について,言葉だけで実質がない,福祉政策の位置付けが問題と痛烈な市政批判を展開されています。御存じですか。 また保守的な論客として知られている京都大学名誉教授の会田雄次さんは,私は建都1200年記念行事として明確な市民合意の都市像を作るための緊急提案,21世紀に向かう京都のグランドビジョンづくりを京都を愛する学者,文化人連名で田邊市長に提案したが,緊急提案は全く生かされなかった,誠に残念だと述べ,更に京都のまちづくりは,行政に自信がなく目先のことしか頭にないことです。謙虚でなければ自信は生まれず,自信のないものが虚勢を張れば高慢になってしまう。今の京都市政は,自信のなさが最大の問題だと思いますと,実に的確な批判を下されているのであります。 以上,私は五つの実例で田邊市政が京都市長にふさわしいかどうか,なぜこれほど住民無視が行われているのか,なぜこれほど非民主的な行政がまかり通っているのか,私の主観でなく,田邊市政の側に立ってきた人々,保守的な人々の言葉をかりて披瀝いたしましたが,田邊市長は,こうした市政への批判をどう受け止めておられるのか答弁を求めるものであります。 第3の質問は,いまだに解明されていない田邊市長にまつわる諸問題,疑惑についてであります。皆さんも御承知のとおり,田邊市長が当選した4年前の京都市長選挙をめぐっても佐川マネーが動いていたという報道がありました。当時立候補を予定していた保守系の病院長が佐川グループから2億円の資金提供を受けたというものですが,この人物は告示前,直前になって突然立候補を辞退し2億円も返したと報道されています。読売新聞の昨年8月31日の報道によれば,この2億円の資金提供の要請の場に地元の自民党代議士が同席していたとあり,更なる疑惑が生まれています。こうした報道に対して何の見解も聞いておりません。これが田邊市政の入口です。 田邊市長の初仕事は,違法開発でモヒカン刈りにされた一条山の全面開発を許可したことです。市長が当選して約2か月後でした。もちろん地域住民の抗議の中で,京都市開発審査会は全面開発許可の取消しの裁決を下したことは当然です。皮肉なことに,市長の許可は市長自らが任命した市開発審査会によって取り消されたというものであります。なぜ市長の初仕事が不法濫開発の追認となる全面開発許可なのか,背後に何があったのか,疑問は募るばかりであります。 田邊市長が小倉山残土放置問題で,JR西日本の残土搬出放棄を3億円の詫び状で許可した問題です。こうした市長の態度は,原状回復を強く求める地元住民や広範な市民の要求に反してJRのごね得を認めたもので,今後の京都市の景観行政にも重大な禍根を残すものと言わなければなりません。京都まちづくり審議会の答申が古都を囲む三山を日本人のふるさと,かけがえのない聖地と位置付けているのに,これを自ら踏みにじる暴挙ではないでしょうか。 次に大手ゼネコンに対する態度です。地下鉄東西線工事だけでも金丸やみ献金で東京地検特捜部の捜査を受けた大手ゼネコン12社が入り込んでいます。大手ゼネコンのやみ献金の実態は毎日のように新しい事実が表面化しています。 報道によれば,大手ゼネコンはせっせと金丸詣でをすることで公共事業を獲得してきました。そのやみ献金は,受注額の1パーセントとも3パーセントとも言われる額を上納することが制度化されてきました。やみ献金を見越した工事契約も行われ,国民の税金の横取りが政,官,財癒着の構造の中で進められたのであります。だから埼玉県の鳩ヶ谷市では,市庁舎工事でゼネコン10数社を指名入札から除外したのです。大阪の藤井寺市でも金丸やみ献金疑惑5社を指名入札から除外いたしました。福岡新宮町でも大手ゼネコン16社を建設工事の指名入札から除外したのです。今後こうした動きはますます増加するでありましょう。ところが京都市では,除外どころか大手ゼネコンに対して調査も釈明も求めていない有り様です。我が党の追及にも,釈明を求める気はないと答弁していることは重大であります。 ポンポン山不正疑惑も事の真相が明らかになってきており,重大な段階に来ていますが,これは後ほど阿美議員が質問を展開いたします。 そこで市長に伺いたい。私が取り上げた四つの問題点や疑惑,第1は,前回の市長選挙での佐川マネー疑惑に対する市長の見解。第2は,なぜ濫開発常習犯,悪徳業者の意を受けたと疑われるような一条山全面開発許可を初仕事にしたのか。第3は,なぜ3億円と引換えに小倉山の景観破壊に手をかし,JRを喜ばせたのか。第4には,なぜ大手を振ってやみ献金を行い,強制捜査を受けた大手ゼネコンに対して事の真相究明と釈明を求めないのか。以上,4点について明確な答弁を求めるものであります。 第4に質問したいことは,市民の暮らしと福祉,営業を守る立場から,市長の公約がどんな役割を果たしてきたかということであります。公約は政党や政治家にとって命というべき大切なものであります。あなたは前回の選挙公報で,国に対しては消費税の撤廃を強く求めますと市民に公約されています。ところが市長就任2年半で市バス,地下鉄運賃と水道,下水道料金に消費税を転嫁しました。議会で質問されたとき,市長は,入学金,出産金,家賃など7項目が消費税の対象から外され国会で全会一致可決されたのを,国会での消費税見直しで逆進性が解消された,公約はかなえられたという珍論を披露されました。しかも市長は,市長就任以来一度も政府に消費税撤廃を求めたことはありませんから二重の公約違反ということができます。改めて答弁を求めます。 二つ目に質問したいことは,いかに苦しい財政でも医療,健康,福祉を優先するという市長公約についてであります。先日,高い国民健康保険料を下げて欲しいという直接請求署名25万人分が京都市に提出されました。現在署名の審査が行われています。署名が開始された時点で,京都市は地元新聞に全面広告を出したり,特別のパンフレットを作り市民に配布しました。制度の解説や減免の解説ならまだしも,その内容は市民の国保料引下げなどを求める運動に対抗した言い訳ばかりでありました。 私が新聞広告の内容を見て驚いたのは,重大なことが隠されていたからであります。現在,国保料が3人家族,年所得310万円で最高額が44万円です。3人家族,年所得250万円でも国保料は33万円です。1980年の2倍となっており,明らかに市民の負担能力を超えたものとなっています。 2月27日付の京都新聞に,滋賀県志賀町の山本さんという方の投書が載っておりました。山本さんは,京都から志賀町に引っ越しをしたところ,京都市では国保料が年収の11パーセントだったのが,志賀町では4.7パーセントになったということで,山本さんは京都市の国保は高過ぎると痛感したと書かれています。こうした事実をなぜ隠し続けるのでしょうか。 広告では殊更に一般会計からたくさん繰り入れているかのように宣伝していますが,被保険者1人当たりの繰入額は12の政令都市中8番目という低さではありませんか。また京都市の国保会計は,1991年度末で45億円の黒字で,与党の諸君からも市民への還元が強調されたものであります。1人1万円値下げしても36億円あればできるのです。全国では約500の自治体が値下げを実行しています。なぜこの事実も書かないのでしょうか。今日の国保危機の原因は,政府による大幅な補助金の削減です。現に政府は1984年,国保の国庫負担率を45パーセントから38.5パーセントに下げ,事務費も毎年超過負担を負わせてきました。こうした政府の責任に一切触れない態度は情けない限りです。 現在,国民健康保険法は,憲法第25条,すべての国民は健康で文化的な生活を営む権利を有するという理念を受け,第1条に社会保障及び国民保健の向上に寄与するとうたっており,京都市が言うように,みんなで助け合う互助組織ではありません。みんながお金を出せば出すほど良くなる式の宣伝は,およそ社会保障を口に出す資格がありません。田邊市長は医師として,また健康都市を目玉に掲げてきただけに,その見識が問われるのではないでしょうか。 そこで質問しますが,田邊市長は,広告に欠落している重大な責任,これをどうとられるのでしょうか。あなたの打ち上げられた健康都市構想というアドバルーンは,そんな中身のないものだったのでしょうか。答弁を求めるものであります。 公約との関連で三つ目に質問したいことは,大店法が廃止されても市独自の条例で対応したいというものです。この公約は2か月ももちませんでした。新聞報道によれば,理由は自民党筋からお叱りを受け態度を急変したものでした。この問題は,中小商店の営業に関して重大な問題であります。 バブルの崩壊後,大企業本位の都市再開発の中心である大型店誘致は崩壊しつつあります。大津駅前の高島屋の出店中止,草津駅前では近鉄百貨店が撤退しました。京都市内でも山科駅前再開発のキーテナントが決まらず,最近では,京都の宇治市など南部で出店,増床を計画中のイトーヨーカ堂,近鉄百貨,イズミヤの3店が先送りを決定いたしました。ところが京都市は東京の大手百貨店を必死で誘致するという有り様です。伊勢丹百貨店の誘致がきっかけで,既存の百貨店も拡張計画を出し,中小企業,商店は死活問題です。まさに公約とは大違いではありませんか。 最近の報道によれば,伊勢丹の社長更迭の裏に,無造作な拡張出店計画,中でも京都出店に批判が内部で高まっていると報道されています。市長の責任は誠に重大です。予算委員会で私が質問したら,助役は,京都市は誘致していない,JRが誘致したという意味の答弁をされて,苦し紛れの答弁とはいえ驚いています。市長,これほど分かりやすい公約違反がどこにあるでしょうか。公約を守るのであれば,伊勢丹百貨店の進出を直ちに断るべきであります。見解を伺います。 四つ目にただしたいことは,不況に苦しむ中小企業,伝統産業の救済策であります。市長は公約で中小企業,伝統産業を守るとされています。事実は極めておざなりです。不況に苦しむ中小業者にとって仕事確保は重要な課題です。ところが,京都市が発注する中小業者への工事や物品の発注率は大きく低下しています。契約件数は80年度で92.7パーセントだったのが,91年度には84.2パーセントと8.5ポイント下がり,契約金額では83.5パーセントから71.6パーセントと11.9ポイントも低下しています。 一方この12年間で大企業への発注額は2倍にもなっているのに中小企業はわずか2.4パーセント増えただけです。中小企業への発注を80年度の割合に戻すだけでも91年度で中小企業へ93億円の発注増となるのであります。中小企業への発注低下は,田邊市政がスタートしてから一層顕著になっています。これだけ見ても中小企業に冷たい市政ということができるのではないでしょうか。日本経済の主役である中小企業への発注を,なぜ田邊市長は減らしたのですか。責任ある答弁を求めるものであります。 西陣織物の危機の大きな原因の一つに海外生産と逆輸入があります。20年前,韓国での西陣織の生産,逆輸入反対の運動が強まり,私が本会議で舩橋市長に質問したとき,舩橋市長は,和装産業振興都市協議会へ提起し,全国的な運動の中で対処したいと積極的な立場を表明されました。木下経済局長も,韓国進出の業者に対して警告し,行政,業界,働く人々が一体となって取り組んでいくと答弁されました。ところが今,中国での生産と逆輸入が大きな問題になっているにもかかわらず,田邊市長の答弁は,西陣織国外生産規制はできないという極めて消極的なもので,政治姿勢が変わればこんなに違うのか,余りの違いに驚くばかりです。 3月の自粛アピールに続き,去る5月19日,西陣織工業組合帯地部総代会は,国外生産を企画しない,生産しない,生産させないと三ない運動を決議しました。今後,組合内部だけでなく,全国の和装業界関係者や行政機関に協力を呼び掛けることも決めました。これは幾多の妨害をはねのけて国外生産反対の大きな高まりにこたえたものであります。こうした業界関係者の運動に対して具体的に援助するのが京都市政の役目ではないでしょうか。市長の明確な答弁を求めるものであります。 今,京都市の同和行政のゆがみというものは,全国にも例を見ないほど驚くべき事態となっています。市長の見直しという公約はどこに行ったのでしょうか。京都市会は既に二つの決議を行っていますが,どれ一つ実行されていません。こうした中で京都市は,苦し紛れに去る3月,今後における本市の同和対策事業のあり方を発表しました。これは歪んだ同和行政是正とは程遠い内容ばかりか,予算委員会や担当の常任委員会が済んだ午後に出したので,議論を避けた議会軽視だと市会運営委員会理事会で厳重注意されたほどです。また,これが運動団体の了解を前提としており挫折することは目に見えています。 北九州市と京都市は,いずれも80年代の初めに同和行政を舞台にした公金不正事件や土地転がし事件が発覚し,歪んだ同和行政の是正,見直しが鋭く問われていました。北九州市の場合は,見直しを進め肥大化した予算を整理し,81年度には241億円もあった予算が93年度は48億円,実に5分の1に削減しているのであります。ところが京都市の場合は,105億円であったものが74億円も増やされ,179億円と1.7倍にも膨れ上がっています。更に例を挙げますと,神戸市でも169億円だったものが88億円と半分に減っています。京都市と同様,同和問題の歪みの著しい大阪市でも20億円減って,今や京都市より少ない予算となっているのであります。 問題は,この膨れ上がった予算がどのように使われているかということであります。2月市会で我が党議員が暴露したように,部落解放同盟の最高幹部の甥に当たる医学生に毎月34万5000円奨学金が支給され,7年間で約2000万円支給されていることが分かりました。奨学金は小,中,高,大と通算して200万円から700万円支給され,それも返済しなくてもよいように仕組まれています。現在一般保育料の最高が約5万円に対して,同和保育料最高は5000円です。市営の改良住宅の家賃が社会的には考えられない低家賃にもかかわらず,最高の滞納者が26年4か月,滞納総計が12万か月という驚くべき事態となっています。これは一部の実例です。 ところが新京都市基本計画では,同和問題は今日なお重大な社会問題とか,市政の最重点施策とか差別事象の多発とかいって同和問題をますます肥大化し,同和予算が179億7600万円と過去最高を記録していることは重大であります。 滋賀県,和歌山県の数地区では環境改善事業終了宣言を行いました。大津市や高知市は同和対策室を廃止しています。こうした全国の流れに逆らっているのが京都市で,よくも見直しなどと言えたものです。同和行政のゆがみは市政をゆがめ,市民生活をそれだけ圧迫し,福祉の後退を作り出しているのであります。田邊市長,今大切なことは,同和への特別対策を終了させ一般施策へ移行する段階に来ているのであります。ところが京都市の同和行政は,膨れ上がった予算,行き過ぎた政策料金,個人給付的事業など,まさに全国の流れに逆行しているではありませんか,答弁を求めます。 また市議会の決議の部落解放基本法制定要求実行委員会から名実ともに脱退すること,具体的には,部落解放基本法制定要求実行委員会に加入している同和対策推進京都行政連絡協議会からの脱退と同協議会副会長に就任している助役の引揚げをなぜやらないのか,見解を求めるものであります。 最後の質問は,田邊型新京都市基本計画についてです。我が党は,新京都市基本計画が発表されたとき次のような見解を出しました。その第1の狙いが民間活力推進,関西圏の大型プロジェクト計画の推進にあること,そのために京都市が人も財政も土地も投入し,京都市南部の開発を主軸にしたJR京都駅改築計画や京都市高速道路建設計画に結び付けられていること。しかもバブルの崩壊で全国的に大型プロジェクトが破綻し見直しが求められているのに,京都市は逆にその破綻の方向へ入り込もうとしていると指摘いたしました。この指摘どおり事が進行しているではありませんか。 全国的に見ても,東京の臨海副都心計画や大阪のベイエリア計画などに見られるように,バブルの時期に立てられた財界本位の計画が相次いで破綻し始めています。先に述べたように再開発の目玉になっていた大型店誘致も破綻しています。マスコミも,明らかにバブルに振り回されたような開発計画はこの際見直すべきだと言っています。 新京都市基本計画では,関西圏の大型プロジェクトに対応した都市構造として,高層化とまち破壊のJR京都駅改築計画や,京都を東京や大阪のように鉄とコンクリートのまちにし交通渋滞を引き起こす市内高速道路計画など104事業を挙げています。事業総経費が2兆円に及び,京都市の財政規模をはるかに上回る膨大な計画です。こうした財界本位の大型プロジェクト主義は,結局行財政の効率化の名で福祉が切り捨てられ,市債を乱発し,市民負担を増大させるもので,京都市財政を危機に陥れることは明白ではないでしょうか。マスコミからも,市の財政規模から見れば相当無理な注文であると指摘されるほどです。こうした財界本位の計画は根本的に見直しが必要であります。田邊市長の答弁を求めて,私の第一質問を終わります。(拍手) ○議長(川中増次郎君) 田邊市長。 ◎市長(田邊朋之君) 若宮議員の質問にお答えいたします。 小選挙区制など選挙制度の改正についてでございます。選挙制度につきましては,現在国会で熱心に議論がなされており,国政の段階で判断されるべきものと考えております。 カンボジア和平のために派遣された方の撤収について御意見がありました。カンボジアに派遣された方につきましては,その生命と安全が守られるための十分な措置が講じられるよう心から念願いたしております。またカンボジアからの撤収の問題につきましては,我が国外交の重要課題として国政の段階で的確に判断されるべきものであると考えております。 過日,京都医療衛生団体協議会から先陣を切って出馬要請をいただきましたが,御指摘のような批判はお聞きいたしておりません。 御指摘の幾つかの御意見が一部報道機関に報道されたことは承知いたしております。まずまちづくり審議会につきましては,本市の景観対策や土地利用について,専門家や市民の方々によって幅広い見地から御審議いただき答申として取りまとめていただいたものと考えております。また健康都市構想につきましては,庁内の推進本部,更には広範な市民において作られた市民会議で推進しておるところであります。今後の京都のまちづくりにつきましては,中核的文化首都として京都を再生させる新京都市基本計画を策定いたしたところであり,今後この計画に沿って進めてまいるつもりであります。 4年前の市長選挙についての報道機関の報道を基にした御質問につきましては,私は事実について承知いたしておりませんし,コメントする立場にないと考えております。 一条山の再開発許可につきましては,市会陳情などを踏まえ山の現状を防災上最良の方法で是正し,かつ新たな風致景観を恒久的なものとしてつくり出すことをその内容として行政指導が行われ,既に申請を受理していたことなどから許可処分を行ったものであります。 消費税の問題につきましては,法施行後,国会の場において種々議論が行われたところでございますが,平成3年5月に全党一致で改正法案が可決成立いたしました。これを受けて,本市においても納税義務のある会計について市会の議決を経て消費税の転嫁を行ったものであります。 新京都市基本計画についてでございますが,この計画は文化首都の中核を担う都市としての京都の再生を願う市民の熱い期待を反映したものと考えており,その推進は私の責務であると考えております。 ○議長(川中増次郎君) 薦田助役。 ◎助役(薦田守弘君) まず京都市廃棄物の減量及び適正処理等に関する条例についての検討委員会の先生方の御意見につきましては,その後,改正条例と一般廃棄物処理基本計画骨子について十分御説明し,既に御理解いただいているところでございます。 次に国民健康保険事業のPRについてであります。国保の財政状況は,低所得者や高齢者の加入割合が高く,構造的に脆弱であるうえに医療費が引き続き増加傾向にあるなど大変厳しい状況があります。こうした中で,平成3年度に生じました累積黒字45億円を活用するなどによりまして3年連続して1人当たり平均保険料を同額に据え置いております。本市としては最大限の努力を行ったものと考えております。今後とも市民の健康と福祉を守るため,適正なPRを含め各種の施策を総合的に実施し,国民健康保険事業の健全な運営に努めてまいります。 次にJR京都駅への出店についてでありますが,本市といたしましては,大型店の出店,増床などにより厳しい経営環境にあります中小の小売商に対しまして,商店街や小売市場の活性化のためにハード,ソフト両面にわたり積極的に支援いたしております。JR西日本伊勢丹の出店につきましては,大店法に基づきまして適正に調整されたところでございます。 次に市が発注する工事や物品などの中小企業への発注についてであります。本市では,これまで物品等の買入れや工事の請負契約に当たりましては,中小企業への発注に努めてまいったところであります,今後とも可能な限り中小企業の受注機会の拡大に努めてまいります。 次に西陣織の海外生産問題でありますが,西陣織工業組合帯地部におきまして国外生産自重を呼び掛けるアピールがなされるなど,昨今の和装需要の減少と相まって業界関係者の間に一層の危機感が生じております。一昨日の19日には,国外生産阻止の申合せがなされたところでございます。本市といたしましては,国外生産を規制することは極めて難しいのでありますが,西陣産地を守る立場から国外生産は好ましくないと考えおりますので,この立場で業界と十分協議を行ってまいりたいと考えております。 次に同和行政についてのお尋ねでありますが,一般施策への移行につきましては,一昨年の地対協の意見具申で,直ちに一般対策へ全面的に移行することは適当でなく現実的でもないとされております。そのうえで法延長が行われたわけでございます。こうした趣旨を踏まえまして,また多くの残事業を抱えている現状から,その早期完遂に向けて予算の計上をしております。なお政策料金や個人給付事業などの今後のあり方につきましては,先般,今後における本市の同和対策事業のあり方についてを発表したところであります。見直しの具体的内容あるいは実施時期等は,本年7月中にお示ししたいと考えております。 次に部落解放基本法実行委員会につきましては,同和行政を円滑に推進するために国の法的,財政的措置が必要であること,また人権擁護思想の普及高揚を図るために市民啓発が重要な課題であり,市民の各界各層と連携して取り組む必要があるということで本市として参画してきたものであります。しかしながら,昨年8月の基本法京都府実行委員会大会におきまして,京都府及び府下全市町村で構成しております同和対策推進京都行政連絡協議会の一員として参画し,京都市独自としては脱会したものでございます。以上でございます。 ○議長(川中増次郎君) 佐藤助役。 ◎助役(佐藤達三君) 小倉山の復元方法についてでございますが,残土の搬出が市民の日常生活あるいは地域の観光などに与える影響など客観的な諸事情を十分に検討したうえ,最も現実に即した方法によって山容の復元を図り,一帯の歴史的風土や風致景観の早期回復に努めたものでございまして,景観破壊につながるものではないと考えております。 ○議長(川中増次郎君) 依田交通管理者。 ◎公営企業管理者(依田満君) 地下鉄工事に関連して,いわゆる金丸氏と大手ゼネコンとの御質問でございます。その問題につきましてはいろいろの報道がなされているところでありますが,今後,状況に応じ適宜適切な措置をとってまいる考えであります。 ○議長(川中増次郎君) 若宮修君。 〔若宮修議員登壇(拍手)〕 ◆(若宮修君) 私は,市長選挙が目前に迫った下で,田邊市政の4年間が市民の暮らしや営業,まちづくりなどにとって何であったのかということを具体的実例に基づいて質問いたしました。しかし,どれ一つを見てもまともな答えはありませんでした。恐らく答える自信がなかったのでしょうか。 田邊市長の目玉は健康都市構想であります。私は,国民健康保険問題一つを見ても,健康都市構想どころか,その名に値しない広告の中身を告発しました。しかし何の反省もありませんでした。 京都の大型プロジェクトは高速道路計画です。市内高速道路は,大量の自動車を市内に呼び込むもので,与党議員までもが,今でも西大路五条が自動車渋滞なのに,どうして車をはかすのかと疑問を投げ掛ける場面もありました。そのうえ大気汚染を一層進めるものです。高架でも地下でも大気汚染は同じで,地下の場合,巨大な排気塔が必要で,その一つが市立病院の側に建てられるのですから,ただただ驚くばかりです。 市長は4月,光化学スモッグになると言われる二酸化窒素の環境基準を0.02ppmから0.04ppmへ緩和しました。それも2000年までに実行するというのです。これでは健康都市どころか不健康都市と言うべきです。一事が万事こうしたものですから,田邊市政の行政は,大企業本位,市民無視の連続ということができます。 いよいよ市長選挙も近付いてきました。日本共産党は,市民本位の民主市政をすすめる会に結集し,全力を挙げて民主市政の実現を目指し奮闘することを表明し質問を終ります。御清聴どうもありがとうございました。(拍手)~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~議長(川中増次郎君) 次に市政一般について,阿美弘永君に発言を許します。 〔阿美弘永議員登壇(拍手)〕 ◆(阿美弘永君) 昨日,ポンポン山ゴルフ場予定地買収疑惑を追及する市民の会が田邊市長と開発業者に対し43億5000万円の損害賠償を求める訴訟を京都地方裁判所に起こしました。これは4000人の住民監査請求を監査委員が却下したことを受けて,疑惑の徹底解明のため提訴に踏み切ったものであります。 天綱恢恢疎にして漏らさず。これは,悪事は必ず明らかにされるということでありますが,私は,昨年5月22日の本会議において,ポンポン山買収の議案が提案されたとき,少数の人を一時的に同意させることはできても,多くの人々を長期間だますことはできない,必ず真実は市民の前に明らかにされるであろう,日本共産党京都市会議員団はその真相解明に全力を尽くすと申し上げました。田邊市長,よもやお忘れではあるまい。 あれから1年,47億5000万円の買収金の一部が金丸系企業に流れていたことが明らかになりました。これは北摂カントリークラブの元役員が告発の意味を込めて証言されたことにより明らかになったものであります。この新たな背景の下で,去る5月7日に日本共産党京都市会議員団は,この買収疑惑について市長に申入れを行い,その回答を5月18日までに文書でなされるよう求めましたが,まともな回答はありませんでした。極めて不誠実な田邊市長の態度を厳しく批判し,日本共産党市会議員団を代表して,改めてその中心点について質問を行うものであります。 まず第1に,余りにも高い買収金額の問題についてであります。本来ならば開発業者の思惑買いに京都市が責任を持つ必要はないのでありますから,買収価格の決定には,ゴルフ場を想定しない現状有姿のままの評価額を提示することが筋であります。収益性になじまないこの山林は,例えば91年京都府公報で示された京都市内の別の山林の基準地価では,1平方メートル当たり西京区で250円,右京区で305円であります。したがって買収総額は2億5000万円から3億円程度のものであります。経験豊富な不動産業者の売買実例から見ても,2億円から3億円と証言しているものであります。 損害賠償の責任のない京都市としては,80億円で買収を求める開発業者の調停の申立ては,不当なものとしてこれを不調にし,正式な裁判で決着を付けることこそとるべき措置であったのであります。現に先の財政総務委員会に提出された資料でも,市は,損害賠償を含まない土地代としての正当な価格の範囲内であれば買収に応じる意向を表明したと述べているではありませんか。市長,この正当な価格とは,どういう内容なのか具体的に示してください。 また百歩譲って開発業者の購入額を考慮に入れたとしても,買収金額は1平方メートル当たり安い所では500円から1000円,高くても1500円ではありませんか。我が党議員団は現地で幾つもの物件を確認しており,またこれを裏付ける物的証拠をも把握いたしておりますが,何よりも土地の売買価格について,国土利用計画法第24条の第3項で,京都市長は勧告をする必要がないと認めたときは,遅滞なくその旨を届出をした者に通知しなければならないとあります。つまり市長,あなたは土地の売買価格を一番よく知っているのではありませんか。この動かし難い証拠を持ちながら,あえて高額な価格で買収したことは,最初から双方に妥協する金額の合意ができていたからではありませんか。明らかにしてください。 しかも簡易裁判所に対して京都市は,不動産鑑定士の鑑定評価額を基にして定めた適正な価格を示し,と報告しておられるように47億数千万円の買収金額は市の側から持ち出したものであります。したがって裁判に掛けるのでなく,簡易裁判所の調停に持ち込んだのは金額の合意だけが表面に出て,他は一切がやみの中で処理できるとした見え見えの謀略であり,京都市はこれに積極的に加担したと断ずるものであります。いかがですか,市長の答弁を求めるものであります。 第2の問題は,関西総合鑑定所の鑑定評価についてであります。私は,この鑑定に重大な疑惑があるとして,昨年5月に具体例を提示して質問しました。それは,本市の鑑定依頼はゴルフ場を想定しない現状の状態の評価を求めたものであるのに対して,取引事例の一つに亀岡市東別院町栢原タカラ山を採用したことであります。ここは宝山ゴルフ場として計画され,当時,環境影響評価の縦覧期間中の物件であり,縦覧が終われば許可が下ろされるものでありました。しかも開発業者が国土法に基づく届出の2倍以上の値段で地権者と取引していたとして,元社員により告発されていたものであります。 我が党の質問に対し市長は,豊富な知識と経験を有する不動産鑑定士に依頼して鑑定評価を行ったものであり,また公正中立な裁判所の職権で決定された価格は,この鑑定評価に照らして適正だと答弁し,佐藤助役は,法律に基づく厳格な基準を満たしてその資格が与えられたとし,その鑑定士に依頼して行った今回の評価は適正なものと判断していると答弁しているのであります。市長も助役も,この鑑定事務所を完全無欠のように評価されておりますが,一体関西総合鑑定所とはどんな事務所なのか。我が党の調査で判明したことは,社長である細見正博氏は,大津市内のゴルフ場開発会社の監査役に就任しており,しかも鑑定会社の事務所をゴルフ場開発会社の建設準備室に充てているのであります。このようにゴルフ場開発にかかわっている会社が,ポンポン山の山林を公正に鑑定できないことは極めて明瞭ではありませんか。なぜ関西総合鑑定所が選ばれたのか,極めて疑問が残るのであります。 またゴルフ場を想定しない鑑定を依頼したことに対して,なぜゴルフ場予定地を選んだのか,またこの国土法違反の裏取引額を関西総合鑑定所がなぜ知っていたのか,そしてどのようにして知ることができたのか,その真相は徹底的に解明されるべき問題であります。これが解明されるならば,簡易裁判所の調停に代わる決定などまさに雲散霧消,朝露のごとく消えてしまうことは火を見るよりも明らかではありませんか。いかがですか,市長よりお答ください。 また本来,京都市が土地を買い求める場合には,本市の不動産評価委員会に諮問して適正な価格を算定すべきでありますが,今後の土地売買にも影響を与えかねない重要な土地鑑定に,なぜ1社鑑定という手法を用いたのか全く理解できません。しかも資料によれば,昭和62年度以降の1社鑑定が38件ありますが,関西総合鑑定所は一度も入っておりません。あえて1回も使ったことのない鑑定士になぜ依頼したのか,疑問を持つのは当然であります。どのような経過で関西総合鑑定所を選んだのか,確たる答弁を求めるものであります。 第3に,本年2月15日に解散登記した47億5000万円の支払先である北摂カントリークラブについて質問いたします。この会社は,池尻興産名義のゴルフ場予定地の所有権の移転を受けておりますが,元役員の証言によりますと,このゴルフ場は,池尻興産,富士土木設計事務所,丸金コーポレーションの3者が共同して計画したもので,用地買収費など事業費の全額ではないと思うが,相当の金額を丸金コーポレーションが提供したとしております。しかし買収した土地は,すべてが金融機関の抵当権が一切設定されていないことから,実質上の資金は丸金コーポレーションから出たと推定されるべきであります。丸金コーポレーションといえば,金丸被告の巨額脱税事件で今年の3月19日,東京地検特捜部の家宅捜索を受けた金丸金脈の主要企業の一つでありますし,あの不正蓄財として問題になった割引債権の隠匿場所になっていたビルディング,パレロワイヤルの所有者であります。 昨年7月8日,参議院選挙公示の日に47億5000万円を受領した北摂カントリークラブが,一度も税の申告をしないまま今年の2月15日に会社を解散しております。一体その金はどこへ流れたのか。市民の血税であります。うやむやに済ますわけにはまいりません。一体京都市の果たした役割は何であったのか,改めて問われるのであります。この筋書きを書いた者は誰と誰か,またその実行した中心人物は誰と誰か。市長,あなたは解明できる立場にありますし,解明しなければならない責務があります。明快な答弁を求めるものであります。 市長,過去の誤りを反省なされ,率直に答弁なされることを申し上げて,私の第一質問を終わります。(拍手) ○議長(川中増次郎君) 田邊市長。 ◎市長(田邊朋之君) 阿美議員の質問にお答えいたします。 西京区大原野におきますゴルフ場計画地につきましては,裁判所の職権による調停に代わる決定に基づき適正な手続を経て取得したものであります。また土地価格につきましても不動産鑑定士の評価額の範囲内であります。適正な価格であると考えております。 ○議長(川中増次郎君) 佐藤助役。 ◎助役(佐藤達三君) 次に鑑定関係について数点ございましたけれども,本件不動産の取得は調停による案件でございまして,公有財産規則では不動産評価委員会に諮る必要はないものでございますが,調停の過程において適正な判断をするため,豊富な知識と経験を有する不動産鑑定士に依頼いたしまして鑑定評価を行ったものでございまして,その評価内容は客観的かつ適切なものであると考えております。 次に北摂カントリークラブの解散等につきましていろいろとお話がございましたけれども,本市の関知するところではございません。 ○議長(川中増次郎君) 阿美弘永君。 〔阿美弘永議員登壇(拍手)〕 ◆(阿美弘永君) ただ今市長並びに助役よりの答弁を聞いておりましたが,誠に木で鼻をくくったような,こたえようとする態度は全くありません。またその内容についても,何とかの繰り返しにすぎない。質問に全くかみ合ったものではありません。これでは答弁不能,答弁拒否であります。なぜ堂々と論議できないのか,地方自治体を預かる責任者としてあるまじき行為ではありませんか。 しかし,どうしてもその真相解明に否定の態度をとられるのであるならば,私が第一質問で買収価格についての動かぬ証拠を把握していると申し上げましたが,これがその証拠物件であります。 これは買収業務の終わりの方の段階のものでありますが,平成2年10月23日付で,開発業者の池尻興産が大原野石作町の山林を1平方メートル当たり1515円で買収したいとの届出をしたものであります。この届出書は,国土利用計画法で土地の投機的取引及び地価の高騰が国民生活に及ぼす弊害を除去するため,地価の抑制を行うために設けられた制度であります。届出を受けた市長は,これを審査したうえで,その価格が高い場合は是正を求める勧告をし,適正な場合は不勧告通知書を出すことになっているものであります。市長,あなたはこれに対して,あなたの名前で平成2年10月31日に,よろしいという通知書を出しているではありませんか。この通知書を基に逆算して計算するならば10数億円で買収したことになります。この買収価格を知りながら,一度も使ったことのない不動産鑑定士に高額の評価をさせ,簡易裁判所を巻き込んで正当性を裏付けさせた今回の47億5000万円の買収は到底許されるものではありません。 本来,市長の果たすべき役割は何か。地方自治法第2条の中で,地方自治体は,その事務に当たっては住民の福祉の増進に努めるとともに,最小の経費で最大の効果を上げるようにしなければならないと定めているではありませんか。また地方財政法第4条で,地方公共団体の経費は,その目的を達成するための必要かつ最小の限度を超えてこれを支出してはならないと厳しく定めているのであります。更に土地取引における価格の規制を行うことが最大の眼目である国土利用計画法の趣旨の徹底についてという事務次官通達で,国や地方公共団体が土地売買などの契約を締結する場合には,当然法の趣旨を斟酌して行うよう義務付けられているではありませんか。 市長,あなたに与えられた責務が分かっていながら,この実行なされた買収行為は憲法に定める地方自治の本旨にもとるものであり,市長の地位を濫用したものであり,市長としての資格そのものが問われるものであります。これほど明らかな事実を指摘されて,市長どうなされますか。責任をしっかりととられることを求めるものであります。そして更に責任をとられる前に,明確な答弁をしていただきたいと思います。そしてあなたがどのように抵抗なされようとも,この疑惑だらけの買収問題は真相を解明しなければならないのであります。 これだけ申し上げてもなお真相解明を求める市民の声,我が党の指摘に対してあいまいな態度をとられ,真相解明を拒み続けるのであるならば,私どもは,地方自治法第100条に基づく調査特別委員会を設置し,証人として丸金コーポレーション,富士土木設計事務所,池尻興産,北摂カントリークラブ,関西総合鑑定所のそれぞれの関係者の喚問を求め,その真相解明を求めるための手続をとることが必要となってくるのであります。市長の確たる答弁を再度求めて,私の第二質問を終わります。(拍手) ○議長(川中増次郎君) 佐藤助役。 ◎助役(佐藤達三君) 再質問についてお答えいたします。(発言する者あり) ごく一部の数字について引用しながらのお話でございますけれども,私ども135ヘクタール全体につきましては先ほど申しましたとおり,司法の場において裁判の調停の指導に従いながら,その決定に従って価格を決めたものでございます。また先ほどの話の中に若干ございましたけれども,司法の話を引用する中で,やや司法についての変な言い方があったようでございますけれども,私どもは,三権分立の中で司法の指導に従った対応を法的手続を踏んでやってきていることでございます。全体の数字の中で整理したものでございますので御理解いただきます。(発言する者あり)~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~議長(川中増次郎君) 進行いたします。 次に市政一般について,中西正三君に発言を許します。中西君。 〔中西正三議員登壇(拍手)〕 ◆(中西正三君) 公明党市会議員団を代表して一般質問を行います。 先ほど田邊市長は,2期目への市長選出馬を表明されました。私ども公明党といたしましては,去る14日,田邊市長を推薦すると記者発表したことは御承知のとおりであります。その理由の一つは,市長の公約がほぼ実現されたことに対する評価であります。例えば情報公開制度の創設により,市民に開かれた明るい市政を推進するなどがその一例であります。 二つ目の理由としましては,ともすれば懸案や難問題の解決は先送りがちになるものですが,ポンポン山や大文字山ゴルフ場開発に対しての実質的な不許可措置,比叡平西側違法開発への断固たる措置,そして小倉山を平成の山づくりとした活用を図るなど社会的難問題や自然景観保全について一定の決着が見られたこと,その対処能力,実行力を評価したからであります。 〔川中議長退席,可児副議長着席〕 ◆(中西正三君) (続)三つ目の理由としましては,公明党京都府本部と締結しました基本政策をこの任期中推進されたのをはじめ,この4年間の予算編成時に我が党が提唱してまいりました数々の施策を真摯に受け止められ,本市の施策に反映されたことへの評価であります。健康都市構想を発表し,健康,医療,福祉を増進されましたし,国際長寿モデル都市としての位置付けを具体化されたり,また21世紀までの施策内容を示した新基本計画の中にも私どもが基本理念とする人を主役というテーマを導入されているところであります。また高齢化社会での在宅介護3本柱の充実,家賃補助などによる市民の住宅確保,乳幼児医療費の公費負担制度,エイズ対策の強化など具体的な施策の反映を評価しました。 このほかコンサートホールの建設に着手され,京都文化の底上げを図られたり,世界歴史都市会議の開催を行って世界的視野で歴史都市再生への模索を図られるなど,文化の時代,国際化の時代と言われる21世紀の大きな時代の潮流を先取りされていることに対し評価を与えた次第であります。 もちろん私どもは,田邊市政誕生時の要であったという自負心はございますし,あの選挙戦で321票差という熾烈な戦いをかち取った苦労を自民党や民社党をはじめ,その他の方々ともどもにどうして忘れることができましょうか。 また田邊市政2期目への大きな期待を抱いていることも推薦の理由です。歴史の歯車を逆転させる共産市政には断じてさせてはならないという良識ある政党としての判断に基づくものであります。 今本市は,歴史都市を再生させることができるかどうか一つの曲がり角に立っており,極めて重要な時期にあると思います。それだけに田邊市長のリーダーシップと自治体経営の手腕が問われているのであります。 歴史を振り返ってみますと,このリーダーシップは変らないものと,時代の変化とともに変わるものがあるようです。変らないものはリーダーの決断力と結果責任であります。一方,時代とともに変わり得るものは,その決断する判断材料ではないでしょうか。例えば戦後美徳とされておりましたがむしゃらな勤勉さは,労働時間の短縮が急激に進行している現在では合わなくなりました。プライベートを大切にし,自由時間の増大こそ幸せの必須条件と考えている若者だけの特権ではありません。労働時間の短縮は,今や政府や自治体が推し進めているからであります。 また高齢化社会は,職場のポスト不足を生み,昇進のスピードが鈍化して士気の低下を招いております。その結果,学歴偏重から実力主義への移行が余儀なくされ,かつての企業への忠誠心よりも職業へのプロ意識が高まっております。 また敗戦後,ハングリー精神をばねに国民が働きづめた我が国は,今日世界一の経済大国,世界一の長寿国,世界一の高学歴社会となり,当時の夢をすべて達成しました。物と金があふれる今日の我が国の社会は,必然的に心の時代へと移り,生きがいの模索,文化社会を志向しつつあります。民間企業においてさえ,従来の売上主義,利益主義から社会への還元,社会への奉仕という社会的使命が会社のよしあしの判断規準となっているようであります。これらは変化の一例であります。 リーダーは,時代の流れがどちらに向いているかを直視し,つかまなくてはなりません。この時代の流れとは,ニーズの変化,すなわち民意であると思います。それゆえに状況の先取り,柔軟な対応こそ今日のリーダーシップには必要とされております。 最近の総理府の調査では,民意が国政に反映されていないと感じている者が70パーセントを超え,3月初めの朝日新聞の世論調査でも,今の政党の枠組みを変えて,新しい政党や政治勢力を作る政界再編が必要だとする意見が72パーセントにまで達しております。これは政治に対する民意の変化であります。私ども公明党は,何としても政治改革を行い,そして新しい政治の流れを作りたいと,ただ今国会で選挙制度を含めた改革に努めておりますが,国と地方自治体の関係面からも少なからずそのトレンド,影響を推測しなければならないはずであります。 今の時代のキーワードは変化であります。リーダーたる者,変化には変化でもって対応しなければならないのではないでしょうか。 一方,自治体の運営,経営についてもしかりであります。昨今,上杉鷹山の本が経営者をはじめ各層で読まれております。その当時の江戸中期,日本は経済の高度成長期の頂点にあったものが,やがて失速し,今度は今までとは全く対照的な低成長に陥る。このため幕府も藩も揃って財政再建のため経営改革に狂奔しましたが,どこも成功しませんでした。そんな中,17歳の若さで米沢藩主になった上杉鷹山は,90パーセントが人件費という考えられない財政の米沢藩を強い改革の信念と創意工夫,そして藩士の協力を得て見事に立ち直らせたのでありました。鷹山のとった経営改革は,制度の壁,物理的な壁,意識,心の壁を壊すことを明確にし,このため情報を共有し,職場での活発な討論と合意を尊重し,人間愛と信頼を回復させる方法をとったことでした。彼は,改革への強い信念,柔軟な思考,私心なき姿勢,そして誠実さと人徳のある人柄で,日本だけでなくアメリカの故ケネディ大統領からも尊敬されるほどでありました。 ではなぜ今,上杉鷹山なのか。それはつまり当時とよく似た現在,高度成長経済から低成長の時期になっても,強い信念と発想の転換をし時代の流れをよく見つめるならば,どんな閉塞状況の中でもその壁を破れるという勇気を持つことができるからではないでしょうか。いかにすれば率直な意見を引き出せるか,やる気を行動に結び付けることができるか,学ぶところは数多いのであります。そして改革成功のかぎは,何よりも人間の心を蘇生させたところに今日鷹山が見直される意義があると言ってもよいでしょう。心こそ大切なれであります。145万市民の民意はもちろんのこと,現場で働く職員2万人の心をつかむこともリーダーにとって大切な仕事であることは言うまでもありません。 そこでお尋ねします。田邊市長,良識ある市民の声にこたえ,第2期目に挑まれる率直な抱負と決意,そして変革時代におけるリーダーシップと自治体経営への御所見をお伺いしたいのであります。 次に先にも述べました田邊市長の評価されるべき新京都市基本計画について2点お尋ねいたします。その中で箱書き施策として104項目が示され,それらの推進に21世紀までの予算総額を概算して1兆7000億円と示されております。実際にこの期間内に完了するには格段の執行能力の向上と財源の確保が必要で,市民の協力が求められ,強力なリーダーシップによる実行が必要です。特に箱書き施策の優先順位をどう決定していくのかが課題です。理事者は,今後内部体制を整え,進捗報告として白書を出し,進行管理していく考えと伺いますが,第1点として,優先順位の決定,強力な推進についてはどのように考えておられるのかお答えください。 また第2点として,都心地域に何を持ってくるのかについては,歴史都市としての都心再生に係る重要な課題であります。しかし都心の中で,小,中学校の統合による跡地問題はまだ結論がなく,現在のところ対象となっている上京,中京,下京区で17校分の約8万平方メールもの貴重な用地をどう生かすのかが新基本計画には組み込まれていないのであります。 都心の再生として,京都市の歴史的な特徴は職住近接であり,その住としての人口,世帯の減少が進んでいくことは,京都の特色を失うことになりかねません。居住環境の再生はもちろん,公営住宅の建設や借上公共賃貸住宅,優良賃貸住宅,新たに法制化される地域特別賃貸住宅の建設目標を大幅に定め,家賃補助制度を更に充実させるべきであります。そうした用地にも積極的な人口誘致を考え,そして各種の活用を図るべきでありますが,この点の考えはどうなのかお示しください。 次に田邊市長が推進されてきたものに,明年に迎える建都1200年記念事業が挙げられます。その中で平成7年3月に建物が完成される京都市コンサートホールに関連してお尋ねいたします。その京都市コンサートホールは,施設や設備装置いわゆる音を美しく響かせる約2秒間もの残響装置やケルン市から導入するパイプオルガンなど,西日本一のホールになると言われています。そのため全国の音楽愛好者からも広く期待の的となっています。しかし施設上の超一流だけではなく,音楽文化の新たな発展の拠点として,実質的に世界に誇れる音楽文化の大殿堂となっていくべきであります。 先週,同僚議員とともにオランダ,ベルギーに視察に参りましたが,世界に有名なアムステルダム市のコンセルトヘボーのコンサートホールでは,演奏会が充実しているだけでなく,常々有料で演奏しているものを毎週金曜日にはランチタイムコンサートとして,同じ指揮者で同じ演目が無料で開催されていること,更にコンサートの料金も非常に安く,市民が普段着で気軽に出入りしていること,また多くのコンサートがあり,バイオリンのコンクールなど世界からも参加されて研鑽と文化の発信の場となっていることなど見てまいりました。そしていかに市民と音楽,ライフスタイルと音楽が定着しているかと驚いた次第です。京都に新しい音楽の魅力を備え,音楽文化を文化創造都市としての主軸にされるよう望むものであります。 そのためには,第1に演奏者,第2に優れた施設,第3に聴衆の三つの要素がともに必要です。世界の一流の演奏者は,音楽を求める人の心に情熱の演奏を注ぐと言います。しかし本市は,一流の音楽の殿堂を完成されようとしている中で,クラシック音楽のファンは人口の約2割程度とも言われる聴衆についてその準備がどうなのか,また演奏者についてはどうなのかとの2点で不安を持つものです。 建都1200年記念事業の3月発表の準備状況を見ますと,記念管弦楽を作曲する記念管弦楽京都1200や記念オラトリオ音楽絵巻,音のパノラマ京都1200伝統と創生,また京響歴代指揮者リレーコンサートが示され,1200年記念事業のイベントとして盛上げが図られています。 そこで第1点として,京都市音楽芸術振興財団ができ運営に当たられる一方で,聴衆側の取組みはどのように進捗しているのでしょうか。支援組織の準備についてもどのような目標を持っておられるのか,音楽文化の定着のためにも最も重要であります。お答えください。 また第2点として,京都市コンサートホールのこけら落としは,京都にこのようなすばらしいホールができたことを世界に宣言するものであり,最初の演奏の楽団によりその品格が決まるとされています。したがってこのためにこけら落としや開館記念事業期間についても,どのような働き掛けをされているのか,現況を明示され,市民に広く期待を抱かせられるべきでありますが,この点どのようにお考えでしょうか。 以上,市長並びに関係理事者の率直なお考えをお尋ねして終わります。時間の関係上,第二質問はございません。御清聴誠にありがとうございました。(拍手) ○副議長(可児達志君) 田邊市長。 ◎市長(田邊朋之君) 中西正三議員の御質問に対してお答えいたします。 まず最初に公明党におかれましては,先般私に対しまして8月に行われます京都市長選挙に再度出馬するようにという力強い出馬要請をいただきました。またただ今は,私の4年間の市政を評価していただきましたことに対しまして,心からお礼を申し上げる次第でございます。 この4年間で一番印象に残りますものは,私が勉強してきたものを市政のうえに生かそうということで,私のリーダーシップによりまして健康都市構想を策定いたしたことでございます。社会の大きな変革の中で,物と金が中心でありました人間の生き様の中で,これでいいのかという反省が一つ出てまいりまして,人と時間,時間をどういうふうに今日的な生活の中に生かしていくかという考え方が強くなってまいりました。そういう状況の中で高齢化のこともございまして,人を主役に,健康を物差しとした本市の行政の基本を決めたわけでございますが,今後ともこの健康都市構想の事業化につきましては,職員と一体になって進めていきたいと考えております。 都市行政の経営的な感覚ということにつきましても,後の方で御質問があったわけでございますが,今朝も答えましたように,行政が先取りしていく,相馬御風の詩に,風なきときに風を知るという一節がございます。上杉鷹山の話を承りましたので,そういう意味合いで申し上げましたが,やはり後追いではなく,しかも政策決定には,直接には市会の議員の皆さん方にお世話になっておりますけれども,それに至る道程の中では市民にも参加していただく,市民と一緒に仕事をしていってですね,それが回って職員が事業を行うことによってますます自信を持っていく,こういうことが今後私に与えられた都市経営の一つの基本的な問題ではなかろうかと考えておるところでございます。 そういう状況の中で,新京都市基本計画の推進について御質問がございました。この新京都市基本計画の強力な推進は私に与えられました非常に大きな責務であると考えておりまして,去る4月1日付で新基本計画に基づく重要事務事業の企画及び実施について,私が先頭に立って審議してまいります総合調整機関といたしまして企画推進会議を持ちました。またこれに対応して各局,区におきまして企画推進市民制度を設け,受口を作りまして全庁的な推進体制を確立いたしたところでございます。 また箱書き施策につきましては,御指摘のように本市が財政的に非常に厳しい中で重要な事項を挙げております。この優先順位をどうやって決めていくかということは,これからいろいろ検討させていただきますが,やはりその際には,経済的効果あるいは財政的効果をも考えていくような準備が必要であろうと考えておるところでございます。既に申し上げておりますように,スケジュールなどを示します年次計画あるいは白書を通しまして,その進行状況あるいは進行プログラムにつきまして市民の皆さん方に明らかにしていく中で御協力賜りたいと考えております。 次に職住近接の都心再生の問題でございますが,これも新京都市基本計画における重要課題の一つとして位置付けております。昨年度から制度化してまいりました借上公共賃貸住宅の供給に積極的に取り組んでまいりますとともに,町家型共同住宅形式のコミュニティ住宅の検討など,今後とも様々な工夫をしながら都心居住を中心に据えた施策をより強力に推進してまいりたいと考えております。 また都心部におきます小規模小学校の統合による跡地の活用につきましては,昨年の5月に庁内にプロジェクトチームといたしまして統合校跡地活用対策委員会を発足させまして検討を進めておるところでございます。内容につきましては,利用の枠組みや決定の手順を基本方針として先に定め,この基準に沿って具体的な跡地の利用計画を定めるという2段階決定方式をとるのが適当ではないかと考えておりまして,現在基本方針についていろいろ検討しておるところでございますが,都心部におきます今後得難い貴重な用地でありますので,市会や市民の皆さん方の意見を十分伺いながら進めてまいりたいと考えております。 コンサートホールについてでございます。完成後のホールがクラシック音楽の殿堂として活発に利用されますためには,御指摘のように聴衆をどのようにして確保していくか,あるいは事業をどういう形で支援していくかということが非常に大きな問題になるわけでございますが,京都はもちろん関西圏の音楽ファンやら京都への観光客などからも参加してクラシック音楽を聴いていただけるような方策もこれから検討してみたいと思っております。またホール建設の進捗状況のPRや,先般設立いたしました音楽芸術振興財団の活動を通して市民の皆さん方がホールに持たれる関心について一層高めてまいりたいと考えております。 いよいよ7年の3月,6年度末には完成するような状況になってまいりまして,もう既に小ホールの円形の地下の部分なども外から十分に見ることができる状況になっておるわけでございますが,このこけら落としを含めました開館の記念事業につきましては,京都にすばらしいホールが誕生するわけでございますから,京都だけでなく広く全国的に新しいコンサートホールのPRを行いたいと考えておりまして,特にこけら落としにつきましては,平成7年の秋を予定いたしております。このこけら落としに出演していただきます交響楽団につきましては,先般入洛していただきましたシラク市長との約束によりまして,パリ市の管弦楽団を呼んでくるという状況の下で,今具体的にこけら落としの開催期間やら事業内容の点につきましていろいろ詰めておる状況でございます。 このようにコンサートホールの完成がだんだん明確になりつつある状況になっておりますので,音楽芸術振興財団とも連携して,今後,企画,内容などにつきましても十分皆さん方の御期待に沿えるようなものにしていきたいと考えております。以上でございます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○副議長(可児達志君) 暫時休憩いたします。 〔午後3時1分休憩〕 〔午後3時23分再開〕 ○副議長(可児達志君) 休憩前に引き続き,会議を行います。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○副議長(可児達志君) 休憩前の一般質問を継続いたします。 次に市政一般について,小川利治君に発言を許します。小川君。 〔小川利治議員登壇(拍手)〕 ◆(小川利治君) 先ほど同僚議員より市長選挙を間近に控えて田邊市長の基本的な姿勢などについて質問がありました。私は重複を避けますが,役所の空気にも慣れてこられた田邊市長は,技術的な市政の舵取りの域にとどまらず,内外の社会の激動の中で生命の尊厳を希求する時代の動向を深く認識され,その見識と誠実な関心のうえに判断と行動を示されることを強く期待いたします。そこに全人的な評価の大事な視点があると思うからであります。 それでは公明党市会議員団を代表して,市政一般について市長並びに関係理事者にお尋ねします。 最初に本市の情報化政策についてお尋ねします。今日,情報処理と通信技術の飛躍的な進歩を背景とした高度情報化の急速な進展は,市民生活や産業活動を根本から変革し,今後の社会を動かす中心的要因になろうとしています。国にあっても従来の情報化推進施策から大きく踏み出し,いわゆる新社会資本の整備を今後の経済投資の中心に位置付けています。本市においても高度情報化を地域の活性化に生かすための積極的な政策づくりが極めて重要な課題となってきており,また高度情報化を市民サービスの向上に活用するため,新庁舎構想における情報システムの研究をはじめ,行政事務の効率化を進めることが求められています。 高度情報化の動向を見ると,まず国の制度において同じ分野を省庁が競合しているものやインテリジェントシティ整備事業のように内容が具体的でないもの,あるいは財政措置の不十分なものなど様々な問題点があり,この抜本的な解決を求めていかなくてはなりません。各自治体においても高度情報化の導入を進めていますが,五色町の医療ICカードは成功した例であり,東京都新庁舎の情報システムは画期的な試みとして注目されています。近畿圏では,昨年スタートした神戸市のあじさいネットが先進的に地域サービス情報の一元的な提供を進めています。 本市においては,昨年7月に地域情報化基本計画の策定を見ました。その特色として,他都市にありがちな情報システムの羅列ではなく,情報や情報化社会の意義が検討され,その結果,本市の情報化の目的を都市の特性を生かしたあるべき都市像を実現していく手段として活用すべきものと位置付け,あるべき都市像として,人の暮らしが息づくまちづくり,文化,芸術,学術都市の2点だけに絞り込んでいます。更にこれを実現する具体的な方法として,標準化仕様に基づく市民に開かれたネットワーク環境を整備することとし,これを情報網洛中洛外と名付けています。更にこの情報網洛中洛外で早期に実現されるべきシステムも提言されています。また情報化社会を支える人材の育成を重点目標として定め,市民の情報リテラシーの向上など3点を指摘しています。 ところで市長は,個人として情報化にどれだけ関心をお持ちなのか,市長室にワープロや端末機が置いてあるようにはお見受けしないのでありますが,それはともかくとして,今後21世紀に至るまでの間に,まちづくりの手段としての情報化に,いかに効率的,有効的に取り組むかが都市の死命を制すると言われています。計画だけではいわば絵に描いた餅であり,明日の京都の活性化と豊かな市民生活の充実のために,今こそ本市として確固とした情報化政策を固め,その実現に取り組む必要があると考えます。具体的に幾つかの角度からお尋ねしますので,市長の明快な御所見と決意をお伺いしたいのであります。 まず情報産業の育成でありますが,今後の日本経済の中で情報産業が大きな比重を占めることになることは明らかです。また国際経済の面でも情報産業は円高に耐える分野と期待されています。本市には先端産業の本社が多く,特に近年,繊維産業の低下を補い本市の重要な産業となっています。しかしこれらの製造業でも生産拠点は全国分散の傾向が顕著であり,本市が平成3年度に市内の中核企業34社を対象に行った調査では,少なからぬ企業が京都に立地した必然性がないと言っています。またソフトウエア部門や情報サービス業も大阪や兵庫と大きな格差があります。もともと京都市は,対事業所サービスが弱い特質があり,今後,製造,サービス両面において情報産業を育成し誘致するためには,本市自身が明確な指針を持ち,それに基づいて相当の努力をする必要があると思いますがいかがお考えでしょうか。これは大学の多い京都で,卒業した若い人材の地元定着を促す課題の克服にもつながります。 次に地場産業の高度情報化でありますが,京都は伝統産業のまちであるとともに,明治以降起こった生活用品等の分野でも付加価値の高い製品を得意とした物づくりのまちでもあります。これらの地場産業に最新の高度情報化の技術を導入することによって生産性を高め,新たな付加価値を持たせていくことが今後も大都市として発展を続けるために不可欠と言えます。本市の企業は,新しい技術の導入に努力し成果を上げている企業がある一方,大部分の中小企業においては,人的,資金的余裕の少ないこともあり,行政の積極的関与が必要であります。この点どう取り組んでいくのか具体的にお示しください。 次に本題とも言える地域の魅力づくりとしての情報基盤についてであります。健康都市構想では,暮らしの舞台としての魅力に磨きを掛け,多彩な人材が集まることによって新しい産業と新しい文化を生み出すという新しい活性化の方向が示されています。現在でも,文化,芸術など豊かなストックがあり,更に様々な京都ならではの魅力的な催し物が開催されています。これらの情報が効果的に提供されるならば,都市に住む魅力は格段に向上し,外に向けて発信すれば京都ならではの観光の充実にもつながります。この点からも情報網洛中洛外の早期実現,すなわち観光情報システムや生涯学習システムの運用開始が待たれるのであります。市長の積極的なお考えを承りたいと存じます。 更に将来,新庁舎建設の際には,それと並行して情報化施策のもう一つの大きな課題である庁内業務の情報化を本格的に進めることが不可欠であると考えます。庁内業務の情報化の目的は事務生産性の向上と政策判断の最適化,それと市民サービスの向上にあります。極力機械化を進めることにより,どうしても人の対応が必要な福祉や相談業務などの充実や慢性的超過勤務の解消につながりますし,データ収集の充実,シミュレーション手法などの手軽な活用で政策判断を助ける客観的な分析が可能になります。また情報サービスによって,自宅にいながら必要なときに市政情報が得られたり,住民票などの手続や施設の利用申込みなどの利便も高まるほか,福祉の分野でもきめ細かい推進に効果的です。新庁舎建設に伴う庁内業務の情報化についての御見解を併せてお聞かせください。 ここで本市の市庁舎問題について私も触れておきたいと思います。市役所の名で市民に広く知られている現在の庁舎は,昭和初期に建設され,当時としてはモダンで大規模な建物でした。その後,昭和30年代から北庁舎が順次増築されていますが,現在では全体的に老朽化が目立つとともに,大変手狭になり,出先の事務所が方々に分散する状況で,当然職場の機能や連携に支障をもたらしています。また様々な制約の中で市民サービスの低下を招いています。 他都市にあっては,大阪市,神戸市などは,既に新たなニーズに対応するため新庁舎が建設されていますが,本市においても建都1200年の来年に新庁舎の建設構想を発表することが明らかにされています。このため平成4年6月に庁内に市庁舎整備検討委員会が設置され,どこに,どのような規模,機能のものを,いつ建てるのかという基本的な方向性について検討が進められています。 仮に必要スペースを10万平方メートルとして建築費単価を60ないし70万円とすると,概算で600億円ないし700億円の予算が必要で,本市の財政状況を考えると,これも大きな課題になります。まずどこに建てるか候補地が決まらなければ構想は具体化しませんが,現在地も含め幾つかの候補地が検討されてきたと聞いています。そしてどのような市民サービスの機能とスペースを設けるのか,またどのような設計になるのか,コンペ方式をとるのかなどについても話題に上っています。様々な要素がありますが,最も肝要なことは,構想を固め発表するのに先立って相当の時間を掛けて,議会での論議を含め幅広い市民のコンセンサスを得ることであります。 来年に構想を発表するとすれば,もうその素案を示す時期を迎えており,決して早過ぎることはありません。候補地の検討はどこまで進んでいるのか,素案をいつごろ提示するおつもりなのか,また新庁舎構想の発表に向けて今後どのように取り組んでいかれるのか,薦田助役より御答弁いただきたいのであります。これは先ほども一定の御答弁がありましたが,同じような原稿の棒読みでなく,角度を変えての御答弁,また内定していることについては,この本会議で答えるという姿勢で納得のいく答弁をお願いいたします。 次にまちづくりに関連する総合設計制度についてお尋ねします。このほど策定された新京都市基本計画を構成する柱の一つに,まちづくり審議会からの答申があります。この答申は,市長の諮問に基づき,これからの京都のまちづくりのための基本的な土地利用と景観対策に関する特に緊急を要する課題について2次にわたって提言されています。また保全と開発というこれまでの京都のまちづくりの考え方から,新たに保全,再生,創造という三つのコンセプトを基調としたまちづくりを提言する中で,規制,指導行政とともに誘導行政の推進の必要性を提唱しています。 特に第2次答申では,第1次で示された基本的な課題に対する景観面からの具体的な方策とともに,計画的な土地利用の推進方策として高度集積地区の設定と総合設計制度の運用のあり方等について具体的な提言がなされています。この答申を受けて,本市では既に凍結的保存地区の拡大,風致地区制度の見直し,市街地景観条例の改正など景観対策の具体化に向けた検討作業がスタートし,またこの答申との整合性を図りながら昨年6月の都市計画法改正を受けての地域地区の見直しの調査も始まっています。 第2次答申で,その基準,運用に関するきめ細かい提言がなされた総合設計制度についてはどうなっているのか。答申が出されて1年がたった現在,基準改正のための一定の方向性がまとめられている時期であると思います。 本市の総合設計制度は,昭和63年4月に風致地区などを適用区域から外したほか,国の基準では無制限の高さについて一定の上限を設けるなど独自の取扱要領を定めております。現在までの本市のこの制度による許可物件は,旧来の国基準によるもの6件,本市独自の要領によるもの4件でありますが,最も大きな関心を呼んだのが平成3年2月に許可された京都ホテルであります。 その京都ホテルは,現在工事が進められている最中ですが,ようやく鉄骨段階ではありますが全容を現すようになり,改めて様々な感想や意見を耳にする昨今であります。そこでこの段階での市民のいろいろな感想や意見を集約して,どのように受け止めておられるのか。佐藤助役よりまずお聞かせ願いたいのであります。 ところで京都は,日本文化の特徴の一つである木,すなわち木質文化の代表的な都市であります。そして木造建築物のまちであるがゆえに,今大規模な変化に直面しています。木はいつかは朽ちてなくなり,その時代の生活に合わせてまた更新する。それゆえに木質の都市は成長のシステムを内包していると言えます。この点,京都大学の川崎清教授は,元の都心を残しながら成長,発展するパリやロンドンのようなヨーロッパの都市とは違う成長をとるのも木質建築による独特の都市文化の型であると指摘されています。 ただ現在では,都市の造形は木だけではなく,鉄骨や鉄筋コンクリート,あるいはもっと新しい素材を使って行われており,ここに伝統や古い過去にとらわれるだけでなく,時代の変化を受け入れて将来を展望し,後世に伝える新しい伝統を創造する精神が求められていると考えます。そのうえに立って行政の役割を考えるとき,平成のまちづくりは,独り行政の公共事業だけでできるものではなく,都市を構成する重要かつ基本的な要素である建築物は,そのほとんどが民間の任意の活動によるものであり,その任意の活動に対してできるだけ多くのメニューを用意するとともに,良好な景観形成と計画的で適切な土地の有効利用の推進のための規制,誘導施策が必要であります。 残念ながら今,京都の市街地を見るとき,バブル経済が崩壊したとはいえ,古い家屋が自然的老朽期を迎える中で,特に都心部を中心として多くの建て替えが進められていますが,生活様式の変化,産業構造の変化が日々進む中で建築される建物の中にはペンシルビル,せんべいビルと称される土地利用のうえでも市街地景観上でも好ましくない建築物も少なくありません。 まちづくり審議会答申の早急な具体化が待たれるところでありますが,この中で総合設計制度については,公園緑地,広場等の公共的な空地いわゆる公開空地を計画的に確保すること等により,都市に緑と潤いのある空間を生み出し良好な景観や市街地環境の創出に寄与するものであり,保全,再生,創造を基本としためり張りのあるまちづくりを進めていくべき京都において有効であるとし,地域特性に配慮したきめ細かい京都らしい活用を図るための再整備を提言しています。この提言は,今後の具体的な活用方針と現行の基準の基本的な項目について,そのあり方を詳細に示しているものであり,行政としてこの答申に沿った基準の策定を早急にまとめるべきであると思います。まだ発表できる段階に至っていないのであれば,新基準はいつごろになるのか,その予定を含め佐藤助役より御見解をお示しください。なお私は,この制度の運用については,個々の建物だけでなく一固まりのブロックも対象にすべきであると付言しておきます。 最後に文化施策でありますが,新京都市基本計画の答申文は,平成の京づくり,文化首都の中核をめざしてを基本テーマにし,京都が再び我が国の文化の復興や推進の中心的な担い手になろうと努めることは最も時宜にかなったことではなかろうか。私たちは,この際あえて文化首都の中核たろうとする京都の決意を表明すべきであると考えると明記しています。そして具体的な施策の一つに,今後の京都の文化,芸術の方向付けとその実現に向けての指針として総合的な文化行政の指針の策定を挙げています。 もとより文化,芸術活動は,本来個々の自発的な創意に基づく活動であり,行政がみだりに介入すべきものではありませんが,生涯学習の機運とともにそのニーズや関心が高まり,場と機会の拡充や担い手の育成など行政の役割への積極的な対応が求められています。その中で総合的な文化行政の指針の策定は,多くのハードルがあると思いますが避けて通れない課題であります。今後どのように進めていかれるのか,薦田助役よりお考えをお聞かせください。 次にいわゆるふるさと創生事業としてスタートした芸術祭典・京は,新しい創造的な試みに対して支援などを行い,文化,芸術活動の活性化を目指すものでありますが,その後,財源措置の変更などにより来年度からは単費を充当する必要に迫られています。内容の検討は当然しなくてはなりませんが,ここでやめるようなことになれば文化首都の看板が泣きます。来年度以降も存続させ,更に充実,発展を目指されるよう強く要望しておきます。 最後に地元の問題ですが,昨年末に区民待望の右京文化会館の用地取得ができました。地域文化会館構想の一番最後になり,また区内に市の文化施設が皆無の実情から,マンモス区にふさわしい立派な会館を一日も早く建設して欲しいと要望の声が高まっていますが,その建設計画の詳しい内容を局長よりお聞かせください。 また,ここは1万6000平方メートル余の広い用地であり,先般の委員会質疑の中で,文化会館と併せて地域体育館,児童公園,そして駐車場の整備を要望したところでありますが,その見通しについても併せてお聞かせください。 以上で私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○副議長(可児達志君) 田邊市長。 ◎市長(田邊朋之君) 小川議員の御質問にお答えいたします。 まず情報産業の育成でございますが,このほど策定いたしました新京都市基本計画におきましては,21世紀に向けて生き生きとした活力あふれるまちづくりを進めていくことを基本にいたしており,このためには産業の振興が不可欠になってまいります。そういう状況の中で,物づくりのまち京都の産業振興の具体的な方策を示すために,今年度から2箇年で京都市産業振興ビジョンを策定することにいたしております。この中で産業活動の高度化に寄与する情報産業につきまして,情報処理技術者の養成や情報ネットワークシステムの充実など,その育成について検討してまいりたいと考えております。 次に中小企業に対します情報化をはじめとする新しい技術の導入の問題でありますが,本市におきましては,技術,情報の高度化の進展に対応するために,これまでから工業試験場,染織試験場,また高度技術研究所などを通じまして,中小企業に対する技術指導,情報提供,人材育成などを行ってまいりました。また資金導入につきましては,技術開発融資などを利用していただいておるところでございます。今後におきましても業界ニーズの把握に努めまして,本市の試験研究機関などを通じて高度な新しい技術に対応できる中小企業の人材育成や技術開発力の向上などに積極的に取り組んでまいります。 次に情報網洛中洛外について御質問いただきました。私どもが快適で便利な,しかも人と人とのつながりを大切にした魅力あるまちづくりを進めていくためには,総合的に地域情報化に取り組んでいくことが非常に重要になってまいりました。このために各種の情報通信システムを京都市全域で一体的にネットワーク化していくことが必要でございまして,我が国で初めて開かれた情報システムであります情報網洛中洛外の構築を今進めるておるところでございまして,その基本的な部分については,今年度中に設計を完了いたしまして,6年度中には実用実験を開始する予定にいたしております。 そのシステムにつきましては,先ほども御質問の中でございましたように,観光客の多様化するニーズにこたえて観光文化情報を提供いたします観光文化情報システム,また多様な生涯学習への意欲に対応いたしまして活動の場の情報,講座情報などを発信する生涯学習情報ネットワークシステムの二つのシステムを早急に整備していきたいと考えております。 また庁内業務の情報化の推進でございますが,今日,御存じのように住民基本台帳の写しでございますとか,あるいは印鑑登録事務及び税務事務オンラインシステムをそれぞれ稼働させておりまして,引き続きまして国民健康保険システムの開発を進めておるところでございます。 新庁舎につきましては,庁内業務の情報化を更に進めていくことを想定した仕様を考えておりまして,財務会計,行政情報管理システムなどを構築いたしまして施策の立案,推進に情報を活用してまいりたいと考えております。また市民の皆さん方に必要な情報をタイムリーに提供できるように,今,情報網洛中洛外構築の取組のお話をさせていただきましたが,これと連携をとりながら行政情報の整備を進めてまいりたいと考えております。以上でございます。 ○副議長(可児達志君) 薦田助役。 ◎助役(薦田守弘君) まず市役所新庁舎の建設についてでございます。御指摘のとおり,新庁舎構想を発表いたしますためには,これに先立って幅広い市民のコンセンサスづくりが必要であると考えております。まず市民代表としての市会の皆様方からいろいろな御意見をお聞かせ願いまして,また市民の意見を聴取する何らかの取組についても検討を行ってまいりたいと考えているわけでございます。 建設候補地の問題をはじめ新庁舎の機能,規模など新庁舎建設に関する基本的事項につきましては,昨年6月から午前中も申し上げました市内部の検討組織であります市庁舎の整備検討委員会を作って検討を行ってまいったところでございます。この結果につきましては,近く開催されます財政総務委員会の場で御報告させていただきたいということで準備を進めておりますので御理解いただきたいと存じます。 次に総合的な文化行政の指針の策定についてでございます。昭和53年に行いました世界文化自由都市宣言の理念を実現すべく,これまでから文化・芸術の活性化につながる各種の施策を実施してまいりました。しかしながら21世紀を展望いたしましたとき,本市を特徴付けております文化都市としての京都,この京都を発展させる方策を推進していかなければならないと考えているわけでございます。そのためには御指摘のとおり長期的,総合的な文化行政を推進していくための指針が必要であると思っております。先般策定いたしました新京都市基本計画の中にも,今後の方向付けとその実現に向けた文化・芸術振興計画の策定というのを掲げているわけでございます。今後,幅広く関係者の御意見を伺うなど,この計画の策定に向けた取組を進めてまいりたいと考えております。以上でございます。 ○副議長(可児達志君) 佐藤助役。 ◎助役(佐藤達三君) まず総合設計制度の関係で京都ホテルについてのお話がございましたが,現在,京都ホテルにつきましては,良好な建築計画となるよう各種のシミュレーションなどによりまして様々な角度から検証を行ってまいりました。現在の状況につきましては,特に改めて市民の御意見は取りまとめてはおりませんけれども,昨今かなり多くの方々から,これまで抱いていたイメージと相違いたしまして,ゆとりの空間を感じさせる景観が生まれそうだとの感想を聞かせていただいております。今後工事が進捗し,建築物のデザインや公開空地の整備状況が具体的に明らかになってまいりますと,計画どおりの新しい現代都市景観を見ていただけるものと確信いたしております。 次に総合設計制度の新しい基準につきましては,現在,本市独自の基準に基づき,京都らしいきめ細かな運用に努めてきているところでございます。御指摘のとおりまちづくり審議会におきましては,今後の京都のまちづくりにおける有効な手法として更に積極的な活用を図るため,基準の拡充,整備を行うよう御提言いただきました。本市といたしましては,この提言はもとより,新京都市基本計画にうたわれております保全・再生・創造を基調とするまちづくりの理念に沿った充実を図るために,現行の取扱要領について種々検討を行ってきているところでございます。今後,できるだけ早い時期に技術的な基準の整備を行い,遅くとも本年中には御報告できるよう努力してまいりたいと考えております。 ○副議長(可児達志君) 松村文化観光局長。 ◎文化観光局長(松村哲治君) 右京地域の文化会館の建設でございますが,御案内のとおり建設用地につきましては,昨年末に話がまとまりまして本年1月,土地開発公社において先行取得したところでございます。当該建設用地につきましては,土地面積が広大でございますから,文化会館のほかに土地の有効利用を図るため,地域体育館,駐車場,道路等の設置も含めまして全体の土地利用計画を策定しているところでございます。今後,建設計画の具体化に向けまして,御要望の趣旨も踏まえながら関係部局とも協議を行い取組を進めてまいりたいと考えております。以上でございます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○副議長(可児達志君) 進行いたします。 次に市政一般について,西田輝雄君に発言を許します。西田君。 〔西田輝雄議員登壇(拍手)〕 ◆(西田輝雄君) 私は,社会党市会議員団を代表しまして,田邊市長に対し,京都市政における今後の基本的な方針について数点にわたって質問するものであります。 なくて七癖という言葉がありますが,私にも数多くの性癖があります。その中の最も特徴的なものを幾つか御紹介したいと思うのですが,まず飛行機に乗らないことが大好きであるということ,その次に地球儀を見ることが大好きであるということであります。この二つの性癖は,相対的に関連を持っているものだと思いますが,いずれにしましても,刻々と変貌する昨今の世界情勢は,私の性癖にとって全く困った影響を与えてくれているのであります。 飛行機云々の問題については,ほかの人々に迷惑を及ぼさない範囲において自らが取捨選択できる条件が与えられておりますが,地球儀を見る場合にはそうはうまく事は運びません。 第2次世界大戦が終焉を告げると同時に,アメリカ,ソビエトを対極とする冷戦構造の体制が半世紀近くにわたって世界の動向を決定付けていたことは御承知のとおりであります。そして東ドイツ市民の相次ぐ脱出に業を煮やしたソビエトは,ついに1961年,スパイ活動防止の名目でもって東西ベルリンの間,総延長156キロにも及ぶあの有名なベルリンの壁を築き上げたのであります。本席にもベルリンの壁の石を手に入れられた方も中にはおありだろうと思いますけれども,私も大事にとっております。 よかれあしかれこの半世紀ほどの間は,地球儀の彩りはおおむね固定化しており,世界の動きを識別するのにさほど苦労しなくても済んでいました。ところがノーメンクラトゥーラ,赤い貴族,の解体やグラスノスチ,公開制,ペレストロイカ,改革などに見られるソ連のゴルバチョフ大統領などによる新しい政治思考は,まさしく全世界を揺るがすような変革への原動力となり,大きな潮流を生み出してきたのであります。 1988年,PLOによるイスラエルとの共存路線としてパレスチナ国家が樹立することが宣言されました。更に1989年,先ほど申し上げました冷戦構造の象徴としての役割を担わされていたベルリンの壁が劇的な崩壊を遂げ,東西ドイツの統一が実現したことは,今なお生々しく私たちの記憶に新しいところであります。次いで1989年,ルーマニアのチャウシェスク政権,わずか1週間の民衆の決起によって崩壊し,国外逃亡を図った大統領夫妻は非公開の特別軍事法廷で死刑を宣告され,直ちに処刑されました。 〔可児副議長退席,川中議長着席〕
    ◆(西田輝雄君) (続)ポーランドでは1990年,労働組合連帯のワレサ委員長が大統領に選出されました。 1991年,中東では湾岸戦争が勃発。ちなみにイラクの大統領は,外でも内でも強硬路線をとるばかりのために,我が国では,フセイン亭主という言葉がはやり言葉となりましたが,この湾岸戦争での我が国の対応に関しまして,いわゆる金は出しても血は流さないという批判的な国際世論が強くなったとして,国際貢献をめぐるあり方についての議論が澎湃として起こってまいりました。 更にこの8月,共産党の守旧派の元老たちが非常事態国家委員会を結成,ゴルバチョフ大統領を軟禁,クーデターを起こそうとして失敗,結局ゴルバチョフ書記長の辞任,共産党の解体,エリツィン体制の誕生,ひいては連邦内の共和国の離反,ほかの各国における少数民族の独立に対する志向や意欲に大きなインパクトを与える結果となったのであります。 モザイク国家と呼ばれるユーゴスラビア連邦は,ボスニア・ヘルツェゴビナにおける内戦の激化という形で,今や史上最も危険な取材地と言われるぐらい,その不幸な状況が典型的に展開されています。 先年バルセロナにおきまして,市長は第3回世界歴史都市会議を主催都市の一員として開催されたのですが,その時点で既にこのユーゴでの内戦は勃発していたのであります。早速,要員を派遣し,姉妹都市ザグレブの市長を招聘された結果,現地におきまして,ささやかな盟約10周年記念の会合が持たれました。そして少なくとも歴史都市会議に参加した人々には,直接,間接に平和への訴えがなされたわけであります。 丁度同じスペインの首都マドリードでは中東和平会議が開催されており,国家間の紛争として何らかの影響があるのではないかと危惧された人々もあったようですが,無事事なきを得て,いささかなりとも本市の平和を希求する願いが伝えられたように思います。しかしながら今,私は,大好きな地球儀を見る度に姉妹都市であるザグレブの存在するユーゴスラビアについてさえ,どのように色を付けたらいいのか,全く見当も付けられない状態であります。 もちろん言うまでもなく現在,我が国をもその渦中に巻き込んでいるカンボジア問題も同じように考える必要があると思います。PKO協力法案の成立をめぐる国会での激論は,私どものとった牛歩戦術などを含めて,まさに国民の耳目をテレビの前に集めたものでありますが,自衛隊のPKF本体への参加凍結という前提の下に3党合意による修正案が可決されました。しかしながら,その成立の時点において既に危惧されていたことではありますが,本年になってカンボジアの政治情勢は更に悪化の一途をたどりつつ,ついには一連の殺傷事件が発生する事態となりました。 停戦合意を前提とした派遣のための5原則は完全に崩れ去ったものであると考えられるはずですが,政府は一貫して,これらの殺傷事件については,小規模で単発的な停戦違反であると言明しています。国家公安委員長である自治大臣が現地での文民警察官たちと面談された際,これは戦争そのもの,あと何人死ねば撤退できるのか,そういう設問を受けたとの報道を聞いておりますが,選挙が終わらない限り,政府の対応は変えられないということであります。 御承知のように,国家には国益と軍事力がいや応なくその背後に付いて回るため,国と国との交流を下手に行った場合,ややもすると国家間の紛争を生じかねない事態となりますが,都市と都市との交流は,まさしく市民と市民の交流であります。都市すなわち自治体と自治体,市民と市民の交流をもって平和を求める草の根を地球上に張り巡らせるのではないでしょうか。市長,あなたは,この点についてどのようにお考えになっていますか,お答えください。 戦後我が国は,朝鮮戦争での特需景気をはじめとする他国の参戦による受注などをてこにして,生産至上主義の下,いわゆる経済大国を自認するまでに急成長を成し遂げてまいりました。今日,我が国の国民総生産は常に世界の上位を占め,海外への経済協力は国際的にも群を抜くようになっています。しかし結果として,残念なことには,そのこと自身が金は出しても汗や血を流さないと言われる原因になっているように思えてならないのであります。 先般,PKO協力法案をめぐって論議がなされた際,護憲か改憲かという発想での憲法改正についての問題が大きな焦点となりました。しかし,私は少なくともそうした議論は,あくまでも憲法の条項に対する解釈をめぐっての論争であって,憲法全体に流れている恒久平和を求める精神については,何人も異存のないところであると理解しているのですが,市長はどのように考えておられるでしょうか,お答えください。 ちなみに本市会事務局発刊の市政のあらまし巻末には,1957年の平和都市宣言,1978年の世界文化自由都市宣言,そして1983年の非核,平和都市宣言などの全文が記載されております。そしてそれらのいずれにも共通してうたい上げられている点は,世界の恒久平和を求める理想の実現であり,それらは憲法の精神と全く変わりがありません。市長は,本市の求めるべき理想の都市像としての世界文化自由都市宣言などこの一連の宣言の持つ意義について十分に理解されていることとは思いますが,その精神を今後の京都市政にどのように生かしていかれるのか,改めてお尋ねいたしたいと思います。 次に1994年,すなわち平成6年4月に開催される予定の第4回世界歴史都市会議について若干お尋ねいたしたいと思います。この世界歴史都市会議なるものは,世界各国の中で一定の歴史と人口を有し,世界史の舞台においてそれなりに重要な役割を果たしてきた数々の歴史都市が一堂に会する国際的な会議でありますが,第4回目をこの京都市で迎えるに際し,改めてその位置付けと意図されているところについて御説明願いたいと思います。 そのための第1回企画委員会が昨年4月開催され,基本理念としては,21世紀の人類の進歩と平和に向けて歴史都市の果たすべき文明的役割と歴史都市会議の新たな都市間交流のあり方を探ることを主要な課題として引き続き検討するものと聞き及んでおりますが,この企画委員会のその後の経過をお聞かせいただきたい。 この機会に,主催都市としては,冒頭より申し述べましたように目まぐるしく変貌する国際情勢の中で,それぞれの歴史都市が担う役割を最大限に尊重し合い,特に本市は我が国の憲法の精神,更には本市の世界文化自由都市宣言などで希求する世界の恒久平和を求めるための問題提起をされ,都市間での論議を深めたうえで京都宣言につながれてはどうかと思いますが,市長の御所見をお伺いしたいと思います。 またヨーロッパ諸国の多くの市長は,我が国の市長と違ってその大半がいわゆる議院内閣制をとっており,市民が市長を直接選び出す大統領制での市長ではありません。しかしながら,それほど中央集権の拘束力の強くないヨーロッパの市長たちは,そうした制度的な違いのために,自らの信念や所信を比較的自由に発言されているように思いますが,市長はどのように感じておられるのか,率直な御意見を伺いたいと思います。 そして今回の世界歴史都市会議では,議会やより多くの市民や,更には各界の人々の参加,参画を一体どのように期待しておられるのか,お尋ねいたしたいと思います。 次にいささか次元の違う位置付けではないかとの疑問もあるとは思いますが,忌憚のない意見を聞かせていただきたいと思います。 本市には,小京都と呼ばれる自治体の参加している全国京都会議なるものの事務局が京都市観光協会に設置されております。この全国京都会議の目的としては,全国各地に所在する京都ゆかりの市や町が提携し,広域観光キャンペーンを実施して,各自治体のイメージアップと観光客の増加を図ることとされていますが,本市の持つ歴史都市としての意義を考えるとき,せっかくのこの会議を単に観光都市のネットワークとしての役割に終わらせてしまうだけでは全く能のない話だと思います。時まさに今,来年は建都1200年記念を迎えて,更に世界歴史都市会議を開催する年でもあります。京都ゆかりの各自治体にも呼び掛けて,建都1200年記念事業への参加を求めるだけでなく,第4回世界歴史都市会議への参画をも提唱して,ともに本市の掲げる21世紀へ向かう理想への歩みに同調していただいてはいかがなものでありましょうか。 さてバブルの崩壊によって,この間続いてきた景気は予想もできなかったくらい急速に減速して,我が国の経済は今や複合不況と呼ばれる状況にあります。政府は,この不況に対応するため,昨年3月,公共投資の前倒しを内容とする緊急経済対策,続いて8月,10兆7000億円の総合経済対策を講じたのでありますが,後半に立ち至っても,なお日本経済は引き続き低迷しており,資産価値の下落もあって更に厳しい状況に直面したまま一向に景気回復の兆しは見えずに今日まで推移してまいりました。このため93年度も相変わらず税収難による歳入不足となって,昨年末,自治,大蔵大臣折衝で決着を見ましたように,結局,政府の地方財政対策は,地方交付税の特例減額を許すなど地方に負担を強いるものとなったのであります。 いわば93年度の地方財政対策の焦点は,歳入難に悩む国が予算の編成に当たっていかに地方に負担を転嫁することができるかという点にあったと思うのであります。しかしながら,バブル経済の破綻に端を発した複合不況の深刻化から,地方においても法人関係を中心に税収難は募っており,いずれの自治体においても基金の取崩しや減収補填債の発行が増加している一方,経済対策の面では,単独事業の拡大,公共用地の先行取得,地域経済の振興など,その役割の重要なことは,本市においても各位の御承知のとおりであります。 昭和38年,すなわち1963年12月,当時の政令指定都市6都市の市長及び議長が連名でもって,国の予算編成に当たって大都市財政の現状と財源の拡充強化についての要望を提出いたしました。その内容は,まず税制の改正であり,次いで起債財源の確保,そして地方交付税の算定方法の改善,更に国庫補助金の整理とともに道路,都市計画,港湾,下水,災害対策,国保事業などの補助率の引上げなどであり,爾来30年を経た現在,平成5年度における国の予算編成に当たっての大都市財政の実態に即応する財源の拡充についての要望を比較してみますと,何と,変わった点があるとするならば,そのタイトルに若干の変化があること,そして要望する側の政令指定都市の数が倍になったことであり,内容はといえば,30年たった今もなお全く変わりがないということは一体何を意味しているのでありましょうか。御高見をお聞かせいただきたいと思います。 もっともほぼ唯一の成果と言ってもいいわけですけれども,昭和47年度より新たに要望項目に繰り入れられた事業所税が,本市においては平成3年度,約65億円の収入となっており,念のため付け加えておきたいと思います。 次に地方分権の確立について御意見を伺いたいと思います。先般の予算市会におきまして,同僚の梅林議員から,自治,分権,参加の視点から,憲法及び地方自治法に基づきながら地方分権推進法制定の必要性が力説されたところでありますが,過度に肥大化した傾向の見られる中央集権体制を改革して地方分権の推進を求める意見書が共産党議員団を除く4会派の賛成によって採択されました。 新聞報道によれば,たしか一昨日,自民党の政令指定都市議会議員連盟として,党本部に対して地方分権の早期実現を求める要望書が提出されたとのことでありますが,政権党に所属する同僚議員の仲間からも地方分権を求めて強い行動に出られたことは誠に心強く感じている次第であります。 また新聞報道によれば,田邊市長は明日,21世紀の視点と題するディスカッションに出雲市の岩國市長と対談されるようでありますが,この岩國市長は,ある著書の中で,むしろ地方分権ではなく,それは地方主権であると述べておられます。更に出雲市長曰く,地方の時代とは,地方単独の問題ではなく,その裏には自己変革のできない中央の問題も付着しており,地方の活性化は,中央すなわち東京のスリム化と同一平面上で論じられなければならないし,住民というお客さんに一番身近に接触する市町村行政こそ,まさに末端ではなく先端行政であると主張されているのであります。 昔,お上りさんといえば,京都へ来る人々のことでありましたが,今,JRの時刻表を御覧になっていただいても,まさしく東京の一極集中が象徴されているように思います。今,新しい地方の時代へ向けて四つの追い風が吹いていると言われますが,まず第1の風,それは一極集中に対する国民的な批判の高まりであり,2番目の風は,土地の高騰と人口の過密によってもう東京が立ち行かなくなってしまったこと,三つ目の風は,情報化の進展であり,第4の風は,日本人の価値観の変容であるとのことであります。この四つの風を生かさない手はありません。国が変わらなくても地方が変わります。一つ一つの地方が変わって,その変化のうねりが東京を包囲する,そういう時代がようやくやってきたのだろうと思います。また国際交流のあり方についても,草の根交流を主張されています。地方には,たとえお金がなくても豊かな心があり,人の心がお金で買えないのと同じように,国と国との友情もお金で買うことができないからであります。 何となく,このように思い切った発言をする出雲の岩國市長と,人が主役であるとされた田邊市長との対話には,まさしく興味が抱かれてなりません。出雲から京都へ,京都から出雲へと大いなるエールの交換を行っていただきたいと思います。 ところで昨年3月,政府の緊急経済対策を受けまして,本市では京都市経済対策連絡会議を設置されましたが,その要綱の第1条には,公共事業の施行促進を図るとともに,景気の動向に対応した機動的な措置を講ずるために設置されたとしてあります。閣議決定による景気浮揚策としての公共事業の前倒しでありますが,昨年度の実績,これは予算の上半期での施行目標を75.2パーセントとして,結果は75.02パーセントとなりました。本年度も同様の目標値でもって執行されつつあるようでありますが,この公共事業の効果を見つめてみますと,それはあたかもボクシングで言うボディブローのように,徐々に徐々に時間を掛けなければ,その効果は明らかになってくるものではありません。 公共事業による効果を大別しますと,おおむね次の四つに分けられるようであります。第1,公共事業の効果としては,当然のこととして社会資本のストックとして直接住民に還元されますが,その規模などについては,財政状況,経済状況を十分に勘案する必要があります。第2,公共事業の経済的効果について,GNPに対する寄与度があって,好景気のときには公共事業費を抑制,そして今回のように不景気のときには大きく増額し景気対策として活用されるのであります。第3,公共事業の中身の経済効果については,従来型の土木事業主体の公共投資よりも,新社会資本,生活関連投資の方が生産誘発額においても,また速効性においてもその効果が上がるようであります。第4,零細,中小企業への波及効果として,大型の公共事業よりも住宅に重点を置くとするならば,住宅1戸の建設について36の業種が入るものと考えられております。こうした考え方から一刻も早く景気回復を軌道に乗せるために,まず公共事業の前倒しを行い,年度の当初から切れ目のない執行を確保する必要があるとされているのであります。 昨年設置されました京都市経済対策連絡会議による主要な対策の実施状況を見てみますと,中小企業対策としては,そのほとんどが分野別の融資に関連しての対応策であります。しかしながら一方で,この数年間の京都市内における倒産件数を考えると,それぞれ負債総額1000万円以上のものだけで,製造業では平成2年に17件,3年には33件,4年度には54件と増加,卸売業では平成2年に29件,3年には74件,4年度には92件とうなぎ登りに増加,建設業においても2年に26件,3年には42件,平成4年度には51件に達している状況にあるわけです。私の周辺でも,比較的不況に強い体質であった業種なのですが,もう数か月先には全く発注がなくなってしまう企業も出てまいっております。 今回提案されました市長専決の契約額の引上げについても,議決権に抵触するとの疑念をお持ちの方々もかなり多くあったようでありますが,景気浮揚施策の一つとして容認せざるを得なかったのも事実だと思います。そこで1点お尋ねいたしたいと思いますが,平成元年度より施行されました伝統産業体質改善のための特別融資や,先般要請のあった西陣織工業組合への今後の対応はどのようになされるおつもりなのかお答えいただきたいと思います。 次に京都市の都市の理想像として描かれた世界文化自由都市宣言を上位概念とし,その宣言に基づいて1979年に出されました第1次提言の具体化されたものとして健康都市構想や新京都市基本計画などが策定されましたが,その後どのように進展を見てきたのか,いま一度改めてお聞かせいただきたいと思います。第1に,新しいまちづくりの構想,2,世界文化自由都市と国際交流,3,日本文化研究所の創設,4,市民劇場の建設,こうした個々の提案がどのように実施され,あるいは積み残され,更には変更されていったのか具体的にお答えいただきたいと思います。 また第2次提言案の扱いは現在どのようになっているのか明確にお答えいただきたいと思います。その1は,森林都市文化研究センターの創設,第2,京都市歴史博物館の建設,3,メディテーションセンターの創設,4,仮称でありますが,世界文化自由都市連盟の形成,特にこの場合,世界歴史都市会議の開催日程も決まっている状況の中で,行政の専門家や技術者のみならず,市民や議会の参加,参画を考えるとするならば,なおさらそのための準備が要請されるはずであります。建都1200年記念事業の分野であるとか,歴史都市会議の所管だとか,活性化推進室での課題であるとか,それぞれのセクションのみにこだわっていては市民が主役になっているとは到底考えられません。どうか行政の皆さんも真摯に考えていただきたいと思います。 私どもは,既に先の市議会において提出されました予算案の内容を田邊市長の再出馬の意思表明と受け止めて,自治,分権,参加の立場に立って慎重に審議に臨み,結果として推薦を決定したところであります。十分健康に御留意のうえ,更に市民のため,市政発展のために御奮闘願いたいと思います。 最後に私のささやかに主宰しております異業種協同組合,これは京洛商工繁栄会と申しますが,その協同組合に変わることなく御参画賜って,心より敬愛しております一組合員の奥さん,奈良本千枝さんの湾岸戦争が勃発した当時に詠まれた歌一首を皆さんに御紹介して,私の質問の結語とさせていただきます。   それぞれに尤もらしき理屈のべおろかなる人間の戦さはじまる 御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(川中増次郎君) 田邊市長。 ◎市長(田邊朋之君) それでは西田議員の御質問に対してお答えしたいと思います。 ただ今は,本年度の予算を提示いたしました内容にかんがみて,田邊はまた続投するんだなという状況の中から,私をこの度行われます市長選挙に推挙したというお話をいただきました。誠にありがとうございました。 今,地方自治の拡大による地域住民の生活の向上が非常に大事であるという御指摘を再度いただいたわけでございますが,権限の移譲でございますとか自主財源の確保,こういうことは基本的な問題でございますし,東京一極集中による多くの問題は,この際,私どもが新しい情報を起こすことによって大きな変化を起こす必要があると考えております。 まず恒久平和を求める精神についてでございますけれども,今御指摘のように国際化が進展いたしてまいりまして,国と国との交流から都市と都市との交流,あるいは人と人との交流,いわゆる草の根交流という状況に大きく変化してきたと思います。そういう意味合いにおきまして,本市が平成元年の秋にオープンいたしました京都国際交流会館が今日京都市民のみならず外国からの遠来の方,また国内に居住しておられます外国人の方にも広く利用されましたり,また向島におきます外国人と一緒に生活する学生センターの状況につきましても,非常に大きな意味を持っておると理解いたしておるところでございます。 そういう状況の中で,来年は私ども第4回目の世界歴史都市会議を開催するわけでございますが,ただ単に歴史都市の交流にとどまらず,当初おっしゃいました恒久平和を願う,そういうことを議論する世界文化自由都市連盟の考え方が非常に重要な構想となってくるものであろうと思います。今後出席者の皆さん方と,この問題についても忌憚のない意見を交換いたしまして,国際社会づくりに貢献していきたいと考えております。あえて申しますと,この恒久平和の精神というのは,極めて重要な崇高な精神であると理解いたしております。 次に本市の求めるべき理想の都市像でございますけれども,既に高山さんの時代の平和都市宣言,また今日私ども行政を進めていきますうえで規範になっております世界文化自由都市宣言などは,いずれも平和を求める京都市民の強い願いが込められたものだと思っておりまして,特に世界文化自由都市宣言につきましては,今回の新京都市基本計画の一番基本的な精神としてとらまえておりまして,文化首都の中核となろうという形でこの精神が更に再現されておるわけでございます。こういう理念で策定いたしました新基本計画を推進することによりまして,宣言が目指しております都市の理想の姿を着実に実現してまいりたいと考えておるところでございます。 第4回目の世界歴史都市会議は,既に3回経験してまいりまして,21世紀に向けて歴史都市が果たすべき役割と方策を探る本市の理念がですね,今回4回目という形になったわけでございます。この前のバルセロナにおきましても,今後永続してやるべき国際会議であるという考え方が基本にあるわけでございますが,もう一度,始められた京都で,この歴史都市会議というものを考えてみようという状況になりまして,明年本市で4回目を開催するわけでございます。時あたかも平安建都1200年の年を迎えるという状況になっておりますので,本市が世界文化自由都市宣言の趣旨を具体化する多くの重要なイベントと併せて,ひとつ京都の第4回目の大会を成功させていきたいと考えておるところでございます。 またこの世界歴史都市会議には,50を超える都市に今招請状を送っておりますが,できるだけ多くの都市に参加していただいたらどうかという御意見もございました。小京都と言われますような国内の京都と関係のある市でございますとか,あるいは政令指定都市ですとか,更に市民,議会という形の皆さん方に御出席いただくとすれば,それらしい運営の方法もあるということでございまして,今後そのような方向で検討させていただきたいと考えておるところでございます。 またヨーロッパの各都市の市長の選び方と京都市の市長の選挙方法は違うということを教えていただいたわけでございますけれども,いずれにいたしましてもその都市を代表する人間であることは間違いないのでございますから,忌憚のない意見をお互いに交換していくことが大事なところでございます。私,国際会議の経験というのは第3回バルセロナの会議が初めてでございますけれども,気持ちよくいろんな発言ができたと理解いたしておるわけでございますので,4回目の京都での歴史都市会議におきましても,そういう雰囲気を作っていかなくてはいかぬ,取りまとめの方向につきましても,自由な意見が述べられるような方向に取りまとめていきたいと考えておるところでございます。 最後に昭和38年の政令指定都市6都市の市長及び議長が連名をもって,国の予算編成に当たって大都市財政の現状と財源の拡充強化について要望を提出した内容と,今日,私どもがやっております内容が多少タイトルが違うぐらいだという御意見でございましたけれども,当初申し上げましたように,今それぞれの自治体がそれぞれのまちのストックを大事にしていく,市民の暮らしの舞台に磨きを掛けることによって,そのまちの特性を出しながら人の集まるにぎわいを起こして,そこに新しい産業の発展を見出していこうと非常に特徴のあるまちづくりをやっていくようになってまいりましたので,大都市の税財源の拡充でございますとか権限の移譲でございますとか,これは非常に大事なことでございますので,今後とも京都市独自,あるいは大都市と一緒に国の方に対してこういう問題の拡充について運動を強力に進めていきたいと考えておるところでございます。 成果といたしましては,今も事業所税のお話がございましたが,利子割交付金などにつきましても前進を見たという事務局の説明を聞いておるわけでございますが,基本的には国,地方を通ずる税源の配分の是正が非常に重要であると理解いたしております。以上でございます。 ○議長(川中増次郎君) 薦田助役。 ◎助役(薦田守弘君) まず西陣業界の融資等の対応についてでありますけれども,伝統産業における経営体質の改善を図るために,昭和63年度から伝統産業体質改善融資などのほか,更にその後,西陣業界に対しては数度にわたり緊急特別融資を実施してきたところでございます。しかしながら,今日業界を取り巻く経営環境は依然として大変厳しい状況にあるのが現実でございます。このため直面する融資を含む事業経営上の諸問題につきましては,経営相談の特別窓口を開設いたしております中小企業指導所におきまして,その実情を聴かせていただく中で弾力的に対応してまいりたいと考えております。 次に世界文化自由都市宣言に基づく提案の取組状況についての御質問でございます。前回の提案につきまして,まず日本文化研究所につきましては,昭和62年に日本文化を国際的な視野に立って,学際的,総合的に研究する大学の共同利用機関として国際日本文化研究センターが開設を見ました。 次に国際交流につきましては,62年に世界歴史都市の市長が京都で一堂に会する世界歴史都市会議を創設し,その後フィレンツェ,バルセロナと回を重ね,来年4月には再び京都で歴史都市の英知を求めてというテーマの下に会議を開催することにいたしております。またこの間,平成元年9月には,市民レベルの国際交流の拠点施設として京都市国際交流会館を建設いたしました。 更に市民劇場につきましては,小委員会でコンサートホールが必要であるという提言をいただき,平成6年度の竣工に向けて現在建設中でございます。また新しいまちづくりにつきましては,世界文化自由都市にふさわしい優れた市街地景観の創造,あるいは潤いのある道路,広場づくりなどに取り組んでいるところでございます。 次にこの世界文化自由都市宣言の推進のための第2次提案についてでございます。ただ今申し上げましたように昭和55年の提案につきましては,その多くが実現あるいは見通しを得るに至っている中で,この宣言に掲げられております高邁な理念をより高い次元で実現していきますためには,これまでの取組を踏まえながら更に新しい発想に立って戦略的に施策,事業を打ち出し,それを推進していかなければならないと考えているわけでございます。こうしたことから京都市世界文化自由都市推進委員会の下に検討委員会を設置し御論議いただいているところでございます。ただ今御指摘の検討事業案につきましては,その論議の過程の中でのたたき台として出されものでございまして,今後,更に様々な見地から検討を加え,この年度内には第2次の提案として御提出いただきたいと考えているものでございます。以上でございます。 ○議長(川中増次郎君) 佐藤助役。 ◎助役(佐藤達三君) 第4回世界歴史都市会議の企画委員会についてでございますけれども,これは会議の基本理念,招請都市,テーマあるいは運営方法などについて学識経験者の助言,協力を得るために設置いたしましたものでございます。第1回委員会は平成4年10月6日,そして第2回委員会は本年1月14日に開催いたしまして,更に4月22日に第3回委員会を開催いたしまして,第2回目の公式招請状の内容となる会議日程,あるいはセッションテーマの具体例や今後の会議準備作業などについて詳細な御検討をいただいております。今後とも必要に応じて委員会の御意見を賜りながら,順次準備を進めてまいりますが,その際には,御提言ございました内容を含めまして更に検討を重ねてまいります。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~議長(川中増次郎君) 午後5時が迫っておりますが,この場合,あらかじめ会議時間を延長いたします。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~議長(川中増次郎君) 進行いたします。 次に市政一般について,富きくお君に発言を許します。富君。 〔富きくお議員登壇(拍手)〕 ◆(富きくお君) 悪政,なれ合い連合だの財界べったりの市政だの,好きほうだい先ほどから述べておりますが,誠にもって共産党らしいやり方であります。 ポンポン山の件で市長及び理事者に対して,やじの中でもありましたがバックリベートをもらっていると言わんばかりの質問の運び方であります。市長をはじめ理事者の名誉を著しく損ねる発言でもあると私は思います。選挙に勝つためならば手段を選ばず,勝つためにはなりふり構わず何でも悪と決め付ける態度,五臓六腑が煮えくり返る思いであります。(発言する者あり)古今東西,共産党の体質そのものは,旧ソ連も東欧諸国も日本も相変わらず全く同じだということを今もって再確認いたしました次第であります。 私は,民社クラブ及び民社党を代表いたしまして若干の質問を行います。 さて去る5月13日,我が民社党京都府連は,次期京都市長候補に現市長の田邊朋之氏を推薦することを正式に決定いたしました。我々が今回も田邊現市長を引き続き京都市長に推薦するに至った理由はこれから申し述べますが,4年間にわたる田邊市政の業績を総合的に客観的に検証した結果であります。 まず田邊市政より以前から手掛けられていて田邊市政になってから着手した事業でありますが,平成元年11月地下鉄東西線着工に始まり,情報公開審議会開催,これにより平成4年2月より公文書公開制度がスタート,山陰線立体交差化事業着手,平成3年3月岡崎地下駐車場着工,女性総合センター着工,その年の10月西部文化会館着工,平成4年2月山科再開発事業計画決定,京都市コンサートホール着工。 次に田邊市政以前から手掛けられていて田邊市政になってから完成したものを取り上げてみます。平成元年9月国際交流会館完成,10月鴨東線開通,10月リサーチパークオープン,平成2年3月向島留学生センター完成,5月鴨川東岸線開通,京都コンベンションビューロー設立,呉竹文化センター完成,10月地下鉄北山北大路開通,平成3年3月障害者スポーツセンター体育館完成,ハウメッセ京都オープン,平成4年市立病院新棟完成などなど。 また田邊市政になってから発表,着工されたものを順次取り上げてみます。平成元年みんなのスポーツ体育館構想発表,平成2年2月全国車いす駅伝競争大会開催,これ以後毎年開催されております。愛ウォーク京都を実施,これも以後毎年開催です。京都市違法開発対策会議設置,これにつきましては後ほど触れますが,比叡平西側の代執行へとつながります。10月在宅寝たきり老人介護者激励金支給,山の家着工,平成5年4月オープン,生涯学習フェスティバルまなびピア開催,これも以後毎年開催となっております。12月緊急通報システムあんしんネット119開始,平成3年1月まちづくり田邊試案発表,3月京都の優れた景観を保全し形成する事業基金の設置,芸術祭典・京開催,これも以後毎年の開催であります。京都プライバシー保護制度検討委員会設置,平成5年3月条例化,区民ふれあい事業スタート,以後各行政区で毎年開催,6月京都市ごみ減量化等検討対策委員会,平成5年4月条例化,6月土地利用及び景観対策の審議会設置,1次答申平成3年11月,2次答申4年4月,7月健康増進センター着工,平成5年6月竣工予定。 いろいろまだまだ実はこれだけあるのですが,やってまいりました。しかしながら時間の都合上割愛いたします。 少々長くなりましたが,この4年間を振り返って,議員先輩諸氏は,この田邊市政をどう評価されますか。確かにすべてが100点満点とは言えません。中には50点のものもあれば90点のものもあります。しかし今川前市長から引き継いだ懸案も含め,田邊市長独自の事業を見てみますと,一応146万市民の各層にわたり全市民的に広範囲の人々を視野に入れた事業が網羅されております。また我が会派は,毎年市政全般にわたり政策要求並びに予算要望を行い,おおむねその要望が施策に反映されたと評価いたしており,今回の推薦に至ったわけであります。他会派の自民,公明,社会の皆さんも,また労働団体では連合京都が4年間の田邊市政を評価し推薦したことは言うまでもありません。要するに,大多数の幅広い市民の声を吸収して市政に反映したということであります。 以上のように,この4年間の田邊市政は,146万市民が生活する京都市の市長として,広い視野に立ち多種多様な市民のニーズにでき得る限りこたえようとした全市民的な市政であったと申せましょう。しかるに共産党及び共産党推薦の候補者はいかがでありましょうか。大量のビラも,このようなけばけばしいビラを持ってまいりましたが,またけたたましい宣伝カーも,訴えていることといえば,相も変わらぬ国民健康保険とポンポン山と,自民党べったり,財界寄りとの中傷ばかりであります。(発言する者あり)146万京都市民は,様々な職業,様々な年齢,様々な地域に住む本当にいろいろな方々がこの広い京都市内におられます。共産党こそごく一部の市民に対して利益をもたらし,限られたごく一部の市民のためだけの政治に甘んじ,それで良しと言いくるめるものであります。これで果たして146万京都市民の真の市長と言えましょうか。 田邊市長は,自民党,財界べったりだと共産党は言いますが,前回の市長選挙を見なさい。前回の市長選挙におきまして,最初は,私ども民社党と公明党が中心となり,その後自民党の皆さんとともに選挙を戦い,321票の近差で勝利することができたのであります。決して自民党だけの市長ではありません。公明,民社をあなたたち共産党は一体何と心得ているのか,我々公明,民社に対して失礼千万である。 また前回の選挙後には,社会党の皆さんも田邊市政を良しと認め,私どもと一緒に田邊市政を支えて今日に至っております。そして今回,社会党は,早々に田邊市長を次期市長に推薦されたのであります。これは民社党及び我が民社クラブが政治の中で求めているものを田邊市政が反映していると我々が認めたように,自民党もしかり,公明党もしかり,社会党もしかりであります。多くの政党や多くの市民が求めているものを田邊市政は反映していると多くの政党や多くの市民が認めたということであります。こうしたことからも,田邊市政がより広範な市民のために開かれた市政を目指し,実現に向け努力してきたことは十分に市民の方々は御理解いただけると存じます。 かつて京都府政を蜷川虎三知事が担っていた時代がありました。確かに当初の蜷川府政は評価に値するものでありました。しかし後半,共産党の独裁府政になってからは,私が先ほど申しましたように,ごく一部の人たちに偏った政治に偏向して,結果的には,この京都の経済,交通アクセスなどに大きな阻害要因となり,京都の急激な地盤沈下をもたらしたことは周知の事実であります。その後,新しい開かれた府政が誕生し,京都府全体が現在では活力を取り戻しつつあります。それは共産党を除くすべての政党が一致協力して府民や市民とともに歩み始めたからであります。 私たち京都市民は,二度とあのような暗黒時代への逆戻りを許してはならないのです。ゆえに幅広い市民層に支持され推薦されている田邊市長こそが21世紀に向けての京都市長に最もふさわしい人物であると私どもは確信いたします。そして私どもは自信を持って推薦いたしたのであります。 ところで現状の京都市については,まだまだ楽観できるものではありません。急速な高齢化が進むとともに人口が減少し,特に市内中心部での人口減少は都心の空洞化を招いております。そして最近は,ようやく鎮静化はしたものの,それでもなお高い地価や公共交通網の未整備などが交通渋滞に拍車を掛け,経済活動は停滞を余儀なくされているのであります。 このような京都をめぐる危機,あえて危機と言わせていただきますが,この危機を踏まえたうえで,来るべき21世紀の京都づくりの指針として,この度新京都市基本計画が策定されたのであります。1983年の京都市基本構想に基づいた長期計画を見直し,2000年までの市政の方向を示しており,足掛け4年にわたった策定作業を経て審議会から答申されました。こうした作業を経て3月15日に答申が出されたわけですが,この新京都市基本計画は,未来の京都を文化首都と位置付け,再び我が国の文化の復興や推進の中心的な担い手となることを求めております。そして健康都市づくり構想,まちづくり構想,緑化計画,大学21プランなど,既に発表されている諸計画と併せて重点施策は104にも上っております。多彩な市民のニーズにこたえる21世紀に向けた京都のまちづくりのプランとして非常に評価できるものであると考えます。 しかし高邁な理念に基づいた立派な計画でも,それを現実のものとしていくには様々な困難があります。何といってもまず第1の問題点は,財政上の裏付けであります。この計画を実現するには,8年間で約2兆円という莫大な財源が必要とされておりますが,この財源をどうやって確保すべきか,中・長期的な財政計画がやはり必要となってまいるのであります。 私ども民社党は,かねてより国に対し景気調整基金の創設を提唱いたしております。好景気の際には自然増収や剰余金を積み立て,不況時には減税など景気対策に使うというシステムであります。これを予算制度に設けることにより,単年度予算の弊害を是正し,中・長期的な財政運営を行える体制を確立することができるのであります。私どもも国に対して強力に要望いたしておりますが,京都市といたしましても,政令指定都市の市長会などを通じ強く要望し実現させていただきたいものと存じます。 次に必要なのが庁内の執行体制の強化でありましょう。この計画を行政機構の中で実現していくためには,市長をはじめ助役の強力なリーダーシップの下,職員一人一人が自分たち自身で21世紀の京都のまちをつくり上げるのだという使命と情熱を持ち,それぞれの職務を遂行しなくてはなりません。また同時に,この計画の目指すところを市民の皆様にも十分御理解いただくため,計画を十分にアピールし御協力いただかなくてはなりません。また我々議会も全面的にバックアップし,ただし共産党は別でありますが,市長をトップとした行政と市民,そして市会,この3者が一体となってこそ21世紀の京都のまちづくりが可能となるのであります。 以上,次期田邊市政の中核を成すであろう新京都市基本計画について私の思うところを述べましたが,実現のためにあと是非とも必要となってまいりますのが,先ほどから御質問が出ておりました中央から地方への権限移譲すなわち地方分権であります。我が民社党は,かねてより地方分権推進基本法の制定を主張してまいりました。そして地方分権の推進を具体化するために,その実現目標を3年と法律に明記し,まず行政事務の再配分を断行すべきであります。国,都道府県,市町村の機能分担を明確化し,地域住民に密接する事務は,その総合性が発揮できるよう市町村に重点配分し,併せて不必要な事務,許認可権限を大幅に整理する必要があります。 次に財源の再配分に関しましては,現行制度では全租税の63.5パーセントを国が徴収し,残り36.5パーセントを地方公共団体が徴収するようになっております。これがいわゆる3割自治と言われるゆえんでありますが,最終使途割合は,逆に行政全体の約60パーセントを実は地方公共団体が担当しているのであります。こうした現状から,国と地方の租税徴収割合を少なくとも半々,50パーセント50パーセントとして地方自主財源の確保を図るべきでありましょう。これらのほかにも補助金の整理合理化や広域行政の整備などを積極的に推し進めるとともに,移譲される側である地方公共団体も十分に自覚を持ち取り組んでいかなくてはなりません。 以上,私の思うところを率直に述べさせていただきましたが,市長,この4年間を振り返ってみていかがでしたか。次期田邊市政に対する抱負や決意,その思いも含めて,時間は少なくなっていると思いますが許す限り語っていただきたいと思います。 次に新京都市基本計画の財政的な裏付けでありますが,残された時間も限られており,中・長期計画を打ち出し財政計画及び財源を明確にすべきだと思いますがいかがですか,助役にお伺いいたします。 最後に地方分権について,真剣に京都府や他の地方自治体とも一丸となって強力に国に対して要求していただきたいと思います。 一昨日,私どもは兵庫県に行ってまいりまして,兵庫県知事からいろいろな地方分権に対しての思いを聞いてまいりました。全国知事会におきましても相当突っ込んだ議論が行われておるということでございます。市町村の全国市長会,それから政令指定都市の市長会でもいろいろ議論になっていると思いますが,どのあたりまで議論されているのでしょうか。それも併せもって市長のお考えをお聞きいたしたいと思います。遠慮なくお聞かせください。 以上をもちまして私の意見と質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○議長(川中増次郎君) 田邊市長。 ◎市長(田邊朋之君) ただ今の富議員の御質問に対してお答えいたします。 京都市長選挙が近く行われることになりまして,先般,民社党といたしまして推薦いただきましたことに対して厚くお礼を申し上げます。また民社クラブに所属される議員の方々につきましても大変温かい御支援をいただいておりましてありがとうございました。 今私の4年間の評価をしていただきまして,そういう評価の中から今度の市長選挙に田邊を推すんだと,一口で言えばそういう御理解をいただいたと考えておるわけでございますけれども,確かに今京都市が置かれております状況というのは,決して生易しい状況ではないわけでございまして,私たちは非常に危機感を持っておるわけでございます。 丁度100年前,私たちの先輩は,都が東京へ移りましたその後の京都の経済力,政治力,その他の凋落に対して,明治の京都策を講じ近代化することによって京都の大きな復興を成し遂げたわけでございます。状況は違いますけれども,今あります現象としては,私たちもこの際,力を尽くして,市民の総力を挙げて京都の活性化を図っていかなければいけないという考え方の下に生まれてきたのが健康都市構想であり,まちづくり,景観問題であり,更にそれが中心になって今回策定された新京都市基本計画でございます。 その中に我が国の文化首都の中核となろうということがありますけれども,首都でございますから,これは決して生易しいことではなく,私たちが今後市民と力を合わせてですね,どういう文化首都を造っていくかというところに問題があるわけでございます。そういう中で今後の京都市のまちづくりの基本的なスタンスにつきましては,やはり先見性と総合性ということになるわけでございますが,市民が行政の意思決定の枠組みに可能なところでは入ってもらって,施策を進めていく際には市民と一体になってやっていく,また我々も力を尽くして市民から信頼されるような行政的な力を具体的に示していく,信頼されることが私は京都市が今後活力を持っていく,21世紀に向かって今の力を進めていく基本的な問題でですね,これを克服しなければ重大な悪い結果が訪れるかも分からないと思っているわけでございます。 そういう状況に対処いたしますためにはやはり今私たちが置かれております状況を,私をはじめ職員が一体になって理解していくことが一番基本になっていくわけでございます。今後また議会の先生方にも是非御協力を賜りまして,今朝ほど来お話を申し上げておりますような意思の疎通を図って,議会と執行部が一体になって進んでいくことも極めて重要な事柄であると考えます。今理想を掲げてまいりましたけれども,これを事業に具体化して実現していくことが私に与えられました宿題でございますし,またこれをやり遂げるために,私は皆さん方の御支援を得て,再度京都市長としての重責を果たしていきたいと思っておるところでございます。 なお政令指定都市の市長会で何が話されたかということでございますが,一口で言えば,まちづくりの話が出たわけでございます。まちづくりの基本的な考え方は,そのまちの歴史でございますとか,風土でございますとか,こういうものが非常に大事なんだということでございまして,歴史的に見まして札幌というのは,明治前後から今日に至る歴史でございますから百二,三十年の歴史と思います。横浜にいたしましても黒船が来てからの歴史でございますから,これもほぼ同じような歴史しか持っておりません。概して言えば,文化首都を目指そうという京都,大阪,神戸,この3市のまちづくりの構想というのは,他の政令市に比べますと中身が濃いと申しますか,しっかりしたものがあるわけでございます。その中でも中核都市になろうということでございますので,今後一層努力していきたいと思っております。今日は大変ありがとうございました。 ○議長(川中増次郎君) 薦田助役。 ◎助役(薦田守弘君) 新京都市基本計画の財源についてでございます。総事業費は投資的経費で総額2兆円,うち一般会計分約1兆7000億円と概算いたしております。現在の経済状況の推移や義務的経費のウエートの大きい京都市の脆弱な財政構造から見まして事業費の確保には大きな困難が伴うものと考えております。このため,この計画の実施に当たりましては優先順位の厳しい選択を行い,また財源の重点的,効率的配分を行いますとともに,併せて一方,消費的経費の抑制を図るための徹底した行財政の効率化,あるいは財源確保のための国への要望活動の強化,民間資金の活用,あるいは事業手法の検討などの取組を一層強めてまいらなければならないと考えております。 実施に当たっての中・長期の計画につきましては,中・長期の財政見通しの下に計画的な運営を図っていくことが望ましいのは申すまでもないのでありますけれども,本市の財政構造上,自主財源が少なく,国などへの依存財源が多いために,国家財政あるいは地方財政対策の動向に大きく影響を受けること,また景気変動の影響を大きく受けることなどから,本市独自の有効かつ確実性のある財政計画をお示しすることはなかなか難しい状況がございます。こうした中で義務的経費をはじめ大規模事業等についての基本的な指針を持って財政運営に努めているわけでございます。新しい基本計画は,20世紀のまちづくりの総仕上げ,また21世紀へ向けての新しいまちづくりの基礎づくりということで実現に努めていかなければならないものでございますので,御提案のございました貴重な御意見も踏まえまして,市政発展のために一層の財源確保に努めてまいりたいと考えております。よろしくお願い申し上げます。 ○議長(川中増次郎君) これをもって一般質問を終結いたします。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~議長(川中増次郎君) 本日は,これをもって散会いたします。 〔午後5時15分散会〕~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~            議長   川中増次郎            副議長  可児達志            署名議員 山中 渡            同    梅林 等...